駅名喫茶店は、あくまで「副業」なので気まぐれの開店です。開店できる時に開けようという心意気です。今回は、年号に関わる駅名です。単に年号の「漢字」を含む駅名も番外編として紹介しています。
さて、本題からは一旦離れますが、2023年1月4日(水)に、名古屋市交通局と長崎電気軌道で駅名改称がありましたので、お知らせいたします。名市交から「市役所」の駅名が消え、長崎電気軌道で「市役所」の駅名が誕生したのは興味深いです。ちなみに、「市役所前」という駅名は日本全国至る所にあり、同一駅名としては最も数の多い駅名といわれていますが、真相を確かめるべく、後日調査してみます。
名古屋市交通局の駅名変更
「市役所」→「名古屋城」
「神宮西」→「熱田神宮西」
「伝馬町」→「熱田神宮伝馬町」
「中村区役所」→「太閤通」
長崎電気軌道の駅名変更
「市民会館」→「市役所」
【全国にある「市役所前」】
市役所前(函館市企業局交通部 本線)
市役所前(千葉都市モノレール1号線)
市役所前(長野電鉄 長野線)
市役所前(紀州鉄道)
市役所前(豊橋鉄道 東田本線)
市役所前(広島電鉄 宇品線)
市役所前(伊予鉄道 城南線)
市役所前(鹿児島市電 第一期線)
以下、本題です。
年号の説明は、広辞苑 第五版(岩波書店)に依る。
【大宝】文武天皇朝の年号。対馬より金献上による改元。(701.3.21~704.5.10)
大宝(関東鉄道 常総線)
【和銅】元明天皇朝の年号。武蔵国秩父郡から天然の純銅(和銅)が出たために改元。(708.1.11~715.9.2)
和銅黒谷(秩父鉄道 秩父本線)
【養老】奈良時代、元正天皇朝の年号。養老の滝命名に因んで改元。(717.11.17~724.2.4)
養老(養老鉄道 養老線)
【延暦】桓武天皇朝の年号。(782.8.19~806.5.18)
ケーブル延暦寺(比叡山坂本ケーブル)
【仁和】平安前期、光孝・宇多天皇朝の年号。(885.2.21~889.4.27)
御室仁和寺(京福電鉄嵐電北野線)
【延徳】戦国時代、後土御門天皇朝の年号。(1489.8.21~1492.7.19)
延徳(長野電鉄 長野線)
【宝永】江戸中期、東山・中御門天皇朝の年号。(1704.3.13~1711.4.25)
宝永町(とさでん交通 後免線)
【明治】明治天皇在位期の年号。(1868.9.8~1912.7.30)
明治神宮前(東京メトロ 千代田線、副都心線)
【大正】大正天皇在位期の年号。(1912.7.30~1926.12.25)
大正(大阪環状線、大阪メトロ 長堀鶴見緑地線)
大正(島原鉄道)
土佐大正(予土線(しまんとグリーンライン))
【昭和】昭和天皇在位期の年号。(1926.12.25~1989.1.7)
昭和新山(有珠山ロープウェイ)
昭和橋(函館市企業局交通部湯の川線)
昭和(鶴見線)
昭和島(東京モノレール 羽田空港線)
昭和町(大阪メトロ 御堂筋線)
昭和町(高徳線)
土佐昭和(予土線(しまんとグリーンライン))
昭和町通(長崎電気軌道 本線)
【平成】(1989.1.8~2019.4.30)
平成(豊肥本線)
【令和】(2019.5.1~)
都府楼前(令和の里)(西鉄 天神大牟田線)
令和コスタ行橋(平成筑豊鉄道 田川線)
番外編:以下の駅名は、調査をした限り、元号とは無関係と思われます。したがって、駅名の読み方は必ずしも元号の読み方と一致していない場合があります。
【養老】(717~724)
養老渓谷(小湊鐵道)
【天応】(781~782)
天応(呉線)
【大同】(806~810)
大同町(名鉄常滑線)
【安和】(968~970)
安和(土讃線)
【長和】(1012~1017)
長和(室蘭本線)
【長久】(1040~1044)
長久手古戦場(愛知高速交通 東部丘陵線(リニモ))
【久寿】(1154~1156)
久寿川(阪神 阪神本線)
【永和】(1375~1379)
永和(関西本線)
河内永和(近鉄奈良線)
JR河内永和(おおさか東線)
【文明】(1469~1487)
公文明(高松琴平電鉄 長尾線)
【天文】(1532~1555)
天文館通(鹿児島市電 第一期線):元号の「天文」とは無関係。
【天和】(1681~1684)
天和(赤穂線):「てんわ」と読み、元号の「天和(てんな)」とは無関係。
【文化】(1804~1818)
文化の森(牟岐線(阿波室戸シーサイドライン))
南町(県民文化会館前)(伊予鉄道 城南線)
奈良の駅名研究家さま
明治以降の元号の駅名は考えも付くのですが、それ以前の元号にも、関連する駅名がこれほどあるとは知りませんでした。
「市役所前」ですが、単なる「市役所前」以外に、「京都市役所前」「大津市役所前」のように、行政名を冠した駅名もかなりあるのでしょうね。どれぐらいあるのでしょうか。
それと、名古屋の「市役所前」改め「名古屋城前」は、普通なら「名古屋城・市役所前」あたりの複合駅名にするところ、市役所前を捨ててしまったのには驚きました。市役所を利用するのは、名古屋市民に限定されますから、もう認知されていると言うことでしょうか。長崎の新しい市役所は、展望室があって、市電もよく見えるようで、長崎へ行く用事がひとつ増えました。
総本家青信号特派員様
市役所・役所シリーズ、後日、デジ青でご報告申し上げます。
地元民はおそらく認知なさっていることと思います。名古屋城と市役所はセットで覚えているのでしょうね。
話はそれますが奈良県民が新ノ口と聞けば、「ああ、運転免許センターに行くんやね。」と分かってしまいます。
名古屋城駅もいずれはそうなっていくことでしょう。
奈良の駅名研究家様
令和以外の元号は中国の古典からとっているので、中国や韓国の駅名にも使用されています。番外編ですがロープウェイの駅として山形の天元台高原 ロープウェイに天元台高原があります。
予土線(しまんとグリーンライン)に乗るたびに気になっていました。大正、昭和と続くので、次は土佐平成かなと思っていますと十川と案内があり、いつも現実に引き戻されました。写真は、同じ高知県のとさでん交通後免線の宝永町です。
本日から大相撲1月場所が始まりました。相撲協会の年寄名跡(年寄株・親方株)は、現在105家あるようですが、この中にも安治川(安治川口)のように駅名と共通する名称が数多くありますね。
快速つくばね様
コメントありがとうございます。
天文台高原、後ほど追加しておきます。
年寄名称ですか。ノーマークでしたので、いつか調べてみようと思います。