第12日目 11月2日
有珠山SA7:30→8:40昭和新山8:50→10:10長万部駅10:25→11:30森駅11:40→12:30大沼公園駅12:50→13:30函館駅→18:00湯の川温泉
昨夜は、夕食もまだだったので、食事、宿泊できるSAを探しましたが、行けども、行けどもありません。そのうち、『冬用タイヤ装着必要』の道路サインが出だし、あせりました。氷雨は、雪まじりに変わっていました。ようやく、伊達紋別の高台にある有珠山SAを見つけ、入りました。沼ノ端も40年前によく行った所です。苫小牧、室蘭も立ち寄りたかったのですが、ずいぶんと先まで行ってしまいました。
40年前の沼ノ端です。客車も貨物も蒸気機関車牽引でした。当時の時刻表をご覧ください。SL牽引の客車列車には、蒸気機関車マークが付いていました。
こちらは、静狩の大築堤です。FRFCメンバーと一緒に撮りました。
朝、宿泊している車は、ぶんしゅう7号だけでした。昨夜の雨はやみ、太平洋が見渡せます、冠雪の山々も見えます。40年前は、SLを追いかけるに必死で、観光など殆どしていません、近くに見える昭和新山も見てみたいと思い、高速道路を走りますが、スタットレスタイヤを装着していないと走行不可との掲示あります。次のインターで降りて、一般道を走り、昭和新山へと、向かいました。
▲ 昭和新山は、農地が突然に隆起してできた、ほやほやの活火山です。かつて、胆振線存命の頃に一度降りて見たかったので、40年ぶりの期待を持って行きました。近づくと、本当に活発な、生々しい山と感じるとともに、『これからも、鉄道撮影に頑張ってね。』と、心に元気づけてくれました。
鉄道とは関係ない話ですが、北海道で鉄道写真を目指そうとする方は、騙されたと思っても行って見てください。山は、何も言いませんが、求める何かをきっと、教えてくれます。なぜなら、山は、我々と同じく、生きているからです。自然を感じ取れる心は、なくてはならない感性だと、思っております。
高速道路は、ノーマルタイヤでは、走行できないので、一般道を函館に向かい走りました。途中、40年前、海岸べりを走るD52を撮ろうと、無謀にも津田君と絶壁の岩を登りましたが、撮影後、下りるに下りられず、一時はどうなるかと、死ぬ思いをした礼文辺りも、行ってみたかったのですが、天候は回復せずで、諦めました。
▲ 山中を通る道中高速道路は、積雪が多く、ノーマルタイヤでは、走れません。やむなく、国道37号線を走りましたが、それでも、ご覧のとおりで、峠辺りは、もっと積雪があって、ブレーキは踏めませんでした。
▲ 現在の長万部駅です。綺麗にはなりましたが、付近に人影はありません。
▲ その代りに、ステホをよくした長万部駅に立ち寄りました。昼飯時になりましたので、名物駅弁のかにめしを購入しようと駅売店に行きましたが、売っていません。駅前の製造元へ行ってくださいとの返事です。40年前に駅弁は、貧乏学生にとって、高価でした。ようやく、買えるようになった今、駅にはありません。
仕方なく、教えていただいた店に行って購入しましたが、駅弁が駅で買えないとは、えらい時代になったものです。駅で買ってこその駅弁です。憧れのかにめしでしたが、パサパサで、ちょっとがっかりしました。旅も長く疲れていて、味が分らなくなった、せいかもしれません。
落部等の撮影地もあるのですが、天候が撮影を拒みます。一気に森駅に向かいました。
森駅は、初めて北海道を訪れた時に、DRFCメンバーの薦めで、駅弁『いかめし』を買い求めました。列車が到着すると、ホームの端から売り子おじさんが、駅弁を入れた木製のかごを抱えて、走ってきました。当時は、100円でしたが、中を開けると、ホクホクのいかめしが入っていて、初めて食べる味にびっくりとしました。勿論、美味でした。その後、『森の駅弁いかめし』は、駅弁全国一となったのは、ご存じのとおりですが、当時は、知る人ぞ知る駅弁でした。
森駅売店では、保温したいかめしを売っていました。しかし、40年前を知っている私としては、味は同じでも、もう一つ何かが違っているように思えました。長万部もそうだったように、駅弁は、列車待ちに駅のベンチや、乗ってから車窓を見ながら食べるのが、一味違った美味しさを、引き出してくれるのでしょう。
▲ 1969年(昭和44年)当時の大沼公園ですが、現在は町並みが拡大して、道路も出来て、もうこの光景は撮れません。カラーでしたら、綺麗だったでしょうが、そんな金銭的余裕はありませんでした。
今回の『北の大地へ』と、行くきっかけとなったのは、勤務時代に札幌出張の際に見た大沼公園の絶景の紅葉風景でした。DD51重連でしたが、車窓は素晴らしく、どうしてもあの心に残った光景を撮ってみたいのが動機でした。
大沼公園駅に到着後、周辺を探しまくりましたが、中々、ここはという場所を探せませんでした。あの光景は、心に残すのみと諦め、新たな場所を求めましたが、ここでした。もっと時間をかけて探せば、これが大沼公園の紅葉といった撮影ポイントがあると思います。撮影後は、一路、今回の道内最後の撮影地、函館を目指しました。
Part17 へ続く