連日コロナに振り回されている昨今ですが、3月9日未明 芸備線新見発備後落合行き3441D キハ120単行(車番不明)が東城・備後八幡間で線路上に崩れ落ちていた土砂に乗り上げ、横転するという事故がありました。この3441Dは新見発5:18で 新見・東城間の布原、備中神代など5駅を通過する「快速列車」という設定になっていますが、実質は回送列車で、事故当日も乗客は無く、運転士にケガは無かったそうです。
同紙「県北」面には、誰の判断なのか不明ながら「復旧には数日」という楽観的な見出しも踊っています。
ところで、約3年前の4月8日 クローバー会の木次線ツアーに参加された皆様は覚えておられるでしょうか?岡山から伯備線で新見へ向かい、新見で芸備線のキハ120単行に乗り換えたは良いが、通路も乗客で埋まるほどの混雑ぶりで、沿線の景色を楽しむどころか、吊革にぶら下がって備後落合に向かった あの線区です。
そしてようやく到着した備後落合駅では、木次線が土砂崩落で不通のため代行バスを待つというハプニングでした。
さて、事故から1週間が経った17日の記事をご紹介します。
この時点では復旧見込を「数日間」から「当分の間」と修正していましたが、3月17日の岡山支社の会見では「5月初旬 開通見通し」との見解が示されました。
先の木次線ツアーのハプニングで、肝心の3段スイッチバック乗車が叶わなかった方々も多かったのですが、モノは考えようで、これが木次線のキハ120で起きていれば 今頃こうして呑気にデジ青に投稿などしていられなかったかもしれません。代行バスで命拾いをしたことに致しましょう。
ところでオリンピックやコロナ騒ぎと同様に、「5月初旬」もアヤシイですが、誰かがどこかで「これを機に備中神代・備後落合間を廃止」と言い出しかねないということを心配します。東城・備後落合間は日に定期列車3往復、不定期列車が1往復という超閑散線区であり、西日本豪雨災害で流された橋梁の復旧工事が完了してようやく昨年10月に開通した三次以南の芸備線に比べると、「風前の灯」線区です。人より鹿、猪、猿の方が多いという冗談話もあるように、過疎化が加速する中国山地を縫って走る線区の将来が心配です。コロナ騒ぎによる外出自粛と学校の春休みが幸いして、不便をきたす高校生や高齢者などの利用者も少ないでしょうが、三江線の二の舞は避けてもらいたいと思います。