大津歴博「江若鉄道展」イベントに参加
以前にも本欄で紹介しました大津市歴史博物館のミニ企画展「江若鉄道」は、2ヵ月のロングランで現在も開催中です。開催初日には現地見学会「三井寺下駅を探検する」があり、多くのクローバー会員が参加したことは、以前にも報告しました。さらに11月4日には、「江若鉄道元社員の方々との廃線跡探訪ビデオ上映と座談会」が同博物館の講堂で行なわれました。滋賀の廃止鉄道の調査・研究されている「びわ湖鉄道歴史研究会」が、歴博との共催行事として行なわれたもので、クローバー会からも多くの会員が参加しました。会場の講堂の椅子席はいっぱいで、補助椅子も急遽出されるほどの多くの皆さんが来られました。私も以前の江若鉄道展で、スピーチをさせてもらいましたが、当時より多くの人が来場されて、江若鉄道が今なお、心の中に残っていることを実感しました。
会議の冒頭、同館の木津学芸員からは、本展については、クローバー会などの協力で開催できたことの謝辞がありました。公立の博物館からも認定を受けたこと、クローバー会の栄誉のひとつだと思っています。
▲クローバー会の協力として、西村さんの三井寺下駅・車庫のジオラマ展示、私のほうでは「列車・車両」をテーマにした写真展示、浜大津から近江今津までのスライドショー制作を行なった。もちろん私一人だけでできる訳はなく、クローバー会のネットワークのお蔭だった。「蒸機を見たい希望が多い」と事前に館から聞き、人間国宝の撮られたC11の牽く水泳列車も展示することができた。
▲内容は、同会の代表から「歴史レクチャー」があり、“湖西に鉄道を”の住民鉄道の歩みが分かりやすく説明された。そのあと、江若鉄道OB6名が登壇され、思い出話を披瀝された。現場に携わった人でないと分からない、“今だから話せる”が満載のトークショーであった。▲ロビーに展示された、廃線跡の調査報告。びわ湖鉄道歴史研究会の皆さんが全区間を踏査され、当時と現況を定点対比、重ね地図も添えられて、たいへん分かりやすく展示された。私も数年前、取材で調査したが、沿線はさらに変貌を遂げていることが再認識された。
▲トークショーのあと、最近、館に寄託された動画が紹介された。これは、江若鉄道で運転士をされていた方が撮られた廃止前をカラー8mmで撮られたもの。右のように、登山客が待ち受けるなか、比良駅に進入する列車など、鮮やかな色彩が残る貴重品だった。
▲続いて、戦前に撮られた動画である。京都のお大尽が、湖西地方を周遊された時に撮られたもので、以前に、NHKでも一部を見ることができたが、今回はノーカットで放映された。車両も多く登場し、とくに戦前のシルバー塗装、二色塗りや、白鬚付近の湖岸沿いを走るDCなどが登場して、館内を興奮に包んだ。
▲それが終わってからは、恒例の宴会へ。愛知県から参加の新入会員など、古きも新しきも、みんな一緒になって、親睦を深めたのでありました。
こちらも12月1日までの開催ですが、先日、館の学芸員の方から連絡がありました。江若鉄道展の期間中、7000人の入場者があったそうです。特別展の大津絵展が併催されており、その相乗効果の数字だと思いますが、多くの皆さんに、再び江若鉄道を思い出していただく契機になったのは、嬉しいことです。
上記の“戦前に撮られた江若鉄道の動画”について、学芸員の方から伺う機会がありました。撮り方が巧みで、ちゃんとストーリー立ててあって、まるでプロが撮ったようだと感じましたが、実は、その通りで、専属の撮影技師まで同行したそうです。京都という土地柄、映画の技師が多く、休日は、アルバイトのようにして、家族の旅行に同行したそうです。