去る8月25日に佐竹大先輩主催の三陸鉄道「トレランス10号」ツアーに便乗させて頂き、大槌から久慈まで三鉄旅を楽しませて頂きました。久慈で一行と別れて、JR八戸線を北上し、私は本八戸で下車、青信号特派員氏はさらに八戸から大湊へ向かわれました。私は八戸で1泊し、翌26日に三沢空港から帰路につく予定で、約半日余りをレンタカーで八戸近辺を回るプランを立てていました。そのメインは八戸臨海鉄道の撮影でした。
まずラッキーなことに、八戸で泊まった八戸プラザホテルの6階の部屋からは、丁度本八戸駅と八戸線を見下ろせて、何の苦労もなく行き交う八戸線列車を撮ることができました。
本八戸駅は高架の交換駅ですが、高架路盤の幅は複線分あり、まだバラストが残されています。これは八戸漁港、魚市場への専用線の廃線跡だと思われます。さて、朝食もそこそこに、お目当ての八戸臨海鉄道の撮影に向かいます。八戸臨海鉄道は昭和45年(1970)に八戸貨物駅から北浦間で開業した8.5Kmの貨物専用3セク鉄道です。貨物の大半は北浦駅にある三菱製紙八戸工場から出荷される新聞用紙です。首都圏をはじめ東日本向けの新聞用紙の多くはここから出荷され、安定的な貨物量があります。八戸臨海鉄道では日に4往復の定期列車が設定されています。もう一つの魅力は、多分国内で唯一の現役のDD16が今も活躍している点です。工業地帯の中を行く路線ですので、風光明媚とはゆきませんが、まずは上り始発の12レを狙うことにしました。
場所は市内を流れる馬淵川(まべちがわ)の土手下です。コキ12両を従えてDD16303がゆっくりと通過してゆきました。現役のDD16を撮ったのは久しぶりでした。さて とりあえず1本がゲットできたので気を良くして、次は昨日久慈からの車窓で気に入ったJR八戸線種差海岸へ向かうことにしました。八戸・鮫間は列車本数が多いのですが、鮫から南は列車本数が少ないため、急がねばなりません。鮫から次の陸奥白浜の間には鮫角(さめかど)灯台があり、この灯台を入れて八戸線の列車を撮ろうと向かいました。
灯台も海も岩場も入れようと欲張った結果、場所探しをする余裕もなく、ご覧のような構図になってしまいました。灯台と列車だけにすればよかったと思っても、あとの祭り。仕方なく、再び八戸臨海鉄道を撮りに戻ることにしました。終点の北浦に12:36頃到着する15レと13:01に北浦を発車する16レを撮ることにして北浦付近で待ち構えました。ところが定刻を過ぎても汽笛も聞こえず、警報器も鳴り出さず、どうやら運休のようです。製鉄所や発電所と同様、休日のないのが製紙工場だという思い込みもあって、事前の確認もせずに待っていた私がバカでした。終点北浦あたりの景色だけをご紹介して終わりにします。
ということで、半日余りの八戸旅は終わりました。DD16303を撮れただけでも良しとしましょう。しかし、再びこの場所に立つことはないだろうと思いつつ・・・。
西村様
「トレランス」号の乗車、そのあとの八戸線の同乗、ありがとうございました。楽しい旅でした。八戸臨海、安定した用紙輸送でしたので、まさかの運休は心残りだったと思いますが、貴重なDD16列車を撮ることができて、良かったですね。私は本八戸で別れて、そのまま八戸まで行きましたが、中間の長苗代駅では、隣を八戸臨海と平行していて、バックは何も無く、ホームからちょうどいい具合に臨海線が撮れると見ていました。また八戸の到着直前に臨海線の車両基地があり、赤と青のDD16が休んでいるのが見えました。
総本家青信号特派員殿
結局本八戸と八戸間5.5Kmが未乗区間として残ってしまいました。しかし、佐竹さんのお誘いがなければ、三陸に二度も足を運ぶことはなかったかもしれず、津波被害の凄まじさや復興のスピードを肌で感じることはなかっただろうと感謝しています。もしトレランス11号が走ることになれば、5.5Kmに乗り、八戸臨海のリベンジを果たそうかと思っています。