二条駅 のすたるじあ

先日の投稿コメントにご感想を頂きましたので、平成元年(1989)の山陰本線二条駅の駅をじっくり観察した時の写真を出してみます。
今や梅小路蒸気機関車館も京都鉄道博物館の一部になり、その中のジオラマみたいな旧二条駅舎ですが、この頃は山陰本線の前身、京都鉄道のターミナルの風情や、広い構内に臨して青果市場があった名残りなども感じられました。

明治30年(1897)に開業し90年以上、この地に君臨した旧二条駅も撮影の翌年から高架工事が始まり、曵き家されて、1996年には梅小路に移築されました。

諸先輩の皆様の方がずっと思い出も多いと思いますが、現役最後の時代の風景をご覧になられてください。
撮影は北野の天神さんの帰りなので6月25日の夕刻です。


これは基壇部の通風口で、おそらく京都鉄道の紋章ではないかと思いました。


こういった和風木造の駅舎が、洋風煉瓦建築の作られた時代に、対極的に建築されたことは今の時代から見ると、非常に興味深い。これを設計した建築家の伊東忠太は、エキゾチックなオリエント風の本願寺の伝道院や、キッチュな祇園閣も京都で手掛けており、摩訶不思議な建築の生みの親でもありますが、二条駅は落ち着いた和風の美を感じます。


ここは元の一二等待合室でしょうか。当日は生け花が展示されていました。


大きな駅は昔は出札と改札が分かれて、それぞれに駅員がいて切符拝見していた時代の名残りかと思います。


夏の遅い夕暮れ。18時40分頃、下り列車が滑り込んで来ました。


気動車キハ58系急行車両の間合い運用の普通列車のようです。これも懐かしい車両になりました。


この木造駅舎の天井部ですが、寺社風の処理がされており、これも日本の古い時代の一部の鉄道駅にしか見られない構造だと思います。


大きな貨物ホーム上屋と貨物駅が残っていました。園部や亀岡方面、もっと遠くの綾部、福知山から多くの物資が京都に届けられ、大八車やトラックで賑わったことが夢の跡になっていました。


広い貨物線の跡も草ぼうぼう。


大きな屋根の向こうに西山に沈む夕陽が見えました。ここで働いた人々にとって、印象深い日の入りだったかもしれません。


旅客ホームの数倍ある貨物ホームの広さだけが取り残されて、ぬかるみを避けて石畳になった荷車たちの寄せられた場所の石たちが、静かに昔の思い出にひたっているようです。

 二条駅 のすたるじあ」への4件のフィードバック

  1. K.H.生様
    二条駅を取り上げていただき、ありがとうございます。
    旧二条駅舎は西の大関とも称される名駅舎で、これまでから写真集や雑誌等に紹介されましたが、駅舎の内部には触れられませんでした。まだ京都口にC57がいた頃、京都駅から30円の切符で二条駅まで乗車したものです。1989年の時点では多少手が加えられたものの、50年前の面影を色濃く残していたようですね。北側の待合室や、切符売り場に変化がありました。
    駅前の、しかも交番のすぐ前に大量に駐輪された自転車も、懐かしい駅前の風景です。南にあった貨物ホームの上屋が、この時期まで残っていたとは気が付きませんでした。京都市電が廃止された頃、バスの車内から2両の市電を見たことがあります。広島へ譲渡された1900形かもしれませんが、番号までは分かりませんでした。
    K.H.生様の写真を拝見し、忘れていた記憶の数々がよみがえります。
    1995年8月に正面入り口から撮影した、改札付近です。園部まで電化されていて、ホームの車両は113系電車に変わっていました。

  2. 1996年3月16日の高架切り替えを一か月後に控えた、2月11日の撮影です。旧駅舎の後ろには新駅舎の屋根が見えます。最後の仕上げを急いでいた頃でしょうね。

  3. 紫の1863様コメントありがとうございました。
    この日の二条駅の駅前に建っていた倉庫会社と、大変古い煉瓦倉庫の写真です。
    物資が貴重で高価なものであったからでしょうか。

  4. K.H.生様
    1994年に近くへ引っ越してきましたが、共同倉庫の事務所は気付きませんでした。レンガ造りの古い倉庫は残ってましたが、いつの間にか取り壊されてしまいました。その後新しい倉庫に建て替えられ、しばらく営業していましたが、今では観光客を当て込んだホテルが建っています。
    二条駅は貨物駅でもあり、付近には関連する会社が多くありましたが、いずれも姿を消してしまいました。
    レンガ倉庫の写ったネガを探したところ、市電を撮った中に一枚だけ見つかりました。ハーフ版のカメラで撮った見苦しい写真ですが、右手にレンガ倉庫が見えます。背の高いマンションが並ぶ御池通も、この頃はまだ瓦屋根の二階家ばかりでした。
    昭和45年12月28日の撮影です。

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