秋の中国一人旅2010年 Part3 天津→丹東 K188/189乗車紀行

第4・5日目 10月24・25日

① ホテル11:30(Taxi)→11:50天津站
② 天津12:58(K189/189)→5:02丹東 1,004キロ 所要時間16時間14分

昨夜は、日本料理屋で朋友と久方ぶりに深酒しましたので、起床はゆっくりです。発車1時間前には天津站に着きましたので、朝食兼昼食を駅前の天津名物の肉饅頭屋で食しました。外に出ると雨が降りだしていました。

夜行列車乗車用に売店でビール・白酒やソーセージ類を買い出して、待合ロビーの電光掲示板を見ますと10分延です。このK189/189次(列車)は、上海始発で北朝鮮国境の丹東までの2,330キロを所要時間34時間32分、表定速度67.5km/hで結びます。天津からは、表定速度61.8km/hでゆっくりと向かいます。


列車編成は軟座寝台・硬座寝台・普通席車計の19両と、荷物車・電源車を入れての21両です。25G型の25m車両ですので、機関車も入れると600m近い日本では見た事もない長編成です。「のぞみ」の1.5倍もあります。

列車は、10分遅れで到着しました。中国鉄路では、下車客が降り終わってから乗車の改札が行われます。下車客は地下に降りて出口に向かいます。乗車客は2階待合ロビーから改札を受けて1階ホームへと降りて指定席車両に向かいます。このため下車乗車客の多い少ないで停車時間を設定しています。天津は時刻表では13分です。

乗車時は改札口が少ないため大混雑となります。ホームの真ん中付近に下りる階段がありますので、遠い車両に行く時は小走りです。これが嫌なのが、殆ど列車中央部にある軟座寝台を選ぶ理由の1つです。

コンパーメントに入ると、誰もいません。真新しいシーツと布団を見ると、どうやらこの部屋は上海からの客が使った様子がありません。これは良い。専用個室になると喜んでいたら、列車乗務員がやってきて、部屋を替わって欲しいと、手を合わせて嘆願します。この環境は捨てがたいので、丁重にお断りしましたが、今度は列車長まで来て2人がかりで頼みます。客どおしが部屋の交換をする事は日常的に行われていますが、乗務員側から頼む事など見たことありません。どうやら乗務員に何らかのミスがあったようで困っています。仕方ありません。席を譲りましたが、荷物は運んでくれました。
交換条件ではありませんが、探している瀋陽鉄道博物館の件を聞いてみましたら、探してみますとの力強い返事がありました。この後、多分列車無線であちこちに連絡したろうと思います。寝る前に瀋陽市内地図に丸印で場所を記入して、手帳にこれをタクシー運転手に見せれば行けるはずと教えてくれました。
天津を出ると、線路際では唐山まで123キロの高速鉄路の延伸建設が進められています。


秦皇島では天津始発ですが、1時間後発のハルピン行きのCRH5のD177が追いつきました。東北方面は、殆どCRH5が運用されています。2列車とも同時発車ですが、D177は、秦皇島~瀋陽間は高速専用線を走行します。この専用線はかつて中国独自の技術で持って建設され、200km/h対応の列車を製造して走行させましたが、信号系統不良・列車の設計ミス等々でまともに走行出来ずの問題が続発しました。その結果、独自技術では高速鉄道の建設・車両の製造は不可能と判断され、日本・ドイツ・フランス・カナダに国際入札としながら、4国とも受け入れてCRHシリーズ誕生となったいわく因縁発祥の路線です。

K188/189は、瀋陽站まで6時間51分をかけて在来線を走行しますが、D177は瀋陽北站までわずか2時間7分で到着します。3倍以上速いのです。北に向かうにつれて日没が早くなります。17:30を過ぎると食堂車が営業開始です。この列車は瀋陽鉄道局の運用です。中国鉄路では、全国に18の鉄道局・公司がありますが、食堂車のメニューは、それぞれで違っています。細かく言えば、コック長によって違っています。列車に乗る楽しみの1つでもあります。

テーブルに着くと窓際にメニュー表がありましたが、直ぐにウエートレス(中国名;女服務員)が紙に手書きしたメニューを持ってきました。メニュー表では20種類ありますが、紙には5種類しか書いてありません。名前と内容は全く分りません。こんな時は、今日はこの中で1番のお薦めは何かと聞きます。女服務員が指さすものを注文します。写真を撮ろうとしたら隠されました。

今夜の注文品は、魚を蒸したものに豆腐と野菜のあんかけ(35元)とスープ+ご飯(6元)です。これにビール(5元)を1本頼んで、合計46元(約530円)でした。見ためもよくありませんが、食べてもあまり美味しくありませんでした。食堂車では弁当25元(約300円)も作って車内販売していますが、大概の乗客は持ち込んだパンやファストフード、そしてカップ麺を食べています。

替わった部屋も最初は4人満室でしたが、瀋陽に着くころには3人とも降りて、丹東までの5時間余りは快適な個室でした。瀋陽では、28分停車で機関車をELからDLに交換、スイッチバックで瀋丹線を走行します。

瀋陽までは延着が続き30分の遅れになっていましたので、到着はもっと遅れて6:00前後だろうと思っていたら、4:30には列車乗務員が起こしに来ました。30分遅れを回復したようで、夜明け前の定刻の5:02に丹東到着しました。

さすが、終着駅まで乗車する客はまばらです。どれにしても広いホームです。

2009年1月19日に改築完成されたばかりの丹東駅は、駅全体がドームに覆われた最近の中国鉄路新幹線駅と同様です。単式ホーム1面1線と島式ホーム2面4線となっています。しばらくホームを見学しながら、駅出口を出ますと、駅前広場には大きな毛沢東像が立っていました。

ガラガラの切符売場に行き、天津では売り切れと言われていた瀋陽からハルピン・満州里行きの列車を検索してもらいましたが、ここ瀋陽鉄道局管轄駅でもありませんでした。
天津への帰路の切符も聞きましたが、残席はあるが発売は8時からと言われましたので、予約しておいた駅前のホテルに向かいました。寒いだろうと思っていましたが、吹いている風は暖かく拍子抜けです。途中で、いつものように屋台でも朝食を済ましました。

今日の朝食は、豆乳(左)とクレープ台に小麦粉を溶いた生地に豆板醤をぬって揚げパン・ソーセージ・香菜を挟んで巻いたお好み焼き(右)です。

中国では、部屋さえ空いていれば早朝にでも追加料金は不要で、チェックイン可能です。しかし6時過ぎでは早すぎたようです。7時にフロントマンが勤務するので待ってくれと言われ、ロビーでPCを取り出し映画を見ながら待ちました。 Part 4へ続く

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