三江線のツアーは好天と桜満開に恵まれて大成功となりました。次にノミネートしたのは秋・冬には訪問しましたが桜咲く春には行っていない奥津軽です。芦野公園の桜のトンネルを行く津軽鉄道を乗ってみたい、撮ってみたいと計画を練りました。
【 当初の計画案 】
行くにはDD350号機が牽引する金木さくらまつり臨時ストーブ列車が走る4月29日からが1番だろうと今回はぶんしゅう7号を敦賀から出航する新日本海フェリーに乗せて参ろうと決めました。ぶんしゅう7号は簡易キャンピングカーで、長期の車内泊もできます。ホテル代が浮きますので長期滞在をして、桜を撮った後1週間後には咲くリンゴの花を撮ることも可能です。
ただ新日本海フェリーの敦賀⇒秋田への運航は週1便、月曜日発だけですので出発は4月26日(月)になります。翌日朝に秋田港着、秋田からは五能線も撮れる、弘南鉄道にもまた行けると夢が膨らんできましたが、問題は桜の満開時期でした。
Yahooの天気予報と青森県下の桜情報を毎日のように見ていましたら、どうも今年の桜の満開時期は例年と比べて1週間早いようです。21日の予報では桜は咲き始めて23、24日が見ごろになると出ています。フェリーで向かうと到着は最短で27日昼頃です。これでは桜満開に間に合わなくなり、雨風が吹けば桜は散ってしまいます。困りました。
▲ 週間天気予報では24日~26日が晴れで桜満開時期とピタリ一致しています。しかし、28日以降は雨です。24日以前に現地到着しなければなりません。
【 予定の練り直し 】
4月20日、そうなれば飛行機で行くのが最も早い移動手段です。JALのHPを見てみますと前回利用した3週間前の特割チケットはなく、購入できるのは片道37,100円もするチケットしかありません。また5月連休前とあって、ほとんどの便は満席です。ただ無料のマイレージで確保できる空席が往路24日始発と復路は27日始発でありました。マイレージ国内線キャンペーン中で通常15,000マイルが必要ですが、12,000マイルで利用可能です。とりあえずこれを確保して、後から空席がでれば希望する便に変更するのが1番良い方法だと予約しました。海外に行く場合にはよく使っている手段です。
ところが予約確保後すぐにJGC国内線受付に電話連絡して変更を申し出しますと、「お調べしましたが、現在空席はありません。国内線では国際線のように搭乗前日までのキャンセル待ち予約の受付はしておりません。搭乗4日前までが可能になっています。今からですと23日が変更可能ですが空席はありません。復路の27日予約は23日までに空席が出れば可能ですがこれも4日前のルールが適応となりますのでご注意ください。JALのHPを毎時ご覧になられた時点で空席があればもう1度お電話してください。先着優先となります。」との事でした。国際線と国内線のキャンセル待ちの受付方法は違っているとは、このとき初めて知りました。
これでは変更は余程運がないと無理なようです。前倒しはできないと諦めてホテルとレンタカー予約をしました。
第1日目 4月24日
① 長岡天神5:36(阪急)⇒5:57南茨木6:01⇒6:25大阪空港
② 伊丹空港7:55(JAI2151)⇒9:25青森空港
夜明けの5時前には起床して家内に駅まで送ってもらっての出発です。
大阪空港には余裕の到着。コンビニで買ったサンドイッチを食べながらJALラウンジでゆっくりと搭乗を待ちました。▲ 今日の青森行きの機材は座席数76席のブラジル製のエンブラエル170(E170)、シートは革製、シートピッチもゆとりがあります。買い換えた大きなカメラバックも荷棚に収まりました。
▲ 7:47 珍しくバスで飛行機前まで行っての搭乗です。満席でのフライトになりました。
▲ まだ残雪がしっかりと残る山々の稜線を飛び越えて青森上空に入ってきました。予報通り天気は良いようです。
9:30 青森空港到着後は荷物を取ってすぐに空港内にあるレンタカー事務所に急ぎます。今回は農道も通ることを予想して軽自動車を借りました。3泊4日で14,700円とリーズナブルな料金です。
▲ 前もって作成しました2016年版の津軽鉄道ダイヤグラムです。お役立てください。
▲ 10:41 撮影候補地の桜並木が綺麗な十川に到着。定刻10:32発津軽中里行きの7レには間に合わなかったなあと農道に車を停めてゆっくりしていると突然踏切警報機が鳴って2両のDC(21-101+103)がすぐにやってきました。三江線のように鳴ってしばらくしないと来ないと思い込んでいました。アングルの準備もできずとりあえずシャッターを押しましたが、警報が鳴ってくるのに20秒もかからない早さです。
2両のうち後部車両は団体扱いで2両とも席は埋まっていました。桜の満開が予定より早く訪れたために増結していたようです。三江線とはえらい違いです。
この辺りの田はまだ田おこし前です。いつ頃水張りが予定され田植えが始まるのか野良仕事をされていたおばあさんに聞いてみました。「京都から来られたとはご苦労さま。これから田おこしをして。水張りをして苗底を2回かき混ぜて作って田植えをするのは5月20日頃になるだろうね。」とのお答えでした。
おばあさんも入れて列車を撮りたいのでよろしくとお断りを入れてのショットです。
▲ 11:17 津軽五所川原行きの10レ、今度はDC3両編成(21-104+105+102)がやってきました。後部2両が団体扱いです。おばあさんは良い写真を撮ってねと一輪車を押して引き上げていかれましたが80歳になられるのにとてもお元気そうな様子でした。
▲ 11:27 先ほどの編成は、津軽五所川原で折り返して津軽中里行きの9レとなってきました。桜の並木道をくぐる様に来ます。
▲ 車窓から手を振っておられる団体車両に乗車されたおばちゃま達です。楽しそうですね。
▲ 十川駅の待合室です。なぜか懐かしいピンクの公衆電話が設置されていました。発車時刻表と運賃表は手書きです。これは沿線各駅でも同様でした。
▲ 12:07 津軽五所川原行きの12レです。21-103+101ですが後部の101は団体扱いで乗客はおられませんでした。
▲ 12:20 1つ上の編成の折り返し101レです。桜並木は見事なのですが横からでは車体に隠れてしまいますので築堤の下から挑みました。こちらの方が桜の表現が出来てよかったですね。
十川での撮影は以上です。これで切り上げて構内に桜がある嘉瀬へと向かいました。
▲ 本道から入ったところに嘉瀬駅は位置しています。なぜか12:35と17:30の神原行きの弘南バス2本の発車があります。
▲ 嘉瀬駅の広い駅舎待合室です。ホームへの改札口には1区画仕切ってあるのは雪国ならではの設備です。昼間から1人で缶ビールを飲んでおられるおじさんがおいででした。挨拶しますともうすぐ列車が来るよとご案内されました。
▲ 12:52 ホームに1本ある桜の木は満開を迎えています。その中を3両編成の津軽五所川原行きの14レが入線してきました。
▲ 降りてこられましたのはカップル1組だけ、この辺りに観光地はありませんので地元の方なんでしょうね。
▲ 13:18 続いて北上したのは太宰治のふるさと、斜陽館がある金木駅です。
1930年(昭和5年)7月15日に開業されましたが、2003年(平成15年)12月15日にリニューアル新築されています。
入口を入ると沿線案内やかつての木造駅舎時代の写真が展示されていました。
丁度お昼になりましたので2階にある食堂で腹ごしらえです。
食べるは此処に来るといつも食する大好きな「しじみラーメン」です。
▲ しじみで取った出汁が絶品のしじみラーメン。近くの十三湖で採れたしじみが使われています。
▲ 金木駅周辺の観光案内、津軽鉄道に乗車される観光客の殆どはここで下車されて街歩きを楽しまれます。
▲ 金木駅待合室の掲示板です。伊勢志摩サミットの警備協力案内も掲示されていました。
県立芦野公園のさくらまつりのポスターもありますがご覧のとおり4月29日~5月5日です。3月に決まったそうですが見事に外れています。これに基づいて津軽鉄道では臨時ストーブ客車の運用も設定されました。
▲ 毎年ゴールデンウィークに桜満開となる奥津軽です。金木桜祭り開催日が3月に決まったためにこの時期でのダイヤとなったのは仕方なかったようです。関係者の方も直前での運行変更はできないので増車で対応するしかないと言っておられました。
金木駅も入場して桜がないか見てみましたがホーム上から撮るのは困難です。この駅は諦めました。
道路からロケハンしながら津軽中里駅まで参りましたが沿線に桜や菜の花がありません。芦野公園駅にも行きましたが今日は日曜日で花見客は多数で撮るには大変です。明日なら少なくなるだろうと思い今日は車上からのロケハンに切り替えました。
③ 津軽中里14:29⇒15:04津軽五所川原
私は国内で撮影する際は必ず撮影前にロケハン乗車してまずは自分の目で車中から見てみることを信条にしています。乗車後運転手さんに前面中央貫通ドア前に三脚を立ててビデオ撮影して良いかお聞きしましたら快諾をいただけました。しっかりと沿線風景は撮影できました。
▲ 14:28 芦野公園で待ち構えておられる観光客の皆さんです。これでは撮影のベストポジションが取れません。
▲ 列車が到着して発車する時間になると係員2名がロープを張って安全通行できるようにします。
▲ 金木です。ホーム右に桜が1本ありますがこれを入れて撮るのは難しかったです。
芦野公園、金木で乗車された皆さんで車内は超満員になりました。
アテンダントさんも張り切っての沿線案内が続きます。
▲ 14:50 嘉瀬~昆沙門 車からのロケハン中には気が付きませんでしたが水仙があちこちに見られます。アテンダントさんからの案内が入りました。
▲ 14:57 昆沙門~津軽飯詰 またもアテンダントさんから案内が入りました。沿線住民の方々が秋に蒔いた種で菜の花が満開の築堤を走ります。ここも撮影チェックを入れました。
▲ 15:00 五農校前です。津軽富士とも呼ばれています残雪の岩木山が薄っすらと見えました。岩木山をバックに撮ってみたいのですが、毎年桜の咲く時期は黄砂の関係で春霞となってはっきりと見えることはないそうです。
▲ 15:05 津軽五所川原に入線していきます。手前に桜の木々が見えますが駅構内です。撮影はできません。
これで車内からのロケハンは終了です。意外と沿線に桜がないことは分りました。折り返しの列車でも再確認をしながら津軽中里へと戻りました。 Part2へ続く