今回の青春18きっぷの使用は、松山→宇和島からと思っていましたが、この区間の運賃は、2,300円に達しない1,750円なので、普通乗車券を購入しました。
松山駅の構内では、じゃこ天を、手作りで作って、即売しています。
スーパー等で売っているじゃこ天は、小魚をすり身にして揚げたてんぷらですが、本物は、『ハランボ』という宇和島沿岸で、捕獲される新鮮な小魚のみで作られます。体長8㎝ほどで、頭・内臓・鱗以外をすり身にして、機械を使わずに職人が、自ら作成した竹製の枠と、竹包丁でもって、揚げていきます。手で成型した方が、口当たりが、ふんわりとして美味しいのです。
本来は、宇和島の名産品ですが、四国中で一般的なものは買えます。地元人が好む店では、1時間に600枚、正月前だと8,000枚も作ると、その職人が言っていました。勿論、ビールのつまみには最高です。迷わずに3枚をゲットしました。
そして、宇和島行きの列車に乗るべく1番ホームに行きますと、発車待ちだった車は、何と特急に使用したキハ185-3110+キハ185-3105の2両編成でした。2日前に宇和島駅で見た時の、普通使用車は、キハ32やキハ54系のみでしたので、びっくりしました。
① 松山15:35(925D)→19:30宇和島
勿論、デッキスペースはあります。車内に入るのは、自動ドアです。座席の方向転換もできます。リクライニング機能は固定、背面テーブルと灰皿撤去・座席カバーのビニール化等の、最低限の変更はありましたが、先日乗車した急行つやま号とは違って、ずいぶんと立派な車両です。しかし、キハ58・キハ65の置き換えなので、喜びも半分です。乗務員の話では、この区間で、4編成が運用に就いているとの事でした。
ただ、四国のローカル列車に乗車しての、大きな不満が解消されていません。4時間も乗車する列車なのに、トイレがない事です。安心して、ビールは飲めないのは勿論、突然の体調不良等で、不測の事態に陥った時はどうしたら良いのでしょうか?連結器スペースがある2両なら、対応可能ですが、単車運行も多いのです。
残念ですが、トイレが早い人や、行きたい人の乗車を拒むような姿勢を持つ、JR四国では、利用者離れも進むでしょうね。
トイレがなくともビールは止められないので、もしもの場合は、運転手に頼みこむ事で対応しよう、ダメなら簡易スペースもあると、心づもりをして、ビールを買い込み乗車しました。
北伊予駅で、八幡浜始発、松山行きの4924Dと交換、こちらはキハ32-9です。
内子線との分岐駅となって高架化された向井原駅を過ぎ、高野川駅に近づくと、瀬戸内海沿いを走行します。伊予上灘駅では、同じ宇和島~松山間を走りますが、車両はキハ54-7で、1両のみの4926Dと交換しました。
沿線の桜は、まだ5~7分咲きですが、ここから伊予長浜までの19.2kmは、夕陽、海と菜の花を車窓に眺めながら、ゆっくりとした鈍行列車の旅を味あえる、予讃線屈指の区間です。
特に下灘駅は、青春18きっぷのポスターに度々登場する、海に最も近い駅です。映画やTVドラマ、舞台、TVCMのコマーシャルにもロケ地として撮影される事が多く、2007年には、一度は降りてみたい駅の第2位にも輝きました。
乗務員の話では、今でも若い女性客が、次の列車時間も構わずに下りていく事が多いと言います。優等列車は、内子線経由で、線路容量には、余裕があります。こんな駅こそ、20分でも30分でも停車して欲しい。トロッコ好きなJR四国さん、是非ともこの区間に、夏のビール特別列車以外にも、走らせて欲しいと思うのは、私だけではないと思います。
伊予白滝駅にて、同じキハ185-3102先頭2両編成928Dと交換。夕陽が駅舎を染める定刻の17:38に、伊予大洲駅到着しました。向かいのホームでは、伊予市駅で、5分前に発車した内子線経由の列車が、41分前に到着して、折り返しを待っていました。
これからの季節でしたら、次かその次の列車なら、瀬戸内海に沈む夕陽を、車窓から見る事が可能と思います。四国に行かれましたら、是非にご乗車下さい。綺麗なものを見ていると、頭もすっきり、心も綺麗になると思います。
八幡浜駅では、また同じキハ185-3103+キハ185-3106の930Dと交換しました。どうやら時刻表から見ると、列車番号900番台がキハ185使用のようです。
夕闇に包まれた19:30定刻に、宇和島駅に到着しました。今日は、天候に恵まれて、伊予電の松山市内線撮影と、絶景の予讃線乗車と、とてもハッピーな1日を過ごせました。
明日は、四万十川沿いを走る、待望の予土線に初乗車です。好天を祈りました。