▲ オラデアのトラム、OTL(Oradea Transport Local)のご自慢は、ウィーンでも採用されていますシーメンス(Siemens)製の100%超低床車ULF (A1)型トラムです。
一般に言われる低床式トラムの床面高さは300~350㎜ですが、このトラムは180㎜と世界一の低床を誇ります。動力装置は床下に置かずご覧のように床上の車体側面に収納されています。屋根にも電気機器を置くといった徹底ぶりです。車輪の車軸はなく乗用車に見られる左右独立車輪式台車が採用されました。これらによって路面や低い電停ホームからのバリアフリーが可能となり車椅子でも容易に乗降できます。車体長24,200mm、幅2,400mm、車重30㌧、出力52kw×6=312kw、最高速度70km/h。OTLではこの超低床車10編成が2008年4月より運用についています。シーメンス社のパンフはこちらへ。
今日はティミシュアラへ向かう途中に立ち寄った乗継駅オラデアで降りてのトラム乗り鉄・撮り鉄です。駅前のトラム電停には、珍しく市内の観光案内図が設置されていました。
水運を利用するために川を挟むようにして町が形成されているのが分かります。中世時代には栄えた町のようです。
【 Oradea (オラデア) 】
オラデアが歴史の舞台に登場したのは、1113年にVaradinum (ヴァラディヌム) という名称で呼ばれた頃で、蒙古チンギス・カンの襲来に備えるためにハンガリー王による城壁都市が建設され、1944年に解放されるまで長くハンガリー領でした。
ハンガリー語では Nagyvárad(ナジヴァーラド)と呼ばれています。
観光地図にも大きくOradeaと表示された下にNagyváradと表示されています。ハンガリーまでは近く10数キロで国境、国鉄駅でも2駅でハンガリーに入国できます。
町の人口は2011年の国勢調査で196,367人と地方都市ですが、都市に住まう人種別人口は歩んできた歴史と共にハンガリー人からルーマニア人へと替わっています。
▲ Oradea (オラデア)の市営トラムはOTL(Oradea Transport Local)により運営されています。上がOTLの公式HPに掲載されています路線図です。ただ、今回の訪問では休止?路線がありました。
▲ トラム切符はクルージ・ナポカ同様の2回券です。今日は間違わず4枚だけを買いました。切符売場は乗降の多い電停にしかありません。
▲ 12:29 撮影地① Google座標; 47.069710、21.935144
駅前電停に入ってきたのはTatraT4型、3N系統の15号車です。いつものように来たトラムに乗車して終点までのロケハン乗り鉄です。
▲ 車内のセルフ改札機はICタッチ式と、切符を差し込んで日付印を押すタイプの2種類です。穴あけではありません。IC切符があるなら1日券もあってもと下車後に聞きましたが無いと言われました。
▲ TatraT4型車内です。 車内シートはクルージ・ナポカのTatraKT4型と同じFR製バケットタイプですが、座り心地が良いクッションが付いていました。
▲ 12:55 撮影地③ Google座標;47.029926、21.954956
終点のNufărulに到着。広い広場を一周するループ線の周りが乗降所になっています。続々と様々な車体色のTatraT4型が続行運行で入ってきます。
▲ 電光掲示板が設置されていますが、何と表示されているのか翻訳できません。
▲ ループ線外側には切符売場横に売店やファーストフード店が置かれています。
▲ 13:22 同じ車両かと思っていましたらようやくTatraKT4型が来ました。しかし、同じ車体色がありません。
▲ ファーストフード店で朝食をとっている間に1N系統低床車55号車が発車間際でした。冒頭で紹介しましたSiemens製の ULF A1型です。
▲ 13:22 再び次のトラムに乗って移動です。 Part27に続く