生き残った田園鉄道は弘南鉄道

三山電鉄紹介後、間をおいて山形県電鉄訪問記を果たし肩の荷が下りたようだ。1959年東北旅行はこれよりバックオーライで青森県に移ろう。福島、山形から仙台を経て北上が一気に十和田に跳んだ結果、林檎の国での電車訪問記となった。理由は後で明かすとして、ノート中心に「急電101号」、ピク誌「私鉄車両めぐり」を脇に置いて話を続けよう。

弘前には9月21日、盛岡16時03分発DC準急「八甲田」で20時42分到着となった。弘南鉄道には、昭和17年3月南海電鉄に併合された加太電鉄の車両が譲渡されていると奥野師匠に教えられ、どんな電車が走っているのか楽しみであった。翌朝、国鉄弘前駅の跨線橋を下りると木造客車改造の制御車を連結した編成が停車中であった。平賀車庫で書類や図面を閲覧している間に晴天はどこへやら、暗い画像もありで申し訳ない。撮り損なった車両は高松で見つけた同型車で補うことにさせて頂く。弘南鉄道は昭和2年9月7日、弘前~津軽尾上間を蒸機牽引で開業した。昭和23年7月1日に電化(DC600V)された。さらに路線延長を進め、黒石まで延びたのは1951年7月1日、これが現在の営業路線となっている。その後、架線電圧は昭和29年4月1日に750Vに昇圧された。

京都から追いかけてきた甲斐あり、加太電車はこれ!

京都から追いかけてきた甲斐あり、加太電車はこれ!

北海道から来た車体は防寒性に優れている筈だ

北海道から来た車体は防寒性に優れている筈だ

最初の電化では電車投入は無く、駿豆鉄道から譲渡された木造凸型電気機関車2両が電化の主役となった。関心を持っていた旧加太(かだ:かぶとではない)電鉄車両が南海電鉄から譲渡される事はなかった。加太は1912年6月に軽便鉄道(3ft6in)として開業、1930年12月電化され電車が投入された。加太の電車が津軽へやってきたのは黒石延長の時で、デニホ10、デホ11、デニホ51の順序で入線した。先ずデボ11は暗い検車庫で検査留置中で撮影不能。メモによればシングル・ルーフの木造車体、正面貫通型で1D10D1の窓配置、片パンで台車はボールドウインタイプであった。写真が撮れたデニホ51は半鋼製車であった。デニホ10は車籍を残しながらも車体は定山渓鉄道101号の半鋼製品に取り替え、2210号に改番されていた。メモさせて貰った幻の電車は木造ダブルルーフ車で、窓配置はデニホ51とほぼ同様であった。木造車2両は加太電鉄の電化を見据えて早くから電車型で新造されていたが、その理由は分からずのままである。

松島を横目で見ながら快走していたのがリンゴ畑を横目でとなる。

松島を横目で見ながら快走していたのがリンゴ畑を横目でとなる。

田園地帯を走っている間に大変身した南武線の元祖は俺だ!

田園地帯を走っている間に大変身した南武線の元祖は俺だ!

写真は四国での撮影だが、弘前にはトップを切って入線した身延の電車

写真は四国での撮影だが、弘前にはトップを切って入線した身延の電車

750V昇圧後に入線した3両は買収国電の前歴を持つ。2220号は昭和32年8月簡易鋼体化改造を受けている。2230号は半鋼製車体を秩父鉄道から譲り受けたもので、台車をはじめ電装品は全て別途調達品である。2250号は写真が悪いので同型の高松琴平電鉄1201号で代替とさせていただく。元身延の2250型はその後も増備されたが、最初の1両は客用2扉車で入線している。2年後1500Vに昇圧された時は3扉車となった3両が入線した。それらは回送前に大垣電車区で留置されていた一群ではないかと思われる。客用車両の外部塗色は全て濃い緑であった。

素性は元官設鉄道旅客車らしいが、数度の改造でこの姿で弘前にやってきた。

素性は元官設鉄道旅客車らしいが、数度の改造でこの姿で弘前にやってきた。

元祖【弘南】は俺だと肩を張っていたが、いつの間にか追われの身となった

元祖【弘南】は俺だと肩を張っていたが、いつの間にか追われの身となった

元は伊那谷でリンゴとわが世の秋を謳歌していたが、所変わって雪国へ・・・・・・

元は伊那谷でリンゴとわが世の秋を謳歌していたが、所変わって雪国へ・・・・・・

これも高松で見付けた元身延。前より3つ目の窓の位置は荷物の出入口だった

これも高松で見付けた元身延。前より3つ目の窓の位置は荷物の出入口だった

1160号は西武鉄道から1161号と共に譲渡され片運転台改造を受けた。後者は買収国電制御車の導入に伴い廃車された。開業以来のボギー客車3両は1954年に制御車に改造され1262~1264号となったが、1262号は買収国電導入と共に廃車となった。その後も買収国電(クハニ1271,2と1281)の導入は続き、木造車は一掃されてしまった。

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