3Dプリントのススメ

若者もす3Dプリントを致すべく”Ender 3”なる機械をポチりけり。
(てな『変な調子』は止めます:苦笑)

最近、老眼鏡だけでは模型の細部が見えず、拡大鏡を用いないとHOゲージの車両整備も、ままならなくなりました。
いきおい工作にも手が鈍りがちで、戸棚の中の休眠資産はちっとも減りません。
さて
3Dプリンターの大きな区分として、熱溶融式(FDM)と光造形式(DLP)があります。私が購入したのは熱溶融式の方です。
1.CADの手習いから始めねばならず、何度も色々と試してみたい
2.表面の精細度より、手軽さ、トータルでの消費時間の短縮をとる
3.鉄道模型以外の実用的な部品は、表面があまり綺麗でなくても良い
4.造形後の未硬化樹脂の取り除きなどが光造形より楽そう
てな理由です。
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私が購入した”Ender 3”は組立式で、安価な部類です。可動部分や一部の部品が組付けられています。
YouTubeにも組み立てや調整の様子が載っており、模型をネジ止めして組んだ事のある方なら、調整しながら組み立てれば動作するでしょう。
全く経験のない方は、ネジ止め出来ないor動かない場合の対処方法が分からず、思いもかけず時間を取られるでしょう。また嵩張って結構重いので、誤ってセンサー(マイクロスイッチのバネ)を曲げてしまうと最悪、部品交換する結果に繋がります。
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”Ender 3”って、とにかく頑丈な作りです。ただ、キッチリと整備・調整して使わないと、プリントの仕上がりに影響します。
そして、プリント品をモデリングする(成形)ソフトと、プリント用にスライシングする(制御)ソフトが別途、必要です。
1.モデリングするソフト
“Fusion 360”が、商用使用しないなら無料で使えます。
立体的な対象物を具現化するソフトです。原寸か、対象物が小さいなら 10倍の拡大率で作ります。スライシング・ソフトで倍率を%単位で調整可能です。
2.スライシングするソフト
“Cura”が、無料で使えます。動作の細かい設定まで調整が可能ですし、調整した設定に名前を付けて保存が可能ですが、先ずは標準の設定で始めました。
この様に、機械+ソフト2種を合わせて使いこなす為、問題が発生した時の切り分けが出来なければ解決できません。
この道具にどの程度、愛着を込められるかが以降の使い勝手を決める鍵となりそうです。
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【作った物】
1.”Ender 3”のフィラメント誘導用のサポーター

最初の出力品は、なんと”Ender 3”の支援用部品でした! この辺が低価格商品の得も言われぬ所かと、、、(苦笑)
熱溶融素材のフィラメントがZ軸(上下動する)の駆動軸と接触しそうで、駆動軸のグリースがフィラメントに付着すると、プリント時にトラブルが起こりそうな予感がしたんです。

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2.フィギュア用のレンズフード
以前(2015年頃)、ミニチュアの本体に紙製のレンズフードを自作して付けたのですが経年劣化で歪んでしまい、今回は樹脂でプリントしました。

プリント直後の物は、表面が荒れている部分もあり、色々な番手の耐水ペーパーを使い、表面のデコボコを均します。オモチャですので、芯が出ているかどうかとか、扁平になってないかとか気にしません。あくまで表面が『ツルツル』してれば良いのです。(耐水ペーパーは、#320→#400→#800→と細かくして行き、最後は磨き上げ)

この作例ではフード先端は 0.5mm近い薄さまで削っていますが、いまの所、割れは起こっていません。内側は支障を来す部分以外はデコボコのままです。それがレンズ筒との間でバネの役目を果たしてフードの脱落を防いでくれるのです。

※ 裏話

適切な内径(レンズ筒に嵌まり、且つレンズ筒から脱落しない絶妙の値)を得るために数回、テストを繰り返しました。なお最初の作品は内穴が正確に中心に重ならなかったために、金環食の様な出来になりました。

1mm厚のパイプ(直径 28mm)だと端を掴むと歪みますが、2mm厚になると、それほど歪みは目立ちません。
もっと直径が大きくなれば歪むでしょう。

CADに不理解で製図に慣れない私が嵌った『沼』です。キモは最初に欠くべき部分も一緒にPCの中で一旦一体物として実体化し、それから徐に除去する。この仕組みが分かると快感すら覚え、作業が捗ります。友人からは「公開講座を受けた方が良いですよ」と忠告を受けています。 (^^;)

つまり発想の転換が必要な部分が、この他にも有る様です。

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3.車両限界測定器(内外)

先ずは、内側から外(例えばレイアウトとか、ホーム先端)を測るものと、ケーディカプラーの状況測定用です。HOゲージ用です。

  強度とか精度がどの程度なのか不明なので、取り敢えず作ってみました。

車体側を測るのは、ピンセットのお化けの様な代物です。線路の外側を挟んで自立させます。熱溶融した後の硬化で若干縮む様なので、バネの様な感じで挟みます。

でも僅かな支えで立っているので、車体の接触などで簡単に倒れてしまいます。

この程度大きさなら、2mm厚もあれば踏みつけない限り、大丈夫そうです。


縮みは、0~1.5%程度現れました。樹脂が縮んだのか、ソフトによるものなのか、”Ender 3”によるものなのか不明です。原因の切り分けは、作例の積み重ねによります。

外側用と内側用がピッタリ嵌まりました。「ご同慶の至り」と言いたい所なのですが、プリントした直後の状態で、未だバリ取りをしていません。

もう一方の右側の画像、軌間を 16.5mmで印刷したが縮んで 16.25mm位しか無いのです。しかし模型の側の車輪のフランジ幅が小さかったので、キチンと乗ってくれました。「なんだかな~」って複雑な気持ちです。

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4.模型車両(HOゲージ)の窓
小物を作ってみました。ちゃんと窓枠に段差を付けています。

変わった使い方として、電気機関車の前部デッキの手摺とか、タキの手摺に使えそうです。(いずれも、HOゲージ用で考えています)

細い線の半田付け組立より、素材の柔軟性や強度に優れると思います。
なにより破損した時の心理的なダメージ回避とか修理の為の時間的な節約になるでしょう。
※ この辺は個人の模型感にも依るのでしょうが、細密度と強度のトレードオフと言うか、割り切りの部分もあるでしょう。

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5.カメラの雲台のクイック・シュー
最近では雲台にアルカスイス互換のクイック・シューが標準で付いている場合も多いのですが、古い三脚には各々専用のクイック・シューが必要となります。
プロの方ならクイック・シューなど必要無いかもしれませんが、アマチュアでカメラの機種を取り換えたり、望遠で三脚座に付けたりとクイック・シューの予備があれば素早く対応できます。
でも専用のクイック・シューの上にアルカスイス互換のクイック・シューを付けると言う、屋上に屋を重ねる感じが面映い所です。
それに力が加わる所であり、カメラやレンズは高価な場合が多いため、もろ手を挙げて皆様にお薦めするには抵抗感があります。

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【考察】

Ender 3 は、プリント・スタート時に縦に一本、試しプリントします。

『Start』が始点で『End』が終点です。これを見て、印刷を続行するか中止するかを判断しています。『印刷中止』って一見乱暴な『電源断』なのですが、Ender 3 は停電対策もしてあり、制御装置に不具合が出ることもありません。

印刷の最初に、印刷物の周囲に『土台』と呼ぶ薄い膜の様な物を印刷します。

私は、もっと印刷物の剥離を簡単にしたい為、『ラフト』と呼ぶ 1mm位の板を余分に出力していますが、写真の事例では土台の左側はプリントが一本ずつバラバラ、土台の右角は樹脂同士が完全に融着しています。

綺麗な表目を得るには熱溶融し射出された樹脂の断面が円形に近い方が良いのですが、上下の樹脂同士の接着は弱くなり、外圧により裂けてしまう可能性が高まります。

プリント対象物の該当部分の形状や使用環境(ex. 外圧を受け易い)などによって、微調整も必要かと思います。

 

 

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