この博物館はデンバー郊外のゴールデンという町にあります。前回の投稿で紹介したRTDのトリッププランナーに出ており、デンバーのダウンタウンからは直通はないものの、1度乗り換えるだけで、約1時間でいけるバス路線があります。これはいいと時刻を見るとなんと土日は運休になっています。距離が結構あってタクシーでいくらかかるか心配だったのですが、デンバー近郊タクシー料金検索と言うサイトを発見、検索すると$32とのこと、これならまあいいかとダウンタウンからタクシーで出かけることにしました。
この博物館はRobert W. Richardson と Cornelius W. Hauck が1940,50年代に廃止されたコロラドの鉄道から集めたものをもとに1959年、コロラド鉄道博物館としてオープンしました。
1931年製Galloping Goose No2
その後コレクションを増やし、現在では100を超える、車両が保存されています。この中で動かせる状態まで復元したものもあり、毎月第三土曜にはSLまたはDLが牽引する列車に乗ることができ、毎週土曜日にはリオグランテサザンのGalloping Goose No7が11時から16時まで1時間ごとに博物館の敷地の外周を回りこれにも乗ることができます。
Galloping Goose No7
訪れた6月9日は土曜日と言うこともあって駐車場にはたくさんの車が止まっています。博物館に着いたのは11時前、11時にグースの運転があるので早速乗り場に行ってみるとたくさんの人が並んでいて私の4,5人前で満員になってしまいました。もう一便運転するとのことでしばらく並んで待っていました。グースは1周約3分の博物館外周を3回廻って元のところに停車します。
グースの乗り場
博物館にはNO2,6,7の3台のグースがありますが、乗ったのはNO7(1936年製)、これは通学用に使われていたと言うことで、機関車と言えばいいのでしょうか運転席の後ろに2列の座席、客車部分には10数人が乗れる座席があります。1便目が到着して、2便目を待っていた人が乗り込みます。私の前に家族連れがいて乗り込むと運転席の後ろはいっぱいになりました。運転手がお前は1人かと聞いたのでそうだと言うと、じゃあ助手席に乗るかと言われ、願ってもないことでグースからの運転席からの風景を楽しむことができました。運転席の様子は自動車そのものです。運転席写真でブレーキレバーの横に湾曲した銅管のようなものが見えますが、これを引っ張るとカンカンと鐘が鳴ります。また運転席パネルの右端には速度計があってその表示は最高120マイル/時間となっているのはご愛嬌と言ったところでしょうか。ところが、この速度計は走行中も動かず積算走行距離も0になったままで、壊れていて機能していませんでした。
リオグランテサザンのグースは全部で7台ありましたが、内6台が保存されていて、3台がこのコロラド博物館に、NO5号機がデュランゴ近郊ダラーズのギャロッピンググース&レールカー博物館で走行可能な状態になっています。「NO5は来週コロラド博物館に来るよ」と、係りの人が言っていましたが、いろんなところに運ばれて、この後私が訪問した、デュランゴ、シルバートン鉄道でも走ることがあるそうで、なかなかの人気者のようです。
ライドを楽しんだ後、館内の展示を見ていきました。コロラドを走っていたものが中心で、SLからDL,客車、貨車まで多岐に渡っています。
シカゴバーリントン&クインシー鉄道の5629号、この博物館が所蔵する最も大きなSL
デンバー&リオグランデ鉄道683号
デンバー&リオグランデウエスタンのF9、NO5771,5762号
コロラド&サザンのロータリー除雪車、1899年製でロータリーの羽根は蒸気機関で回転するが、自走はできない。
マニトー&パイクスピース鉄道のNO1(マニトー&パイクスピース鉄道はコロラドスプリング近くにあるラック式の鉄道でマニトースプリングから標高4301mのパイクスピークに登る登山鉄道。現在はスイス製のディーゼルが走っている。)
奥には扇形庫がありここにもたくさんの車両が並んでいます。また中央部にはGスケールの庭園鉄道があって、デンバー庭園鉄道協会という別の組織が運営して運転を行っていました。
庭園鉄道
屋外の展示を見たあと、博物館の建物に行きました。この建物は1880年代の駅を模したもので、この中にHOのレイアウト、展示、売店などがあります。
博物館へはタクシーをつかまえて来たのですが、帰りの足をどうするかちょっと不安がありました。とりあえず、受付でタクシー呼べるかと聞くと怪訝な顔をします。たぶん自家用車以外で来る人なんかはいないのでしょう。ネットでタクシー会社の電話番号を調べてくれてそこへ電話すると、1軒目は応答無し、2軒目は音声ガイダンスのようなものが流れてきて聞き返すことができず理解できません。受付の女の子に電話渡して聞いてもらいやっとタクシーを呼ぶことができました。町から離れていて少し行きにくいところですが
見所満載の博物館でした。