宇和島駅へ進入。

（キハ185系3100番台）

８月15日の早朝、宇和島6時9分発の628Dを撮りに出動します。出庫は5時53分とのことですが、その時間にはまだ駅構内に入れないので駅手前の跨線橋から駅進入を撮ります。架線がないのでいとも簡単に撮れてしまいます。この松山行の628Dと、途中で伊予大洲で交換する松山5時51分発宇和島9時10分着の911Dの1往復が、キハ185系3100番台の定期運用です。

ローカル運用の証しともいえる優先座席ステッカーが。

ほぼ特急車のままです。

このキハ185系3100番台は、国鉄末期に四国の新鋭特急車両として投入されたキハ185系が、ＪＲ化後ほどなく高速化対応で振り子式の2000系ディーゼルカー投入のあおりを食って、南風やうずしおなど主たる特急運用から外れた結果、余剰車輛は、ＪＲ九州への転籍とローカル運用への格下げが行われました。ローカル運用対応として、キハ54などの一般車と併結するためＫＥ93ジャンパ栓の取り付け、ブレーキ改造、車内はリクライニング機構の無効化、シート裏のテーブル撤去、ビニールのシートカバー取り付けが行われました。逆にいえば、これだけの変更だけで、特急車両としての快適性は確保されているとも言えます。当初、トイレ付3000番台2両とトイレ無3100番台８両がキハ58系置き換えのため就役しましたが、3000番台は特急用に復籍し形式消滅。3100番台も伊予灘ものがたりのキハ185系化などにより優等車用に復活し、現在は６両に減少し、朝の1往復の定期運用と波動輸送用でいささかもったいない使い方になっていますが、趣味的には全国的に見ても興味深い存在でしょう。

宇和島からの628Dを少しでも多く撮るには、と一計を案じた結果、先ず、予土線の窪川行4810Dに北宇和島まで乗って迎え撮りをします。この4810Dは、キハ323、予土線ホビートレインの三男、鉄道ホビートレインです。そう、新幹線０系顔の車輛です。

予土線三兄弟の三男、鉄道ホビートレイン、キハ323、宇和島。

キハ323の車内、歴代新幹線車両の模型の展示もあります。

キハ323、北宇和島。

キハ323車内の鉄道模型陳列。

車内には本物の０系の転換クロスシートも４席あり、座席跡のショーケースの中には、四国の鉄道の歩みを語るＨＯゲージのキハ55系やキハ181系などの模型が陳列されています。これこそまさにトレインイントレイン、鉄道好きにはたまりません、予土線ホビートレインには、今回は見ることが叶いませんでしたが、この他に長男のトロッコもあり、これら3兄弟の運用は、ＪＲ四国のホームページで公開されています。徳島や高松と違い、関西からは遠い南予地方の予土線ですが、なかなか行く値打ちはあります。新幹線０系顔の単行ディーゼルカーが山深い四万十川沿いをトコトコ走るのは、想像しただけでユーモラスだと思いませんか。今度は、予土線をしっかりと撮りに行きたいと思いました。

北宇和島でキハ1853100を迎え撮りした後、伊予大洲でこの形式の並びを撮りたいと思いましたが、628Dの停車時間は１分しかないので、途中、卯之町で特急宇和海２号に乗り換え、伊予大洲まで先に行き、迎え撮りと並びを撮ることにします。大洲城バックに撮れたと思ったのですが、後で見ると思いの外、ケーブルの映り込みが邪魔で、しまった、と思いましたが後の祭りです。

伊予大洲駅をめざす628Ｄ松山行。

キハ185系3100番台どうしの交換、伊予大洲。

撮影のために、途中で乗り換えてバタバタしましたが、キハ185系3100番台の希少な運用である628Ｄに宇和島から松山まで乗り通すと約3時間、青春18きっぷ利用者には、屈指の豪華な設備で豊かな時を過ごせること請け合いです。宇和島で宿泊しないと利用は難しいですが、それだけの値打ちはあると思います。いつまで3100番台の運用があるか全く判りませんが、お勧めです。

628D松山行、伊予中山。

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