広島電鉄宮島口駅が7月2日に移転、開業しました。早く見に行かねばと思いつつ2週間が過ぎた7月17日に訪ねてきました。
令和4年7月17日 広電宮島口新駅
そもそも新駅建設のきっかけは、世界遺産の宮島への観光客が増えたことによって宮島口港を近代的な旅客船ターミナルに作り替える事業があり、その港の完成を受けて、より乗換えに便利な場所に新駅を作ることになったのです。旧宮島口駅と新宮島口駅の配線図です。NotScaleです。
新旧配線図
元の宮島口駅は3面3線で、3本の留置線を有していました。新駅は、一つ手前の宮島ボートレース場の臨時ホームを出たところで、海側にカーブして進み、新しい旅客船ターミナル前に作られました。6面4線と3本の留置線です。全体を大屋根が覆い、開放的な終端駅となりました。基本的に路面電車ですから、改札口も切符売り場もありません。おもしろいのは、乗り場の名称をアルファベット表記にした点です。
プラットホーム名はアルファベット表記
Cホーム、Dホーム端にある緩衝器
Dホームから構内を望む
E,Fホームの先にある2本の留置線
Aホームからの眺め ホーム上にはベンチなどもなく、非常にシンプル。
折しも、最新型の5205が入線してきました。
最新車両の5205が到着
5205に付けられた記念のヘッドマーク
旧駅から新駅への切り替えは、7月1日（金）の最終電車を見送った後に始められ、2日（土）の始発から14：00頃まで、宮島口・JA広島病院前間は代行バスが運行されました。JA広島病院前には渡り線があるため、広島からの電車はここで折り返し運転でした。その間に線路の切り替え、各種保安設備の点検などが行われ、14：00頃に新駅で開業式が行われ、栄えある1番電車がこの5205だったようです。また記念乗車券は特製の宮島しゃもじだったそうで、瞬く間に完売だったそうです。
さて開業から2週間経っていますが、旧駅は撤去、解体工事が進んでいました。架線は撤去されていましたが、レールはまだ残っていました。
旧駅の様子。手前2本の線路は旧留置線。
同じ場所の反対方向。2本の留置線跡。
対向2面の旧ホームを望む。厳島神社を思わせる朱塗りの柱がなつかしい。
解体工事中の旧駅舎
宮島口港旅客ターミナルの様子もご紹介します。国鉄宮島航路の流れをくむJR西日本宮島フェリーと広電系の宮島松大汽船の2航路がそれぞれの桟橋を持っていました。それが新しい旅客船ターミナルに集約されました。
JR西日本フェリーの乗り場
左側が松大汽船、右側がJRフェリー。JRフェリーには自動車も載せる。
広電新駅と同様、開放的な新港ターミナル
新駅、新港の周辺はまだ道路や駐車場などの整備工事が進行中でした。旧駅跡は駐車場になるとのことです。広電新駅や新旅客ターミナルに比べて、JR宮島口駅が色あせて見えるのは私だけでしょうか。
JR宮島口駅正面
さて、このあとはJRで宮島口へ往復した途中にたまたま出くわした列車の写真です。
10：16 西広島駅で停車中の下り「瑞風」
11：50 横川駅で停車中の下り回送DC
同上
16：02 広島駅に到着の上り回送DC
観光客の増加を見込んでリニューアルされた広電宮島口駅を短時間ですが見てきました。一方の終端駅 広島駅前ターミナルも大工事が進行中です。新駅ビル2階に広電が乗り入れることになり、駅前の光景は画期的に変わる筈です。これからも目が離せません。
２００８年夏に広島市民球場と０系新幹線のお名残りで広島に行った際、厳島神社にもお参りしました。桟橋は船上から撮影しましたが、広電宮島口駅も撮っておけば良かったです。
その際、試合時間の兼ね合いもあり、広電乗車は断念し、JRで広島に戻りましたが、JR宮島口駅に新幹線開業前の痕跡があり、感動しました。今でも残っているのでしょうか？
宇都家様
コメントありがとうございます。JR宮島口駅にそんな表記が残っているとは知りませんでした。広電宮島口駅周辺はまだ整備工事が進行中のため、すっきりしたら再訪しようと思っています。また広島駅前の変貌も記録しておかねばならず、時々は出かけようと思っているところです。フォローしてみます。
客船ターミナル立派ですね。観光客も結構戻ってるのでしようか？「しおじ」もありました。
本によると、あと「かもめ」の文字もかすかに残っているそうです。宮島口の繁栄ぶりが分かりますね。あと、ホームに貝殻が散りばめられているそうです。ホームの造成時、意図的に埋め込んだものか、付近の砂岩を使って意図せず貝殻が入ったのかは不明ですが、嵩上げされていない端部で見られるようです。