江若鉄道展 ちょっといい話 (1)

「江若鉄道廃線50年 懐かしの写真展&鉄道模型運転会」、二日目の本日、平日のため出足はゆっくりですが、その分、皆さんは時間を掛けて、写真・模型と対話されて、ご自身を50年前にワープされています。地元の無印不良品さん、Tさん、デジ青コメンテーターの紫の1863さんら関係者も来られ、また以前の江若鉄道展でお目にかかった方とも久しぶりの再会を果たし、旧交を暖めることができました。
会場で見つけた、“ちょっといい話”をいくつか拾ってみました。廃止前の江若鉄道では朝夕一往復「快速」が運転されていた。主要駅のみ停車で、晩年は総括制御の3両編成が運用に就いていた。通過する叡山駅では、駅員、助役の二人掛かりでタブレットの授受を行なっている。運転するほうも、機関士以外に、タブレットの授受だけに機関助士も乗務していた。もちろん車掌も乗っているし、ずいぶん人手が要った快速列車だった。通過速度もマチマチで、最徐行で進入することもあれば、遅延の時など制限速度いっぱいで通過することもあり、素手での授受は、時には危険な目に遭うこともあったと、会場に参集された江若鉄道OBが言っておられた。OBの眼は、さらに二人に注がれて、すぐ「○○さんや!」となった。受け手の駅員の「手の形が決まっとる」ともおっしゃった。なるほど、絵になるポーズだ。


会場の皆さんからいただいたアンケートを分類すると、大津市、高島市から来場の方が多く、なかでも江若鉄道のOB、また江若交通の現役が多く見られます。京都市電写真展でも同様ですが、まるで同窓会の様相を示しています。なかには、初めて顔を合わす古老OBと現役若手が、すっかり溶け込んで、江若の今昔を語り合うという微笑ましい光景も見られました。江若鉄道OB会もあって、OB会も定期的に開催されていますが、廃止50年も経てば、さすがに鬼籍に入る方もおられ、出席者は減ってきたと、幹事の方がおっしゃっていますが、まだまだ元気なOBからは、当時の貴重な体験談を聞くことができました。
なかでも、今回の写真展は、車両だけで無く、意識的に乗客、職員の入った写真を多く展示し、時代を感じてもらおうと企画しました。普通の人なら“フーン”で通り過ぎるところ、OBの眼はさすがに鋭く、数人が輪になっては、「この顔は知ってる。○○さんや」とか、後ろ姿なのに「これはきっと□□さんとちゃうか」などなど侃々諤々の会話が広がり、ついには創立記念誌に載った社員アルバムを持ち出し、顔を見比べるシーンも見られました。やはり、同じ会社のメシを食った連帯感、また湖西路の足を支えてきた江若鉄道の出身であることの矜持が感じられ、会社退職まる10年を迎えた私も、その談論風発の場面をよく理解できました。

 江若鉄道展 ちょっといい話 (1)」への3件のフィードバック

  1. 総本家青信号特派員様
    過去に投稿された江若鉄道関連の記事を読んでいるうちに、日付が変わってしまいました。
    江若鉄道は鉄道趣味に目覚める前年に姿を消し、見ることが叶いませんでした。昭和44年の夏、「たそがれショウボート」を乗りに行ったとき、江若の踏切を渡ったはずですが、全く記憶にありません。一足違いで出会えなかった鉄道には特別な愛着があり、写真集やネットの画像を見て現役の頃に思いを馳せておりました。ですが、やはり生の写真は良いですねぇ。
    地元の高校生が車両を背景に記念写真を撮るカットや、日吉駅の改札に立つ老駅員とおばあさんのカットなど、鉄道員と地元の方々が写し込まれた写真は、素晴らしい瞬間が記録されています。江若OBの方や地元の方にとって、かけがえのない写真ではないでしょうか。
    鉄道写真を撮る機会のない小生ですが、鉄道と人との関わりを自然な姿で取り入れたいものです。
    会場で見つけた書籍「江若鉄道の思い出」は、以前chitetuさんのブログで見て以来、欲しかったものです。半分諦めていたのですが、まさか、手に入るとは! ラッキーでした。
    3両編成で走行していた江若の気動車は、西村様の作品でしょうか? 浜大津のジオラマを拝見できなかったのは残念ですが、また機会を作って大津へ足を運ぼうと考えております。

    • 紫の1863様
      「江若鉄道の思い出」のP.57にある5122+5010+5121の3両編成の気動車の模型は、柳ヶ崎のびわ湖大津館3階にある浜大津ジオラマ上で毎日あくびしています。昨日22日、堅田には顔を出さず、びわ湖大津館のジオラマを点検、清掃して帰宅しました。今秋には大津歴博で江若関連の行事が企画されているやに聞いており、大津、江若とのご縁は切れそうにありません。今後も貴殿とお会いする機会があるのではと思っています。それまではこのデジ青上で鉄道談義ということに致しましょう。

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