▲ オラデア(Oradea)駅の留置線で静態保存されていた142-044号蒸気機関車。動輪は4軸の1D2軸配置、最高速度110km/h、長距離の高速旅客用としてブカレストのN.Malaxaで36台、RESITAでは43台が1937~1940年に製造されています。設計はオーストリアで、オーストリア連邦鉄道(BBO)Class214をコピーしたものです。煙突横に付けられた長いデフレクターが印象的です。前照灯にも車両番号が取り付けられているのは初めて見ました。屋外とは言え綺麗に保存され、いつでも走れる(?)ように留置線に置かれているのも良いですね。
第13日目 2月23日 その1
① クルージ・ナポカ 07:45(R3073)⇒11:40 オラデア(Oradea)
▲今日はクルージ・ナポカ( Cluj-Napoca)から次の訪問地のティミシュアラ(Timişoara)へと向かいますが、途中のオラデア(Oradea)で乗継します。乗継時間は4時間20分ありますので、この間を利用してトラムの乗り鉄と撮り鉄を楽しむ事にしました。
左は昨夜に購入した切符です。
クルージ・ナポカからオラデアまでは19.35Lei、オラデアからティミシュアラまでは22.5Lei、合わせて41.85Lei(約1,298円)です。
日本JR地方交通線では3,020円になります。約4割の運賃です。
クルージ・ナポカからオラデアまでは152キロ、所要時間は3時間55分と平均速度38.8km/hのゆっくり鈍行乗り鉄旅です。
客車列車か、フランスのお古のディーゼルカーと思って駅に行きますと、シーメンス製の”Desiro”の新車です。
これなら快適な旅になります。
▲ 7:45 乗車するのはデジロ2両編成×2=4両です。ドイツでの仕様車と違ってオール2st.Classで自転車置き場は設置されていませんが、座席は2+1タイプでゆったりとしています。ドイツならオール1st.Classと言えます。
▲ あいにくの小雨模様の車窓でした。乗客の殆どが途中で降りられ、乗車された方は若干でオラデアに着くころにはガラガラ状態になっていました。車内温度は常時24℃に保たれ快適な旅でした。
▲ 11:40 オラデアに定刻の到着。中間の乗継駅ですのでホームは賑やかと思っていましたが、人影はなく閑散としていました。
到着してしばらくすると乗車してきた編成は先のヤードへと引き上げていきました。
隣のホームには機関車が機回しされているようで客車3両編成が停まっています。
▲ ホームからホームへの連絡は地下道ではなく、レールを横断する渡り通路で結ばれています。その向こうにはSL2台とDL1台が留め置かれています。
1台は冒頭で紹介した142-044号機、その後ろは230-142号機です。最後部のDLはデ60-0983-1号機です。
▲ 230-142号機は、ドイツで設計されたPrussian Class P 8(DRG Class 38.10-40 )をルーマニアで1932~1939年に226台がライセンズ生産されました。高速旅客蒸気機関車でドイツでは1908~1926年に3,700台も製造されています。動輪周1,750㎜、軸配置2C、1,180PS、最高速度110km/h。
▲ 最後部に留置されていたのはディーゼル機関車60-0983-1号機です。軸配置Co’Co’、出力1,546/1,700PS(2タイプ)、最高速度100km/h、1969~1981年に113台が製造されています。これはまだ現役のようです。
▲ この駅にも区間運行用の別ホームが設置されていました。57-0554-6+97-0337-2の編成が発車待ちです。これもフランスからの中古車です。
▲ 12:16 先ほど乗車していましたDesiroの編成が1番線ホーム に入線しました。折り返しでクルージ・ナポカへと戻るようです。
▲ オラデア駅(Stație Oradea)は、長い駅舎ですが、閑散としています。
▲ 正面玄関を入ったホールはクルージ・ナポカ駅とほぼ同じ大きさですが左右の奥行きがなく殺風景です。切符売場窓口が左右にありますが買っている人はわずかです。利用者はそれほど多くはなさそうな感じがします。
駅構内は一通り見ましたので駅前にあるトラム電停へと向かいました。 Part26に続く