続 「勝手にPR また京都市電展やってます」

季節は巡って暑い夏になっても、相変わらずの無投稿状態が続いています。言い訳ばかりですが、一つのプロジェクトが終わっても、まだ余波が尾を引いて、なかなか本来の活動状態に戻れないのです。最近も、その余波の続編があって、また京都市電ネタの写真展の依頼を受け、準備作業に追われていました。「京都市電で何杯メシを食うんや」の声が聞こえてきそうですが、“頼まれごとは断らない”を信条とする身とあれば、逃げる訳には行きません。この場を借りて、みずからご案内、ご報告する次第です。P1100932syo

開場3日目にして「5000人目の入場で~す」のアナウンスが響き渡った会場。全体で2万人の入場目標とか。本日は、京都市主催のイベントもあって、とくに多かったようだ。折りから来訪した京都市長も「ようけ入ってますな~」とご満悦だった。

その京都市電ネタとは、京都市の展示場「みやこめっせ」の自主企画である「電車王国2015のなかで「懐かしの京都市電」写真展を行なうことになったもの。この手の催しは、各地で盛んに行なわれている夏休みの子ども目当てのイベントで、プラレールやNゲージ運転が中心ですが、来場客は子どもだけでなく、親や祖父母がいるわけで、子どもを遊ばせている間に、親や祖父母も時間つぶしができる催事も欲しいとなり、たまたま担当者から誘いを受けて、行なうことになったものです。
「懐かしの京都市電」のテーマは二つあり、ひとつは「京都いまむかし」で、京都市内約30ヵ所の市電時代の光景と、現在の同一地点の対比。もうひとつは「昭和30年代の京都市電」で、おもに先輩方の写真を借りて、我々世代では撮れなかった貴重な写真を集めました。 自分としては、公けにせずにごく内輪に、と思っていたのですが、大津の86さんの肝いりで、クローバー会の真夏の公式行事としてくださる光栄に浴し、付近の京津線旧線探訪や打ち上げをプラスして、8月1日に、暇を持て余した16人が来場することになりました。


P1100925syo京都市の文化ゾーン、岡崎地区にある「みやこめっせ」に掲げられた「電車王国」の看板。岡崎は、文化ゾーンとして、最近とみに来訪客が増加し、京都市バスでも、岡崎と都心を結ぶ、循環シャトルバスを来月から運転することになった。車両は京都市中心部としては初めての小型バス(ポンチョ)となる。そして、今日、会場で小耳に挟んだ情報では、京都市電がらみのサプライズを岡崎公園内で京都市が用意しているとのこと、これからも目の離せない岡崎になりそうだ。
P1100962syo片や、わが「懐かしの京都市電」コーナー。ん~、ここだけすっぽり空白地帯で、ポツリポツリと言う感じ。周りから子どもの嬌声が聞こえるなかで、ひとりポツンと店番するのも、何か気恥ずかしくなって来る。そもそも、ターゲットとした親と言っても、乳幼児の親になるから30歳代だ。親ですら京都市電を知らない世代とあっては、この企画がマッチングしたのかと思うとともに、いかに京都市電が遠い彼方の出来事だったか改めて思う。

P1100895syoただ、なかには、家族揃って、現在の市内の様子と、市電時代を比較して、話し合う光景も見られた。10年前に乙訓老人とともにJTBの「京都市電」編集で京都市内を回って以来、久しぶりに京都市内を北から南まですべてを回った。家族間で市電をネタにした会話が生まれたかと思うと、暑いなか駈けずり回った苦労も吹き飛んだ。
京都駅前の移り変わり (3)syo「昭和30年代の京都市電」は、前記のように、先輩方の写真を借用して構成した。その中でも、とっておきの写真がコレだ。乙訓の老人から、つい先ごろ渡された故羽村さんのカラーである。これは、東西に二ヵ所あった京都駅前の停留場を結ぶ連絡線を行く「いなり」方向幕の800形だ。この連絡線は京都駅前の配線変更で昭和35年7月に新設された。ただし、通常の営業では使用されず、昭和36年の正月、市内中心部から伏見稲荷への初詣客の輸送時の臨時系統で初めて使用された。初詣以外には、初午や節分の輸送、そして、昭和38年には、祇園祭の山鉾巡行時の輸送にも使用された記録が残るが、以降の記録は途絶えてしまう。その後も回送などで使用されたようだが、営業運転としては、昭和36年から2年あまり、正味20日程度しか営業に供されなかっただけに、たいへん珍しい光景だ。そのほか、このコーナーでは、乙訓老人撮影の下鴨線の開業当時など貴重な写真ばかりで、クローバー会の層の厚みを改めて感じた次第だ。

続 「勝手にPR また京都市電展やってます」」への2件のフィードバック

  1. 暑い暑い毎日が続きます。特に湿気が多いのは応えますね。「電車王国」ご盛況のこと、何よりですね。
    特派員さんのコーナーである「京都いまむかし」、市電と共に学生生活を送った私たちにとって、タイムスリップした定点観測というか、比較を行うことが出来ることが凄く楽しみです。30年代のコーナーもあるとか。諸先輩の力作に接する楽しみが出来ました。
    暇をもてあましている!?身にとって、「きょういく」「きょうよう」のご提供は有り難いことでありまする。

  2. マルーンさま
    コメント、ありがとうございました。マルーンさまからは、以前にも、市電に乗って通学されていた思い出を聞かせていただいています。本欄では、続いて湯口さんや西村さんからの市電の思い出が寄せられており、各世代にそれぞれの思い出があるのも、市電ならではでしょうね。
    本展示では、今は亡き諸先輩の昭和30年代の写真も使わせていただき、展示することができました。暑い日となることと思いますが、クローバー会の層の厚さも感じていただきながら、見ていただければと思います。では、当日に。

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