私の好きな電気機関車たち   ④

EF52 国産初の電機

昭和35年ごろ、小学生の時代にさかのぼります。家族で南紀へ旅行に行った帰り、白浜から天王寺まで客車列車に乗りました。時刻表を見返すと準急「しらはま」だったようです。白浜では、たしかに蒸機C57かC58の牽引でした。ところが、天王寺に着いた時には、デッキの付いた、京都でも見られない古くさい電気機関車に代わっていました。乗降客で混雑する活気のある天王寺駅には、およそ不似合いなスタイルでした。それが、EF52との出会いでした。同じデッキ付きでもEF57のような洗練されたスタイルはなく、輸入機から国産機への過渡に当たる、無骨そのものの大型電機に魅力を感じます。

昭和40年代前半、阪和線から紀勢線へ直通する列車には、まだ客車列車が多く残っていた。その牽引には、ED60にまじってEF52も先頭に立って活躍していた。新宮行き124レを牽くEF52 3 通風器の形状が、ほかとは異なる。鳳(昭和41年3月)

鳳電車区の脇を行く御坊行き9130レを牽くEF52 2(昭和42年7月)

東海道本線、横須賀線で電化が進捗していた昭和の初期、電機は輸入に頼っていたが、国産化を目指して、最初に造られたのがEF52だった。使い勝手が良かった、WH社のEF51を手本にして製造された。EF52は最初、東海道本線東京口で使われたが、戦後、甲府区に転じたあと、昭和32年までに全機7両が鳳電車区に移動し、阪和線の客貨を牽いて長らく活躍した。昭和43年10月改正で南紀直通の客車列車は、夜行1往復を除いて廃止され、晩年は貨物牽引が中心となった。

阪和線山中渓~紀伊には25‰勾配があり、貨物の多くは重連、または補機付きとなった。当時配置されていた竜華区には、ED60、EF15、EF58があって、その組み合わせも様ざまで、それがまた阪和線の魅力でもあった。EF52 3+EF52の上り貨物。

 

客車の無くなった紀勢線直通列車だったが、夏になると、水泳客輸送の臨時列車に12系客車が使われて、EF52が久しぶりに先頭に立った。山中渓(昭和47年7月)

和歌山の留置線で休むEF52 7 デッキも含めた全長は20.8mで、20mを超える電機は、出自が同じEF14の2形式だけしかない。間近に見ると実に長い。

最後のEF52牽引は、昭和50年8月24日に臨急「きのくに53号」で、EF52 7が「さようなら運転」のマークを付けて天王寺~和歌山でラストランを行った。

EF52は、当時の鉄道省と、国内メーカー4社の共同設計で造られた。EF52 7には、右書きのメーカーズプレートが磨き出されていた。和歌山発の上り臨急が、EF52にとって最後の仕業となった(実際はそのあとも貨物を牽いていたらしい)。EF52 7は、製造元の川崎重工業兵庫工場に静態保存されている。また京都鉄道博物館には、EF52 1が保存されている。

 

 

 

6 thoughts on “ 私の好きな電気機関車たち   ④

  1. 天王寺で時々見かけていました、当時はED60もいましたので何でこんな古臭い機関車がいるのか不思議でした。デザインも他の国鉄のものとは異なり武骨そのものですね。客車を引っ張っているのは見かけなかったのですが貨物は撮ったことがありました。1972年1月日根野近くです。

    • wakuhiro様
      写真、ありがとうございます。阪和線というと、どうしても電車への興味が強いのですが、貨物も結構多く走っていました。牽引機は、お書きのED60以外にも、EF15、EF58が竜華に配置されていて貨物を牽き、しかも山中渓の勾配区間を越えるため、重連、後補機と、組み合わせにバラエティが富んでいましたね。

  2. 「さようなら運転」から約半月後、定期貨物列車を牽いて現れた7号機です。まさかまだ走っていたとは信じられず、「さようなら運転」を撮りに行けなかっただけにラッキーでした。当時のネガカラーで発色が悪いのはご容赦下さい。1975(昭和50)年9月10日、杉本町駅南方での撮影です。

    • まほろばの鉄趣味住人さま
      貴重な写真、ありがとうございます。私も「さようなら運転」のあとも、EF52が使われていたこと書きましたが、これは本からの受け売りで、何も見たわけではありません。先輪もまだ磨き出しもあって、きれいな姿ですね。

    • 米手さま
      写真、ありがとうございます。隣に社形も写っていますね。私も高校生の頃に二度、鳳へ行きました。京都では見られない、電機と電車が両方見られるのが、阪和線、鳳電車区の魅力でした。

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