台湾鉄道全線乗車の旅 Part11 集集線

第9日目 5月28日

第9日目となると疲れも溜まってくるようですが、好きな事をしている時は、不思議と朝早くに目覚めます。今日から4連休ともなると、駅や列車の混雑は避けられません。早めに行けば、集集線で、途中下車も走行写真も撮影できます。予定を早めて、徒歩で台中駅に向かいました。朝食は途中の朝食屋で、美味しそうな品々を買い求めました。

① 台中7:04-(區間車2435)→8:07二水
② 二水8:17-(區間車 3805)→9:03車埕
③ 車埕10:23-(區間車3808)→10:38集集
④ 集集12:24-(區間車3810)→13:26彰化
⑤ 彰化13:38-(區間快3108)→13:55台中
⑥ 台中15:29-(自強號1022)→17:45台北



※投稿写真の文字が小さいとのご指摘をいただいておりますが、画像をクリックしていただければ、拡大(横幅370mm)出来ますので、見えると思います。画像が、多く取り入れていますので、ご面倒ですが、よろしくお願いします。

平渓線には、一日乗車券があったので多分集集線にもあるだろうと、有人窓口で聞きますと、直ぐに発券してくれました。台中駅からは、集集線に直行する區間快速があるのですが、二水駅で降りたいので、10分前に着くEMC500系区間車に乗車しました。

約1時間座ってゆっくりと、朝食を食べながらで二水駅に着きました。駅前をさっと見ただけで、ホームに戻りましたが、予定を早めたために、午後帰り途中に駅前にあるというSL展示館の見学を、忘れてしまいました。やはり、ボケと疲れは否定できなくなっていたのでしょうね。この頃から、一人旅の行動チェックミスが出てきました。

入線してきたのは、ラッピング仕様の色鮮やかな、DRC1000系5蓮でした。子供と一緒の家族連れ、若者達が大勢乗車しています。久しぶりに前方窓に、ハイビジョンビデオカメラを向けて、発車から終点までを動画撮影に励みました。

以前は、ザクティのMP4で前方車窓を動画撮影していたのですが、大型TVを見出すと、MP4画像は見られたものでなくなりました。最近のHD内臓ですと、1~2週間の撮影はPCや外付けHDDに、ダビングする必要ないほど、余裕で使用できます。何よ、画像が高画質で、細かい所も見れるので、後から確認するのに重宝します。

二水駅を出発すると東部幹線と分岐して、左方向にカーブして山に向かって、非電化の単線を走行します。濁水駅までの沿線は、稲作地帯が続きます。上り坂ですが、さほどではありません。

島式ホームの濁水駅手前で、一旦停車して、ホーム上の駅員の指示を待ちます。濁水駅で、対向列車待ちはありませんでしたが、タブレットの交換をします。ダイヤグラフを見ても交換駅は、濁水駅だけでした。集集線ではタブレット交換駅は、二水駅と濁水駅の2駅のみです。

濁水駅から車窓は一変し、椰子の木やバナナ畑と熱帯林の緑の中をゆっくり25‰の勾配を、上がって行きます。しばらくすると、R152号線と平行します。緑色隧道』と呼ばれる樹齢100年以上の、楠木の並木が続きます。線路に入って記念写真を撮る観光客多数、その都度、警笛を鳴らして、走ります。

龍水駅手前で線路が分れていますが、左へ曲がっていくのは中興二号特殊支線(龍水~戦車研究中心)軍用貨物線です。

龍水駅をでると、S字カーブや、トンネルありの、本格的な山岳路線となります。右側車窓には、濁水渓を眺められます。

人家が増えだすと、木造駅舎で有名な集集駅です。駅周辺は、すでに観光客で一杯です。ホームは、島式と駅舎側に単式ホームがありますが、線路は、はずされ、重機が入って、何やら工事をしています。

集集駅からは、道路と平行した後は山すそに沿って、右へ左へカーブしながら熱帯林の中を上がっていきます。水里駅までは、集集線では長507.4mのトンネルや落石避けのトンネルが多くあり、集集線の難所です。

水里駅は台湾で最も大きく、水面の標高は748mと高い湖『日月潭』、東埔温泉や、蛇窯へと向かう下車駅で、集集線では最も大きな駅です。

最後の短いトンネルを抜け、着いた終点の車埕駅は、海抜350m、ダム湖前にありました。1955年までは、『外車埕』と呼ばれていました。そもそも、集集線は、このダム、門牌潭発電所建設のための資材運搬用に建設された路線でした。

集集線は台湾電力㈱の専用線として1919年に建設開始、1921年に開通しました。そして、1922年1月より旅客扱いを開始しています。ダム完成までは、先の門牌潭駅まで貨物専用線がありました。現在でも、頑丈なトンネル跡が残っています。

『車埕』という駅名は、福建語の『車場』から来ています。約40kmもの山奥の埔里糖廠から、495mmゲージの軽便人力台車で、運搬される製糖、陶器や檜を集積する基地でした。数100両もの軽便台車が、行き交った時代は車埕駅、集集線の最盛期だったのでしょう。

車埕駅の先にそびえる明澤水庫、門牌潭発電所の発電は、台湾経済の発展に大きく寄与しました。今も台湾の電力の半分以上を占めています。

駅舎は、921大地震で崩壊したため、檜を使った綺麗な木造駅に改築されていました。集集線の駅は、水里駅を除いて、民間委託駅になっています。集集駅も、木工品が並べてありました。1番有名なのは、木桶便當(台湾語の弁当)です。これは、食べてみたかったのですが、あいにく昼にならないと、中身が届かないと言われました。

それでも、記念に持ち帰りたかったのですが、大きいので荷物になりますので、断念しました。老街を歩いているときに、箱のデザインは、違ってますが、木桶便當屋がありました。こちらは、中身も作っていますが、やっぱり同じ理由から、買うのは、やめました。

乗って来た列車は、直ぐに(約6~10分)で、折り返していきますので、1本次の列車にして、付近を散策することにしました。

老街は、山へと上がる坂道沿いに続いていました。途中で、『鐡道書家 李明建工作室』と壁に書いた看板がありましたので、行ってみました。家の前庭に作品らしき物が展示してありましたので声をかけてみましたが、返答はありませんでした。いったい、どんな人なんでしょうかね。

しばらく、散策した後、立派な檜造りの木業展示館に入ってみましたら、先程の列車で一緒だった小学生達が、木工工作を楽しんでいました。恋人たちは、手押し軌道台車を楽しんでいます。2階は、コーヒーショップと土産物売場になっていました。

私も、駅構内に戻り、保存されている給水塔等の記念物を見学していると、また、たくさんの観光客を乗せて、折り返しのDRC1000型3連が入ってきました。このDCに乗車して、集集駅に向かいました。

集集駅は、先ほどにも増して、たくさんの観光客で一杯です。駅前には、可愛いSLのモニュメントが設置され、若者仲間が記念写真を撮りまくっています。本物のシェイ式SL22号機も静態保存されて、展示されていました。こちらも、記念写真撮りで、一杯です。特に若い女性には、大人気です。日本で、こんな光景を見た事ありません。

駅前横に、762mmゲージが敷いてあります。集集駅に向かう車窓からも見えました。これは、いったいなんだろうと、行きたくなりましたが、また登り坂が続いています。蒸し暑いのに、これは大変です。駅前を見渡すと、数軒のレンタルサイクル店が、並んでいます。

バイクは嘉義で、嫌と言うほど乗りましたので、ここは、おとなしく自宅で乗りなれている電動自転車にしました。交渉の結果、2時間で、150元(約430円)です。日本と違い、電動アシストではなく、漕がずに約25km/hで、自走できます。撮影には、丁度良いスピードです。駅前横の土産店街で、弁当を買って出発です。

この762mmは、観光のために、約9キロの、街を一周する路線を敷設予定で、途中まで工事が進んだところで921大地震に会い、走行することなく、そのままでおかれているとの事でした。線路にそって、サイクリングロードとなっています。約1キロ程上がったところで、駅があり、その先には、ガラス張りの車庫に、SLとトロッコが保存されてありました。

今日も朝が早かったので、さっき買った便當をひろげて、線路際で昼食です。食べ終わった頃に、DRC1001を先頭にDR1000系4連が、走ってきました。

熱帯林を走行する集集線のDCを撮った後は、街中を走行しました。そして、集集駅から再乗車して、彰化駅を目指しました。梅小路機関区同様の有名な扇方機関区の視察です。

二水駅を発車して、車窓に展示SLを見てようやく気がつきました。昨夜、組んだ予定では二水駅で降りて、SL記念館を視察撮影予定でした。早朝起きが出来ているので、快調だと思っていたのは大きな間違いで、結構疲れも溜まっていて、気を付けなければいけない体調だったと、気がつきました。

3812列車は、二水駅からは、快速列車となって、逆戻りは、時間的にも無理があります。そのまま乗車して、彰化駅で下車しました。出口を出る際に、機関区までの道を聞きましたら、思いもかけない返答です。出口係員は、電話をしています。そして、『申し訳ないが、今日は休みです。行っても入れません。』 啞然と、なりました。

今日は、休日なので、確認すべくもなく開館していると、日本の常識で判断したのは、大きなミスでした。梅小路機関区や鉄道博物館が、休日に閉館等は、日本では、ありえません。日頃から、日本の常識は、国際的には、非常識と言っていた自分が、恥ずかしくなりました。落とし穴に、落ち込んだようです。ショックを胸に、朝にコインロッカーに荷物を預けた、台中駅へと向かいました。到着後、まず荷物を取りに行きましたが、何度、暗証番号を打ち込んでも、ロッカーは開きません。どうしてなのか、分りません。

仕方ありません。再度、説明掲示板を、つたない語学力で読んでみますと、日本のように、一日300円とかの単位での使用ではなく、時間単位です。台湾で、コインロッカーを使用するのは、初めてでした。売店で、硬貨に両替してもらい追加料金を入れて再度挑戦しましたら、開きました。もしも、台湾や海外で、コインロッカーをご利用される皆様は、必ず利用方法を読んでからご利用ください。

台北行き列車乗車には、十分な時間があります。台湾本舗』に向かい、昨日予約しておいた書物を確認して購入しました。合計20冊、到底、中型のスーツケースに入る、大きさではありません。店長に近くのカバン屋を、紹介してもらいました。
今日は、ハプニングがありました。明日は、気を取り直していこうと、自強號台北駅へと向かいました。

明日は、予定を変更して、今日行けなかった二水のSL記念館、彰化機関区、苗栗鐡道博物館の見学、西部幹線の海線乗車です。ホテル近くの西門夜市で、夕食を取り、おとなしく早寝しました。 Part12へ続く

 

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