北欧のたび4(タリンの鉄道)

サンタクロース急行でヘルシンキに到着したその足で港へと向かいました。バルト三国の一つエストニアに向かうためです。首都タリンはフィンランド湾をはさんでヘルシンキの真向かいにあり、フェリーで2時間の旅、ヘルシンキに荷物を置いて日帰りでタリンへ行きました。
↑ 今年就航したばかりの49000トンの新造船
往復の料金は早割で€40と安く、フェリーは国際航路なので船内には免税店があるため、免税品の買い物目当てに乗る人も多いようです。特に北欧ではアルコール類は高いので船賃払っても十分に元が取れます。ちなみに船内の免税店ではハイネケンの330mlX24缶1ケースが€14.9と日本の発泡酒以下でした。また、エストニアはユーロ圏ですが、国内の物価は安く、他の国と比べると食費などは半額位の感覚です。シェンゲン協定の国ですのでフェリーを降りると入国審査もなく、フェリーふ頭から10分ほど歩くとトラムの走る広い道路に出ました。


↑ 旧市街の外周道路を走るタトラKT4
タリンの旧市街は古い町並みが残り、世界遺産に登録されています。この旧市街は城壁で囲まれていて、その外周部をトラムが走っています。旧市街を突き抜けてショートカットすると歩いて15分ほどでタリン中央駅に着きました。
↑ 古い石造りの建物が続く街並み
↑ 中央駅前の終点ループ線
↑ 中央駅前電停、中央駅までは300mほど離れている
↑ 中央駅の一つ手前の電停付近。首都の駅近くとは思えない風景。
事前に調べていた情報では4路線総延長17㎞の1067㎜ゲージとのことでしたが、中央駅に行ってみると中央駅から西北方向に延びていた線路は途中で切れており、中央駅の東寄りが終点でループ線となっていて1号系統の路線は廃止されていました。
↑ 現在は3,4号系統だけが運行している。Balti jaamが中央駅(Urbanrail.netより転載)
その後この原稿を書くにあたり、もう一度タリンのトラムを調べてみると何と2号系統も廃止されていて現在はタリン中央駅前にはトラムは走っていないようです。
↑ 旧市街の古い建物をバックに走るタトラKT4
↑ 国鉄タリン中央駅、終端型で7線、中にスーパーがあるが、駅の施設は貧弱
エストニアの鉄道は国土全体をカバーする全長691㎞(2014年現在)のエストニア国鉄、そのうちタリン近郊の192㎞はエレクトロラウッテーという国有企業が電車を運行しています。いずれもロシアと同じ1520㎜軌間でタリンからはロシアのサンクトペテルブルグ経由モスクワ行きの国際列車が毎日1往復しています。エストニア国内の運転密度はタリン近郊を除き1日10往復以下です。
↑エストニア国鉄路線図(エストニア国鉄HPより)
↑ 中央駅に停車中のエレクトロラウッテーの車両
↑ タリンからの近郊電車は4方向あり、合計するとタリン発着の本数は結構ある。
↑ タリン駅前のトロリーバス。
日本では立山黒部アルペンルートのみとなったトロリーバスは、ロシアを中心とした旧共産圏諸国ではまだまだ多くの都市で走っています。タリンでも4系統のトロリーバスが健在で、中央駅前にはNo.4系統が見られます。
今回タリン滞在は4時間の駆け足でしたが、時間あれば1泊してモスクワ行きの国際列車を見たり、長距離列車にも乗ったりしたいものです。

北欧のたび4(タリンの鉄道)」への2件のフィードバック

  1. タリンという街があること、ここがエストニアの首都であることすら知らなかった私ですが、お陰で概要を理解できました。写真展で出展された写真について、京都の大御所から質問があり、聞くと、その大御所もタリンへ行かれたことを知り、さすがと思いました。またバルト三国の軌間について、以前、南禅寺にお住まいのNさんから聞かれていましたが、それは解明できましたでしょうか。

    • 総本家青信号特派員様
      コメントありがとうございます。バルト三国は会社勤務時代、リトアニアとの仕事があり、同期の友人が行ったという話を聞いて私も一度行ってみたいと思ったのがきっかけでした。小国ですが独自の伝統文化を残していて興味のある国です。
      軌間については三国の国鉄はともにいわゆるロシアンゲージですが、今回これを機会に少し調べてみると、ロシアとその周辺諸国は1520㎜、フィンランドは1524㎜です。もともと1524㎜は5ftゲージでイギリスが発祥のようですが、ロシアがこのサイズを採用、周辺の諸国に広まったためロシアンゲージとして一つの勢力となりました。ところが1960年代にロシアはそのゲージを1520㎜に変更しました。この時他の諸国も1524㎜から1520㎜に変更し、1520㎜がロシアンゲージの主要なサイズとなったのですが、この時フィンランドはサイズを変更せず1524㎜で今に至っています。また、エストニアは1520㎜となっていますが、独立後路線をリニューアルする際には1524㎜にしているそうで、現在は同じ国鉄の線路で1520㎜と1524㎜が混在しており、最終的には1524㎜となるようです。尚タリンのトラムは狭軌で1067㎜、ラトビアには3か所にトラムがあり首都のリガ、Daugavpilsはロシアンゲージ(1524㎜となっていますが1520㎜かもしれません。)もう1か所のLiepajaは不明です。このあたりの話面白そうなので調べてみると同時に、南禅寺のご住職にもお聞きしてみたいですね。

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