DMV乗車記

28日に行われたDRFCクローバー会、多度津でのイベントに合わせて四国を巡ってきました。その中で26日に阿佐海岸鉄道のDMVに乗車しましたのでご報告します。
阿佐海岸鉄道は1992年に牟岐線海部から甲浦までを開業し、一部の列車は牟岐まで乗り入れていました。2020年11月1日阿波海南-海部間をJRから編入し、気動車による運行をしていましたが、DMV化工事のため1か月後の12月1日より阿波海南-甲浦間でバス代行輸送を開始し、昨年12月25日よりDMV車両を使って阿波海南文化村-阿波海南駅間と甲浦駅-道の駅宍喰温泉間をバスモードで、阿波海南駅-甲浦駅間を鉄道モードで運行を開始しました。(土曜、休日は室戸岬の「海の駅とろむ」まで運転されます)
↑ 始発駅の阿波海南文化村駅に停車中のDMVです。

当日は徳島から初乗車の牟岐線で終点の阿波海南には11時38分に着きました。ところがDMVは11時25分に出ていて次の便は12時40分までありません。時間があるので本来の始発駅の阿波海南文化村まで歩くことにしました。幸い1km余りで15分程で到着しました。文化村は、文化館、博物館、工芸館など5つの建物からなっていてこの地方の文化歴史を紹介する施設となっています。
↑ 阿波海南文化村の入り口です。正面右がDMVの乗り場で、いろんなところに“「世界初」が走る町”の看板が出ています。
施設内をうろついてしばらくするとDMVがやってきました。乗車したのは私の他1名だけ、内部は普通のバスの感じで、席は2列×1列の配置で座席は18席です。(その他立ち席が4席、計22席が定員で、定員以上は乗せないようです。)
↑ JR側の終点阿波海南駅、甲浦側は線路が途切れていて、DMVは左側の駅前広場でモードチェンジして正面側の線路を甲浦へ走ります。
↑ 阿波海南駅のバスから鉄道に切り替わる部分です。簡単なコンクリートのガイドがあるだけで、位置決めするような装置もなくそのままレールとなります。車体の方にもそのような装置は無いようです。
阿波海南駅まではそのまま道路を走り、阿波海南駅では3名が乗車しました。いよいよモード変更です。乗客は乗ったままで、運転手がモードチェンジのボタンを押すと、阿波踊りのようなメロディーが流れて、車体がすこし斜めに持ち上がります。20秒ほどで「フィニッシュ」と声が流れ、切り替えが終わり、その後運転手が下りて確認してすべて完了です。この間1分程度でしょうか、そしてそのままレール上を走ります。レールの走行はガタガタと走る感じで、スピードは出ません。阿波海南から甲浦までレール走行区間の所用時間は21分です。DMV導入前のこの区間の所用時間は17分で、海部での停車時間3分を引くと14分となり、気動車時代より遅くなりました。
↑ 海部駅には気動車がそのまま置かれています。駅のホームは従来の高床ホームはそのまま残り、端にDMV用の低いホームが作られています。
モードチェンジは乗車中にすべてが終わるので、モード変更を見ることができません。帰路は1本早いのに乗り、後続便のモードチェンジを外から見ることにしました。
↑ 甲浦からDMVがやってきました。前方には先輪台車のような小さな車輪がついていてタイヤ側の前輪は浮いています。後輪側は見にくいのですが同様に車輪がついています。
↑ 鉄道からバスへのモード切替が始まりました。この時点ではまだタイヤは浮いています。
↑ 駆動は後部のタイヤで行い、鉄道用車輪はレールに乗ってガイドの役目をしています。この時点では鉄道用車輪はまだレールについています。
↑ 前輪のタイヤが地面につき、鉄道用車輪はレールから離れようとしています。
↑ 後輪の鉄道用車輪がレールから離れました。
DMV初体験でそれなりに面白かったのですが、果たしてこれは交通機関としてはどのような位置づけになるのでしょうか?乗車したのは平日の昼間で、帰りの便も乗ったのは私以外にもう1人だけ、往復とも地元の人はいませんでした。ダイヤ設定も少し変わっていて平日13便が設定されていますが、昼間の4便は10分程で次の便が出るようになっていて、満席になった時の続行便のような形で実質は9便です。DMV化前の2015年3月の時刻表では海部-甲浦間15便あり、それ以外に区間運転も3便あったので半減です。運賃も280円が500円となっています。これでは地元の足としては使いにくくなりましたね。
世界初の乗り物をアピールして観光客を呼ぼうとしているようです。但しこの日も甲浦、阿波海南の駅には何人か見物客がいましたが、車で来ていて乗車はしませんでした。DMVだけの収支ではなく起点終点の観光施設の増加分も見てトータルで考えられているのでしょうか?ちょっと否定的な話となってしまいましたが、面白い乗り物であることは間違いありません。これからも長く親しまれることを願いました。
阿波海南文化村でもらったペーパークラフトを作ってみました。

 

 

 

 

DMV乗車記」への6件のフィードバック

  1. 大津の86様
     DMVなる鉄路でも走れるバス?のレポートを興味深く拝見しました。
    モード変換の様子も事細かく見せて頂き有り難うございました。
     本来DMVなるものは、鉄道終点駅より先への交通手段かと思いましたが・・!?ここでの活用手段鉄路と鉄路の間をつなぐもありかと思いますが・・利用者が増えることですね。鉄路の存在が危うくなりつつある昨今ですから、そうならないように願うばかりです。
     ところで、ボンネットバスの形状ですが、ボンネットは何のためにあるのか気になりました。床下機器をを減らすためかな!?
     多度津ツアー暑い中お疲れ様でした。皆様のお姿を拝見し次回は是非にと思います。
     

    • マルーン様
      ご無沙汰しております。
      話題のDMVでしたので、久しぶりのDRFCツアーに合わせて訪問してみました。本来のツアーも伝言板で紹介されていますが、顔を合わせてワイワイしゃべりながらの旅はいいものです。また、ご都合がつきましたらイベントにもご参加ください。

  2. 大津の86様
    マルーン様
    5/3に室戸岬へ行く途中に、阿南海南駅に立ち寄ってみました。時間がうまく合わず、宍喰駅まで行って鉄道モードを撮影しました。あまり人は乗っていない感じでしたが、撮影者は4名でした。祝日で、お昼に室戸岬付近でバスモード走行を見たのですが、来る事を予想していなかったので、記録できず、お見送りをしておしまいでした。
    多分、宍喰駅で集めたパンフの写しを貼り付けます。ボンネットは、鉄車輪の格納庫の役目、後部タイヤ(内側)はレールの上に乗ったままで駆動輪、鉄車輪はレールのガイドの役目のようです。(写し、ちょっと見にくいか)

    • 77-タツ様
       早速のお答を有り難うございました。
       前輪の格納でしたか!成る程!
       今後ともよろしくお願いいたします。

      • マルーン様
        たまたまかき集めたパンフに解説が入っていました。
        こちらこそ、今後ともよろしくお願いいたします。

    • 77-タツ様
      ご指摘ありがとうございます。後ろのタイヤで駆動していたのですね。確かにあの車輪では心もとないですし、鉄道モードとバスモードで駆動が異なることになってしまいます。本文も修正しておきました。

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