第13日目 2月27日 その1
ソフィア18:45→8:10イスタンプール
9:52 ソフィア中央駅前の電停に着きました。まずは切符販売小屋にて、1日フリー切符の”カルタ”(4BGN=約280円)を購入します。
10:03 駅前は殺風景ですので直ぐに電停に来たトラムに乗って移動する事にしました。
▲ ソフィアトラムの路線図です。全路線は何と308キロもあり、平均速度12.56km/hで平日176Tram(2006年)が走行しています。京都市電の最盛期が76.8キロ、都電213キロだっとのとを比べると壮大さがお分かりと思います。開業は1901年1月1日で当初は23キロを1,000㎜ゲージで敷設されました。1901~1931年は欧州メーカーから車輛を購入していましたが、以降1991年までは自国製造に切り替えました。そのため周辺国とは違ってのトラムが走行しています。
注目すべきは、世界で唯一の1,009㎜ゲージ軌道(公称)であることです。ウィキペディアによると、「初期は 1,000 mm であった。第二次世界大戦時、戦場となったため、路面状況が悪化したが、この時、1,013mmに拡張された。それ以降1,009mmに狭められ、さらに1,000mmまで狭められたが、これらの変更は路盤のみで車両に影響はなかった。」そうです。3 ft 311⁄16 inとは珍しい限りです。
そして1987年からの新線は1,435㎜に切り替えられ、現在2つの異なるゲージの軌道が存在し、1部は3線区間?となっています。
▲ 最近投入されたばかりの5連節車に乗車しました。車内は100%低床式だけあって快適です。
▲ 最後部も展望席にはなっていますが、鉄ちゃん的には席は逆方向にしてもらった方が良いですね。
▲ 車内を見て特に気に入ったものは、走行場所が分かる路線図です。
定番位置の車両ドア上に設置されていて電照式になっているのは分かっていましたが、よく見ますと走行していく度に路線色が赤く変わり、駅名も同じ赤色へと変わっていきます。
表示は固定された単なる内照式の路線図と思っていましたのでビックリしました。普通のサイズの液晶画面での表示はよく見ますが、これほど細長い液晶画面は初めて見ました。特注品なのでしょうね。
乗車したトラムは1系統ですぐに終点に着きました。ループ線で車両回しをして戻ります。
▲ 撮影地① 立体交差での軌道配線です。専用軌道として上手く敷設されています。
▲ 撮影地② 広い道路幅が確保されている通りは専用軌道ですが、曲がって駅前からの狭い通りは併用軌道となっています。しかし、公共軌道のTram優先が徹底されているのか走行線に進入してくる車両は見当たりません。
それにしても大きなパンタは良いですね。サラエボ以来です。
▲ 10:40 撮影地③
極めてスムーズに走行し、反対方向の終着駅に着きました。ループした駅横はバスターミナルと公園、そして市場がありましたので降りて覗いてみました。
◀ 切符売場の小屋です。路線図を必要としていたので聞こうとしましたが、閉ってていました。
▲ 10:49 まだオープンしたばかりです。採りたてなのか瑞々しい野菜や果物が朝日を浴びて輝いていました。珍しいものはなく定番たちが揃っていました。
▲ 公園の青空屋台では赤白の紐や人形を売っています。
いったいこれは何なのか?
後で調べてみますと3月1日の「春の始まりの日」に家族や友達で送りあい、健康と長寿を祈るもので、マルテニツァって言うそうです。マルテニツァはキリスト教以前からの、ブルガリアの土俗的なものだと考えられています。
見た時は縁起ものかと思い孫の土産に買って帰りましたが、全く興味を示しませんでした。
▲ 11:15 終点へと向かう2307連節車です。このPESA 120Na SWINGは、ポーランドのPESA社製の100%低床車で、車両長30,120㎜、車幅2,350㎜、高さ3,400㎜、出力105kw×4、最高速度70km/h。2009年から量産されて首都ワルシャワ186台をはじめグダンスク35台、シュチェチン11台、ハンガリーのセゲド、ルーマニアのクルージュ=ナポカ、ロシアのカリーニングラード、そしてソフィアには20台が採用され走行しています。
LRVへの需要が少ない日本とは違って、欧州の鉄道車両メーカーでは競ってのLRVが製造されています。羨ましい限りです。
▲ 11:28 撮影地④ 1・7系統(右)が6系統(左)と分岐する電停です。ソフィア中央駅へは、後方の交差点からほぼ直角に曲がって一直線にむかいます。
▲ 中央駅方向から来たのは、6系統のT6M-700型の719連接車です。T6M-700型は、ブルガニア初のカルダン駆動車で1984~1987年にかけて60台、T6M-700M型が1887~1991年に32台投入されています。車体長20,750㎜、車幅2,250㎜、出力200kw、最高速度60km/h。後方は915連接車です。
▲ 915号車は、T6M-700型をベースに、真ん中に低床車を増車した3連接車です。1998~2002年にかけて25台が投入されました。
▲ 11:55 安全地帯ホームのない電停で停車中の939連接車。停車中は道路を走行している車は停車します。交通マナーがよく守られていて感心しました。
下は真ん中の低床車で、車椅子スペースにもなっています。真ん中にこういった車両があれば自転車持込みスペースにもなって便利です。
このT8M 900M型は、ブルガリア最後の自国製造車両で1990年に製造されました。
▲ 11:57 撮影地⑤ 標準軌1,435㎜路線との交差点にきました。やはり1.4倍のゲージは広いですね。
石畳の軌道を22系統の4059号車がトレーラーを牽引してやってきました。TatraT4D-M型で、15両が活躍中です。
▲ 反対側から渡ってくる22系統の4205+4285の編成です。Duewag T4型、1959年に製造されボンで働いていましたが、1994年に10両がソフィアに売却されてきました。
▲ 12:08 撮影地⑥ 系統窓に”y”を表示してきた435連接車。お客は誰も乗車していません。運転手横にはもう一人が乗っていましたので乗務員訓練用車?なのでしょうか。
1981年自国製造のT6M4-400型。13両が在籍?します。
▲ 12:11 4系統T6M-700型の810連接車。主力車だけあってよく会います。
▲ 突然10系統の単車が来たのでビックリしました。1990年CKD社製のTatraT6A2B型です。
車体長14,500㎜、車幅2,200㎜、出力45kw×4、最高速度55km/h。密連が付いていますのでトレーラーも牽引すると思われます。参考資料”Straßenbahn Sofia”では57両が在籍だそうです。
▲ ここまでに紹介しました撮影地の地図です。番号を表示していない撮影ポイントについては続編で紹介させていただきます。
ベオグラードと違ってのパンタ付のトラム、ゲージも2種類、単車、2連接車、3連接車、5連節車と車種も多そうで楽しめます。まだまだ多くのショットがありますので、中休みをさせていただきます。 Part25へ続く