極めて限定された時間帯にのみ可能なBlue Momentの撮影、天候にも左右されて、そうそう撮れるものではありません。感性を磨くためにも、近場でお気に入りの場所を見つけて、季節も変えて、足繁く通う必要があります。そのような意味で、今回は地元の京都で写した例を見ていただきます。とくに、これから紹介する叡電沿線へは、市から支給される敬老乗車証を使えば、無料で現地まで連れて行ってくれます。“朝練”ならぬ“夕錬”で腕を磨くことにしました。▲叡電鞍馬線の高野川鉄橋、高校生の頃からよく通ったところだが、この時間帯に目覚めたのは、ごく最近のこと。画角のなかに夕陽が落ちていくから、快晴だと、Blue Momentの時間帯なのに、山の端はまだ赤く、微妙なグラデーションが期待できる。鉄橋がそれほど長くないから、2両より、単行が良い。また河原からあおり気味に撮るから、下回りを浮かせて撮るためには、複線の手前の上り線限定となる。それらの条件で絞り込むと、こちらも限定的になる。
▲こちらは叡電の八瀬比叡山口駅。創業の頃からの駅舎が、周囲の自然に溶け込んでいる。雪の日も、紅葉の頃も、さまざまな表情を見せる。
▲コロナ禍までの冬期、駅全体がライトアップされていた。とくに雪の降った日は、青い空との取り合わせは最高だった。▲▲比叡山の山影がわずかに見え、電車は終点に急ぐ。カーブ地点で“見かけ”の速度が落ちる一瞬では、スローシャッターでも、車体がブレずにとらえられる。比叡山のケーブル線路の灯りが点々と見える。
▲こちらは二ノ瀬駅。紅葉シーズンには、ここもライトアップされる。撮影位置に問題があって、良識ある高齢者としては、電車を入れては撮ることができなかった。
▲鞍馬からの「きらら」は満員。▲▲下りホームからは電車の進入シーンが撮れる。
※掲載の写真には、デジ青に既発表表の写真も含まれます。