“平成”の思い出 鉄道の記憶 〈3〉

宮原の公開イベント

国鉄からJRになったのが昭和62(1987)年ですから、平成に入って、まだJRは2年目でした。私は、「ジェイアール」の横文字が気恥ずかしくて声に出せず、もと国鉄をなんと呼んでいいものやら悩んだ時代でもありました。この頃、JRではさまざまな誘客策が展開されていましたが、機関区など現業部門の公開イベントもその一つでした。国鉄時代からも公開イベントはあリましたが、およそサービスなどとは無縁の現業部門の人たちが、必死になって来場客と接している姿を見て、JRの変身ぶりを感じたものでした。
宮原操車場の公開へ初めて行った。新幹線から全体は見えるものの、“宮原”という駅もなく、どう行っていいのかも分からなかったが、阪急十三駅から歩いて行くと正門があった。車種は現在と特に変わったものではないが、パンタはきっちり上げて、ヘッドマークも寄せ集め的ながらも装備して、今より価値があるように思えた(以下撮影日、平成元年4月30日)。

JR西日本の看板たるEF58150はお召装備をして参加、EF15158は、EF15最後の現役機で、両機とも、梅小路運転区の所属だったが、通常は宮原に置かれていた。

目玉は梅小路蒸気機関車館で動態保存中のC62 2、同機は向日町運転所など近隣の公開日にはよく展示されていたが、大阪まで来たのは珍しい。

日本海」にEF81とは、まずは真っ当な組み合わせ。▲▲ワインレッドに金帯のEF65 123は岡山区のもの、岡山局で12系客車から改造した欧風客車「ゆうゆうサロン岡山」の車体色に合わせて制定された塗色。

片隅に置かれていたスエ30 2  宮原操車場の救援車で、この時点で廃車になっていたが、放置状態で置かれていた。この時期で、ダブルルーフ17mの客車は貴重だった。なお、「青信号64号」に井原実さんによる「救援車雑記帳」には、スエ30 2について詳しく記されている。

イベントの全景、宮原客車区に車籍だけ残っていた数両の雑型客車が休憩用しとして置かれていた。宮原の客車、と言えば、復活した展望車マイテ49 2もいたはずだが、なぜか撮影していない。

 

 

 “平成”の思い出 鉄道の記憶 〈3〉」への4件のフィードバック

  1. 総本家青信号特派員様

    小渕首相が新元号の書かれた色紙を掲げて『元号は平成です』と言ってたのがついこの間のような気がします。
    仰せの通り、その『平成』も来年には新元号にバトンタッチして、我々世代に取っての『明治』と同様『昭和は遠くなりにけり』と忘れ去られるのでしょうね。
    それでなくとも『鉄の世界』では昭和は既に消え去っており、本屋でジャーナルやファン誌を見ても昭和の片鱗も見当たらない感じに滅入ってしまう昨今です。
    IT攻勢もAI時代に及び、『温故知新』も今の若者には通用しない世の中になりました。
    そんな中、貴殿が平成を昭和の二の舞に成らぬようアーカイブ化しようとしておられるのには尊敬致します。

    • 大先輩の河さまからお言葉を頂戴し、ありがとうございます。私はいま68歳ですか、平成が30年ですから、約半分は平成の時代を生きてきた訳です。私など、典型的な昭和の団塊世代を自認していましたが、平成の時代も結構長く生きてきたことを再認識しました。あまり昭和にこだわらず、平成の時代も回顧してはと思った次第です。

  2. 総本家青信号特派員様
     素晴らしい企画ですね。これからも楽しみです。
     昭和の後半、国鉄はゼネストや車体への落書き等々、正直「栄光の国鉄」を自ら放棄したように思えてなりませんでした。私鉄に身を置いた身としては、「このままずっと寝ていてくれへんか?」と思ったものでしたが・・・
    ちゃんと起きはりました。「JR」の名の下に。
     債務が放棄された、元々力のある集団は強いこと、強いこと。ぼこぼこにされたことはご存知の通りです。
     私鉄も最近まで鉄道のネットワークを広げていくという夢を忘れていたようでしたが、時代の変化と共に、リニアに始まり、北陸新幹線、なにわ筋線延伸等々、将来の計画が進み出したことは嬉しい兆しですね。
     JRも私鉄各社も力を合わせて、お客様の利便性向上を目指して、夢を実現していってもらいたいですね。

    • マルーン様
      コメント、ありがとうございます。そうですね、JRになったのが、昭和62年ですから、平成の歩みは、ほぼJRの歩みと一致しますね。当初の国の庇護と、圧倒的なインフラで、私鉄はボコボコにされたでしょうが、JRとの競争があってこそ、私鉄も伸びて行ったのも事実だと思います。JRと私鉄、これからも、良き競争をしてもらって、夢の実現をしてもらいたいと思います。

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