第3日目 12月14日
今日はオホーツク海の車窓を楽しみながら東の果て根室へと向かいます。今までは折り返してばかりでしたので今回は泊って根室の街を見てみたいと思いました。
▲ 8:45 朝飯を食べてから外に出ました。バス停に向かいますと昨夜は見えなかっ建物があります。ここは何だろうと見に行ってみますと「鉄ちゃんと徹子の宿」との看板がありました。中を見ますと駅名板や行先表示板等々が展示されています。
後から調べますと以前は全国にあった国鉄の保養所だった様で昨夜宿泊した「温泉旅館もとよし」が管理していました。お泊りになりたい方はもとよしへお問い合わせください。
▲ 8:50 ボオッとしていましたら踏切の音がしましてDC2両編成が通過していきました。
慌ててカメラを出しましたが撮れたのは後ろ追いの1カットだけでした。
① 網走湖荘前 9:17(バス)⇒9:26 網走駅前
▲ 8:50 昨夜到着したバス停の向かいに網走駅前行きのバス停が見えました。時刻表では9:17発があります。
今日の温度は4℃です。見える網走湖も湖面は氷が張ってきています。
8:57 また踏切の警告音が鳴りました。どちらから来るのか分かりませんがとりあえずカメラは出しました。
▲ なんとキハ40+キハ54 515+キハ40 1003(一般気動車色)の色取り取りの3両編成がやってきました。
▲ 9:19 網走駅へ向かう路線バスが到着です。
▲ 9:26 湖畔の圧雪路を走り網走駅に到着。釧網本線に乗車までは十分時間はあります。
前回来た時は駅弁を求めましたが売り切れでした。今回は網走名物のカニ飯がありましたが今日はまだお腹が減っていません。目的地の根室迄どうするかと迷いましたが宿の夕食を期待してビールとお酒でつなぐことにしました。
▲ 1番線で発車待ちは10:20発の遠軽行きの,キハ40形2連の4658Dです。
① 網走 10:24(快速しれとこ摩周号〕⇒13:29 東釧路 13:32⇒15:57 根室
▲ こちらが今日乘る釧路行きの3727D、快速しれとこ摩周号です。
▲ 車窓に絶景が広がる釧網本線に乗車、乗り鉄旅を楽しみます。運転手も鉄ちゃんだそうで今朝は早朝4時からの仕業で疲れたと積極的に話しかけてくれます。運転手が運転中は気が散るので話しかけないで下さいとの注意書きがありますので返答に躊躇しましたが単調な路線の業務は眠たくなるとお構いなしです。この路線で気を付けないといけないのは野生動物の線路内横断だそうです。以前に釧路運輸車両所の運転手から特にエゾ鹿は毎日2~3頭ははねてしまう交通事故があるとお聞きしました。
この列車の運転手にもお聞きしましたがエゾ鹿は列車が来て警笛を鳴らされても逃げない、姿を見たらスピードを落として通り過ぎるのを待つしかないが突然出てきた時はどうしようもない。線路上に倒れているときは降りて除去する。後は運転区へ連絡を入れて保線区員が処理をするそうです。クマの場合は手負いで危害を受けるケースもあるので連絡は入れるがけっして列車を降りないようにとの指示が出ているとのことです。厄介なのはタンチョウヅルとぶつかった場合で、天然記念物なので簡単にはいかない、近くに寄ってくるケースもあるので要注意ですと語ってくださいました。
▲ 鹿被害の統計です。2020年度は急増しています。被害の多い釧路運輸車両所の関係者は大変ですね。
▲ こちらはクマ被害です。鹿と比べると微々たるものですが旭川運転区が多いと言う事はやはり常紋辺りなのかなと思ってみたりします。音には敏感な野生動物ですので列車の走行音が聞こえてくると逃げ出すのかな。
12:53 タンチョウヅルに餌を与え続けて有名になった茅沼手前辺りで運転手から見てくださいタンチョウヅルが沢山いますよ。こんなに多く見るのは今年の冬初めてですと言われました。私も今年見るのは初めてです。
▲ 13:14 釧路湿原を出た辺りで突然2羽のタンチョウヅルが進行方向を横切って飛んできました。幸い衝突までには至りませんでしたが一瞬ひやりとしました。
▲ 13:27 釧路1駅手前の東釧路で下車。根室ヘ向かう列車に乗り換えです。運転手に長い間お話をしていただいたお礼を申し上げてお別れしました。
▲ 14:37 交換駅の茶内にちょっと早めの到着です。7分間停車しますので外に出て休憩です。駅前には簡易鉄道の博物館があります。亡き湯口さんの写真も掲示されているようですので一度は行って見たいのですがまたになりました。
▲ 15:29 前回の写真展で893-2さんが素晴らしい作品を発表された別当賀~落石の絶景を車窓から味あいます。いつか撮影に参りたい撮影地です。
▲ 15:35 落石に到着です。日没の早い道東です。京都の感覚では17時ぐらいです。
▲ 15:57 定刻に終着駅根室に到着です。今宵は駅から下りの坂道を下った港近くの宿「照月旅館」を予約しております。駅からは下り坂なので行くには大丈夫と頼んではいなかったのですがシンガポールから来られた外国人を送迎に来られていた宿の主人が待っていただいておられました。
▲ 16:20 宿の車で楽に着きました。網走と同じく昭和の匂いがする8畳の和室です。釧網本線で仲良くなった運転手は根室出身とかで料理の評判の根室一の素晴らしい旅館ですと言っておられました。確かに案内はそつがなくローカルでは特筆できる宿と感じました。
▲ ミシュランガイド北海道版でも紹介された根室の老舗、「照月旅館」が自信をもってお薦めの季節の旬の素材を厳選し、根室の魚介を堪能できる料理長快心の本格的な豪華会席膳です。名物は花咲ガニはじめ「うにの茶碗蒸し」で温かいうちに食べてくださいとお薦めでした。花咲ガニをゆでたまま食べるのは51年ぶりです。昔は釧路駅前をおばさんがリヤカーに山盛りで路上販売をしておられました。確か一杯が250円ほどで釧路からの夜行列車の車内で食べて以来です。美味しく完食でした。
Part 7 へ続く
ぶんしゅう様
鹿との衝突件数にびっくりしましたが、文中でご紹介頂きました落石~別当賀で撮影の後、翌日に備えて生田原に移動しようと車を走らせていた時に夕刻6時前に弟子屈近辺で道路に飛び出してきた鹿と衝突し、そのままレンタカーを走らせていたら途中で車がオーバーヒートして電波の届かない留辺蘂から生田原の山中で車が止まってしまいレッカーを呼んでもらうのに通りかかった現地の車に助けてもらったことや、警察のパトカーに宿まで送ってもらったりそのまま車はおシャカになった(保険に入っていたので自己負担はゼロでしたが)ので翌日朝に生田原の宿から146kpまで徒歩で2時間半掛けて歩いた思い出がよみがえりました。
そのときは運転が悪かったのかと思っていましたが衝突件数を見てぶつかるのも普通なんだと納得できました。
893-2様、あけましておめでとうございます。またコメントをいただきまして、ありがとうございます。
あの写真を撮られた後そんな事件がありましたか。大変でしたね。よくご無事に帰られたと思います。私もぶんしゅう7号に乗ってフェリーに揺られて初めて車で渡道した時に突然鹿が目の前に飛び出してきて急ブレーキを踏んだ経験があります。昼間で牧場に沿った国道で見晴らしも良い道で、まさかこんなところで鹿と遭遇するとは思っていなかったので油断がありました。幸いにして衝突は避けられましたが道内を走る時には危険を察知できる道内ナンバーの車にピタリとくっ付いて走ることに心がけました。
ぶんしゅう様
今年もお体を大切に益々のご活躍をお祈りしております。
今回のシリーズ、北海道の冬景色や美味しそうなもの、そしてぶんしゅうさんのルポ記を楽しませて頂いています。
丹頂鶴の姿も素晴らしいですが、列車の前を飛ぶ丹頂鶴は実に見事なものですね! 根室の旅館のご馳走も美味しそう!
前回でしたか、北海道の全図に示して頂いた鉄路の現況、あぁこんなに減ってしまっているんだと実感しました。寂しいことですが・・