▲ 昨夜嘉義站売店で購入した時刻表は紹介しましたオレンジ色の表紙でしたが、他に紫色と黄色のもう2種類がありました。よく見ますと、中々のセンスあるデザインで気に入っています。日本の時刻表も写真ばかりでなく手書きのイラストデザインシリーズも作ったらと面白いのにと思いました。
第2日目 1月9日 その1
6:30 目覚めてのすぐの作業は、カーテンを開けて見る空模様です。今日はあいにくと雲が立ち込めています。天気予報では、曇りのち晴れなのでこれからは好天するのだろうと、ホテルで朝食を食べてから8時にチェックアウトしました。
中国本土ではチェックアウトの際は、少し待たなければなりません。係員が部屋に行って良く言えば忘れ物がないのか、悪く言えば盗られた物がないかをチェックするためです。以前にバスタオルがないと騒がれた経験もあります。
実際はバスルームがドアにかけてあったのを係員が見落としたのが原因だったのですが、盗人扱いを受けて嫌な思いをしました。しかし、ここ台湾では 「ご宿泊、ありがとうございました。」 で、カギを渡すだけで済みます。
人を信用することから始まる人間性と、疑うことから始まる人間性と相反する原因はどこにあるのでしょうか?
8:08、ホテルを出発して直ぐ角を右に回る所に 「24時間営業・完全無休 天下活蝦」 と、気になるお店がありました。
ここは一体どんな店なのかと入って見ました。
すると、店の中には泥水の広いプールがあります。
中ではおじさんが一人釣り糸を垂れていました。釣り堀?
何と何と、泥水の中から引き上げられた籠にはたくさんの蝦が入っているではありませんか。
釣ったエビは奥にあるオープンで焼かれて、おじさんは美味しそうに食べ始められました。受付台の上には、1時間150元(約540円)、2時間目以降の追加料金は100元毎(約360円)と掲示されていました。
大津の86さんは勤務時代にはプラント輸出に携わり、台湾にも何回か来られています。
そういえば、同僚や現地の方が休みの日には釣りに行くと言われていたのを思い出しました。その時は日本のような屋外にある釣り堀だと思っていたが、ここに来ていたんだなと手を打たれました。
泥水はエビが上から見つからないようにしてあるようです。ここのエビは焼くと真っ赤になるオニテナガエビのようで、美味しそうに塩焼きで食べておられました。
台湾ではかつてエビの養殖が盛んで、多くは日本に輸出していたそうですが、他の東南アジア諸国での安い養殖エビが出回るようになると、輸出は激減しました。困ったエビの養殖業者は市内に釣り堀ホールを造ってみたところ大人気となって、以降は台湾の市内各所で見かけられるようになったそうです。今は、台湾庶民の代表的な娯楽です。
▲ 8:27 嘉義後站に着いて横断跨線橋に行きますと通路柵の網に何やら願い事でしょうか、書いたハート形やカギ形の木製の小ぶりお札が無数にとり付けてありました。
「喜楽平安、社会安楽、湘銘、幸福、善良、健康・・・」等々の言葉が書いてあります。
日本でも山の展望台等々で見かけられる光景ですが、駅で見たのは初めてでした。
▲ 横断陸橋から見た嘉義站構内。丁度青色の旧型車両を2両最後部に連結して高雄行きの莒光號が発車していきました。
広い構内です。嘉義站には阿里山森林鉄路の他に、かつて東洋製糖北港線と明治製糖朴子線の乗降所もありました。阿里山から伐採された木材、八田與一が作り上げた嘉南平野で収穫された農産物が集積された、台湾でも屈指の貨物取扱量を誇った駅の名残が見渡せました。
8:27、嘉義站に到着。
これからTaxiで阿里山森林鉄路の北門站に向かいますので、まずは邪魔な荷物を站の荷物預り所に預けます。
預かり料は30元(約110円)でした。
嘉義站にはコインロッカーもありますが、前回利用した時には時間制であるのが分からずで開けるのに難儀したことがありました。
料金も安くありませんので、以降は極力有人荷物預り所にしました。
Taxiに乗車しての北門站までは約7分でした。
8:37 到着しました。
▲ 北門站に掲示されていた現在の時刻表です。上は土日祝日ダイヤで嘉義~竹崎を2往復、下が平日ダイヤで嘉義~北門を2往復しています。
今日は平日です。嘉義から北門への311次を撮影しますが、回送があるはずだと期待しての北門站訪問です。
現在、阿里山森林鉄路は、2009年8月の台風8号被害で途中の線路や站が土砂崩れで流失し、寸断区間では新たにトンネルを掘削しての懸命の復旧作業が続いています。
開業100年を迎えた昨年12月25日には間に合いませんでしたが、今年6月を目指しての再開が進められています。
8:39、北門站すぐにある平交道(踏切)から見ますと、読みは当たりました。
嘉義に回送されるDL51号機の牽引する列車がホームに入り発車準備中です。
側線にはDL47号機牽引のもう1編成も並んでいます。その横にもDL33号機が単機で並ぶ、スリーショットでした。
▲ 列車が走るも待合客が誰一人といない待合室。それでも綺麗に掃除がされていました。
8:53、真ん中に待機中だった列車が竹崎方面に向けて発車していきました。
工事作業に向かわれるのでしょうか。ダイヤが分かっていて時間があれば平日でも北門~竹崎で、走行写真が撮れますね。
▲ 9:05 嘉義を発車した311次が戻ってきました。緑豊かな車庫の中を撮影場所に選びました。
車庫は解放されていますので見学も可能ですが、今日は虎尾に向かいますので時間がありません。
車庫は前回阿里山森林鉄路の運転手と朋友になりましたので見学しましたので、どんな車両がいるかはこちらをご覧ください。
台湾鉄路全線乗車の旅 Part6 阿里山鉄路嘉義車庫
嘉義站までは約2キロです。列車の発車時刻までは十分に時間がありますので車庫に沿って歩いて戻ることにしました
▲ 塀越しに見たかつての中興號です。1970年に日本車両で製造され、嘉義~阿里山を2時間55分で結びましたが、冷房がないことから1990年に引退しました。
2両が開業95周年を記念して動態復元されたと聞きますが、この車両でしょうか。
▲ シリンダー部分は反対側で見えませんがシェイ式の26号機。前回は車庫に入っていましたので初めての対面です。
▲ こちらは静態保存されている23号機です。前回見た重油式ながら動態保存されている25号機の姿は塀に隠れて見えませんでした。
▲ 9:17 嘉義站側の車庫入口から見た車両群。
こちらの中興號は錆びだらけですが保存はされているようです。いつかは復元される予定なのかも・・・。
嘉義へと延びる鉄路。
周りの柵は森林鉄道らしくすべて木製です。
▲ 9:30 嘉義站に戻ってきました。発車する區間車がありましたので、構内に入る前に少し待ってのショットです。
走るは台鐡の第2次通勤電車として1995年から登場したEMU500系です。韓国大宇製で、4両編成×86本の344両が投入されました。
これで朝飯後の一仕事が終わりました。これから今日のハイライト、現役のシュガートレインが走る虎尾糖廠へと向かいます。 Part5へ続く
ぶんしゅう様
乗車はかないませんでしたが、動いているところが見られて、まずは今回の旅の目的の一つが、達成できました。回送があるだろうから早めに北門駅に行こうと言われた、ぶんしゅう様の狙いが見事当たって、北門発車の風景も撮ることができ、ありがとうございました。
平日の嘉義-北門間の2往復はあくまで維持管理のための運転のようで、この日の嘉義からの列車にも乗客は見かけませんでした。ぶんしゅう様も書かれている様に、運休して4年あまりがたち、乗客もほとんど無いのに、駅にはごみ一つ落ちておらず、手入れが行き届いているように見受けられました。北門の駅には保線や運行の係員でしょうか、ざっと見ただけでも10人くらいの人が立ち働いていて、早期の運行再開が待たれます。
北門站に行ったのは大成功でしたね。私も納得の撮影でした。
こうやって振り返りながら紀行記を書いていますと、また南国の鉄路が恋しくなってきました。6月9日は台湾の鉄道記念日です。クモハ73106東ウラさんは、訪台する予定だと言っておられました。私も行って見ようかなと想いだしました。
阿里山森林鉄路の復活もこの日を目標に復旧作業をやっておられるのだと思います。シェイ式蒸気機関車が走るでしょうね。
ただこの日は全島を挙げてのいろいろな記念列車が走ることは容易に想像できます。台鐡のD51、C12や花蓮で見たLDK59も煙を上げて走るでしょう。どこへ行くか迷います。大津の86さんもいかがですか。