2023年夏、台湾再起動(その5、北上)

8月1日(火)
2日の朝には桃園を出るので実質の最終日は1日となる。高雄から西部幹線を海線経由で台北まで北上し、もっと奥の三貂嶺での撮影まで行う欲張りな一日となるがどこまで出来るかは未知数である。
もともとはゆっくりと高雄から台北まで莒光号を乗り通し、客車列車を堪能しようか、と思っていたが、日程が短いのと根が貧乏性であれもこれも、旅程にあれもこれも、と突っ込むので、昼行客車急行長時間乗車は次回以降の宿題にしておく。もっとも2024年には定期客車急行の莒光号廃止との情報もあるので「なるはや」で実現せねば、と思う。

台中港駅で入れ替え中のR21とR22

先ず高雄からは新自強110次で彰化まで向かう。昨晩の飲み会で台中港貨物に9時半のスジがあると聞いたが在来線では間に合わない。それでも往きがあるのなら帰りもあるだろう、くらいに気軽に考え、とりあえず行ってみることにした。
新自強で彰化には8時44分に着き、普通電車に乗り換え台中港に降り立つと、一昨日、彰化の扇形庫にいたR21、R22ディーゼル機関車が繋がってドドドドと轟音をたててセメント貨車の横で入れ替え作業中であった。これで貨物運行はあると確信した。台中港貨物の撮影地は、駅からしばらく歩いたところの腕木式信号を背景に入れたカーブが定番だが、駅を発車していく場合は後追いの写真になってしまうので撮影場所を物色しに歩いていく。すると踏切が甲高い音をたてて鳴り出した。もはや場所を探している時間はないのでベストポジションとは言えないが踏切で何とか撮影をこなす。

台中港貨物列車

こうなると欲が出てくるもので港から駅まで返ってくる列車が必ずある筈。しかし、貨物を撮るために粘ると、当初考えていた海線の巨大風車をバックに莒光号を撮るのをあきらめることになるが、ここは客車急行撮りを優先させることにした。結局、台中港で時間をかけたことで風車バックに後龍、崎頂あたりで莒光号を撮る時間は、無くなってしまった。どっちつかずになってしまい満足度が下がる結果になったが、台中港の隣の清水のホーム端で七堵行きの510次と新左営行きの511次を撮る。2023年8月現在、海線経由の莒光号なら日中時間帯で今なお667次、571次、521次、510次、516次、554次とまとまって撮ることが可能である。これも新自強EMU3000型と新型通勤電車EMU900型合わせて1000両超が全て投入された時点で早晩撤退となることは想像に難くない。早めに撮影ないし乗車されることをお薦めしていく。


莒光号七堵行510次 清水

莒光号新左営行511次 清水

清水を13時7分に出る新自強120次で終点の七堵まで向かう。清水ではコンビニしかなく、昼時間帯の列車なので車販の弁当でも、と考えたのがいけなかった。以前は、どの列車も「ビエンタン(弁当)、ビエンタン」と大きな声を出して売り歩く車販がいたのが、この3年でだいぶ減っているようである。一昨日の自強号では車販を見かけたので日本のように無くなる訳ではないだろうが、もしかすると新自強には車販はないのか、この辺りの事情が判れば是非情報提供を頂きたいものである。兎にも角にも終点の七堵まで車販は現れなかった。七堵には15時49分に着き普通電車に乗り替える。三貂嶺に向かう途中で、立て続けに貨物列車とすれ違う。そのうち一本は最新鋭のスペイン製ディーゼル機関車R200が次位にE300型電気機関車を従えていた。

新自強434次新左営行 三貂嶺

三貂嶺トンネルの前で貨物列車を撮る。編成が短かったので残念ながら最後尾の補機はついていなかった

最新鋭EMU900も進出

自強177次E1000型斗南行

平溪線のディーゼルカーDR1000型

三貂嶺に着くとこれまでの晴天が打って変わって雨混じりの荒天に変わった。この辺りはいつもスカッとしない天気が多い。三貂嶺のホームでカメラを構えていると、駅員から改札の外に出るよう促される。TRパスを見せても無駄だった。以前はホームで長く粘ることが出来たのだが、何か取り扱いが変わるようなことがあったのかどうかは判らない。残念だがどうしようもないので、三貂嶺トンネルの手前、東部幹線と平溪線が分岐する地点でカメラを構える。雨が降ったり止んだりの中、貨物や自強号などいくつか列車を撮った後、莒光653次で台北19時12分着。翌2日は、朝から桃園を出て成田経由伊丹着で大阪に帰り着いたのは夜だった。欧米に行くのなら東京経由全然OKとなるのだろうが、何とも割り切れない行き来となった。次回は直行便で行く。ステンレス製の通勤電車が台湾環島を走り、以前追いかけていた車両群もかなり消滅してしまったが、台湾の風光明媚な景色や風土は変わらない。まだ客車急行莒光号、貨物列車、ナローゲージなど魅力的なコンテンツもあるのでまた再訪していきたいと考えている。(おわり)

莒光号客車の車内

その4

2023年夏、台湾再起動(その5、北上)」への2件のフィードバック

  1. お帰りなさい。撮影にはもってこいの晴天続きで良かったですね。短期間に結構回られたなあと感心しております。私も数日後4年ぶりにデカンショまつり号氏と台湾に参りますのでとても参考になりました。撮られた藍皮解憂號觀光列車は乗車するように予約をしました。運賃は3倍にもなりましたが食事他のプレゼントもあるようですので期待しています。
    今回は高雄や台北のLRTが延伸なったようですのでこちらを楽しみにしています。次回、また台湾に行かれるようでしたら是非にお誘いください。

    • ぶんしゅうさま
      コメントを頂戴し大変有難うございます。
      実は今回、台風5号の影響を受け、日程をずらしましたが、訪台中はほぼ天気には恵まれました。今にして思えば3日間、だいぶ精力的に「乗った」かも知れません。出来れば、年明けに虎尾のさとうきび列車は撮りにいきたいと思っております。日が合えば是非よろしくお願いします。数日後の台湾行きのぶんしゅう旅日記も楽しみにしております。どうぞ気を付けていってらっしゃいませ。当方のツアー記録はずっと拙いものですが、めげずにこれからも投稿していきたいと思っております。引き続きよろしくお願いします。写真は、今回乗った優等列車の切符。

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