【 ホーチミンメトロ 】
ホーチミンにはフランス統治下時代の1880年にフランスから輸入建設された蒸気機関車牽引による路面電車がありましたが1957年に廃止されて以降は車とバイクが市民の足となっていました。現在の人口は約900万人と東南アジア有数の世界都市ですが大気汚染と交通渋滞が社会問題化してきました。この問題解決のために高速都市鉄道8路線、路面電車1路線、そしてモノレール2路線を整備する計画が立てられ最初に完成したのが日本企業が共同事業体を組んだ1号線です。
当初は2018年運行予定でしたが2020年に延期され、その後コロナ騒動もあり1年遅れて2021年初めの開業、そして2021年末⇒2023年以降⇒2024年7月とズルズルと延期が続き、ようやく2024年12月22日に10年遅れで、ようやく開業しました。
総延長は19.7km、軌道 1,435mm、電化方式 直流1500V架空電車線方式、最高運転速度は110km/h(高架区間)、80km/h(地下区間)、運行時間: 5時〜23時30分、表定速度: 66.8km/h、各駅停車時間: 30秒、地下駅は3駅、高架駅は11駅です。次の空港を結ぶ2号線が工事中ですが2030年ころになるとの予測です。煩雑な行政手続きなどによる工期の遅れ、日本企業への工事費支払い遅延などが主な理由と言われています。
ベトナムには既に首都ハノイで中国とフランスが支援開業したMRTが走っていますので3番目の都市高速鉄道になります。今回の旅の目的はこれら3本のMRTを見て乗って体験する事でした。
第2日目 2月17日 その2
食堂で一服した後はベンタイン市場の見学です。日常品からお土産物品の他に食堂まであります。買いたい物もありましたがまだ1日目です。荷物が増えると復路のベトジェットの手荷物持ち込み制限7kgオーバーになり追加料金が発生しますので避けなければなりません。見るだけに済ませて今回の旅の目的だったホーチミンMRT視察のためベンタイン站に向かいました。只今の外温は30℃と南国らしい暑さです。服は脱いでリックサックに入れました。半袖Tシャツ姿でないと凌げません。
▲ パンフレットに掲載されていたベンタイン駅付近の俯瞰写真です。写真中央の赤い屋根がベンタイン市場、その下がホーチミン市公園です。公園中の地下にMRT駅がありますが広い構内に出入口は6カ所しかなくエレベータも1基だけ、上りエスカレータはありますが下りはありません。私のような高齢者にとっては最新の駅設備としては不満です。日本だったら利用者から苦情が出るのは必至ですね。
▲ メトロ1号線でのハイライトでありシンボルと見なされていますベンタイン駅の「蓮の天窓」。垂直方向から見上げると、天窓は蓮の形をしたデザインになっていて、隣に緑のエリアも蓮の花の形をしており、風景とシンクロしています。85枚の強化ガラスパネル、屋根、下のガラスドアで天窓は建築されました。アイテムの下部は基本的に、外からの光が地下駅に差し込むように仕上げられています。
▲ ベンタイン站の立体図です。ご覧のように地上との出入口は6カ所のみエスカレータ、エレベータも少なく高齢者にとってはとても広いコンコースだけに移動が難儀な駅構造です。
▲ 公園内の出入り口ですがスペースは十分ありますのに下りエスカレータの設置はありません。台湾の高雄地下鉄駅には上下エスカレータが設置されていましたので残念です。ここにも駅員が座っていましたね。どんな案内をしているのでしょうか。
▲ 下りたB!のコンコースは広く清掃も行き届いています。
▲ 自動切符販売機にいきますが全て稼働していません。有料化初日よりシステム障害が発生して手書きの切符を使用することになったそうで解決は5月とのんきな話です。対面でのきっぷ発行には一人約2分を要するそうで有人窓口には長い行列ができてしまうそうです。きっぷを購入された方でも改札口のQRコードリーダーの反応が悪く、何度もスキャンする必要がある場合が多くあるようです。
駅では待ち時間を避けるために、より迅速で便利なHCMC Metroの切符購入を案内していますが、遅れての開業の間にどうして解決しておかなったのでしょうか。
この辺りの状況は聞いていましたのでマスターカードを急遽手配したわけです。おかげできっぷ購入の必要性はなくスムーズに入場できました。
予想した通り改札出口はスムーズな通過はなく混みあっていました。駅員も待機しています。利用する市民もまだ自動改札機に慣れていないので初期トラブルと思うしかありません。
▲ これはVikkiGOのキャンペーンです。メトロの決済システムに接続された最初のデジタル銀行カードだそうです。右下にマスターカードのマークがあるように国内外での買い物もできます。
しかしベトナムに銀行口座のない我々外国人に発行されることは無理でしょうね。
▲ 運賃表です。乗車区間の営業キロを乗じて運賃額を計算する対キロ制が採用されています。最低は7Kドン(42円)から最高20Kドン(120円)となっています。
▲ これもパンフレットにあった開業した1号線ベンタイン~スオイティエン (19.7 km)の路線図です。右下に乗車券らしいのが掲載されていましたが手に入れられませんでした。と言いますのも自動券売機はネット回線が不良で稼働できず止まっています。今年5月までは働かないそうです。そのために友人窓口は長蛇の列です。
自動改札機を利用できるのはマスターカードのみです。あらかじめこの情報は仕入れていましたのでこの旅直前にハノイ空港のラウンジでも利用できるようにとプレミアルカードと合わせて申請しておきました。直前の決断で間に合わないと諦めてはいましたが自宅に届いたのは出発日で早い発行にびっくりしました。
① ベンタイン 9:06(MRT)⇒ 9:41 スオイティエン
▲ 9:06 構内設備のチェックは後からでもできますので早速ホームに下りて列車を見ることにしました。日立製作所製の3両編成の列車が入線してきましたのでこれに乗り込みました。平日の9時過ぎですがほぼ乗客が座れるほど空いていました。
▲ 乗車35分で終点スオイティエンに到着、乗り心地は日本製ですので快適ですが問題はシートです。ホーチミンMRTではFRP製ですので阪急電車のようなアンゴラ山羊の毛を採用、柔らかい杯バネの入った日本一のシートとは雲泥の差があります。短い区間なので我慢するしかありませんね。高架駅ですので下へ降りてみました。
▲ 清掃の行き届いた綺麗なコンコースですが、やはり自動券売機は止まったまま、有人窓口も何やら補修工事をやってます。
▲ スオイティエン駅舎の全景です。近くには郊外へと向かう東部バスステーションがあります。
▲ トイレは日本INAX製ですがさすがにウオシュレットではなかったですが、ハンドドライアーの設置はありました。
▲ 9:56 10:00発の列車で折り返しです。ここでの乗客はわずかでベンタインへ戻りました。
「ベトナムのディズニーランド」と呼ばれている「スイティエン公園」近くの站にも行きたかったのですが次回にして トップ画面を撮りたかったハイテクパークで下車です。
② スオイティエン 10:00⇒10:05 ハイテクパーク
▲ 10:11 各ホームには2名づつの駅員が配置されていて、これを撮影した時にはこちら側に列車が入選していないのにドアに近付くと警笛を鳴らされました。ホームドアの設置があるにもかかわらず視覚障害者誘導用ブロック から線路側へ出てはいけないそうです。他の站でも撮影に挑みましたが神経質なほど警笛の連呼です。何のためのホームドアかと思いましたがベトナム流に合わせなければと思い以降はブロック前にての撮影としました。
10:28 再度乗車してトゥドゥックに到着です。珍しくX型のクロス渡り線が手前に設置されていました。
▲ 10:45 トゥドゥックに入線してくるベンダイン行きの電車。
▲ 各駅緒のホームには駅名版の設置がありました。
この後は各駅に降りてみましたがホームの配置等々殆どが同一設計で各駅の特徴はありませんので飛ばさしていただきます。
③ ⇒12:59 ベンタイン
【 海鮮食堂でぼったくりにあった 】
朝飯は夜行便で5時過ぎに提供されていましたのでお腹も空いてきました。ベンタイン市塲なら安くておいしいものがあるかなと覗いてみましたがあいにくと満席です。仕方なく市場横のよさげな海鮮料理屋に入ってみました。昨夜殆ど寝ていなかったのでボケけてもいましたので美味しそうに見える海老料理を注文しました。
お味は中々でビールも2本飲んで堪能しましたが、お会計をするとビールは2本で46,000ドン(138円)ながら海老料理には 623,000ドン(3,738円)もの請求です。値段設定に合う味ではなかった。高かったなあと悔いましたが注文時に値段を確認しなかったのが悪かった。今日は疲れていた、勉強にしようと諦めることにしました。
【 今度はGoogleMapに騙される 】
14:20 食後、ぼったくり食堂から今日から3泊するJan Hostel Central Pointまではどういったらいいのかと店のWiFiを利用してIpadのGooglr-Mapに聞いてみました。
すると距離は1㌔、所要時間は徒歩15分との案内です。これなら倹約のために歩こうと決めて向かいました。ところがホテルへと向かっているにもかかわらず所要時間は減るどころか増えてきます。途中からは適当に店に入ってこのホテルはどこにあるどういったらよいのかと聞きまくりました。
14:50 徒歩15分なんて嘘っぱちでした。たっぷり30分は歩いてようやく到着です。
▲ チェックインには早すぎるかなと思いましたが大丈夫ですよとウェルカムフルーツの提供があり、美味しく頂かせていただきました。
お部屋の宿泊料金は2,660,121ドン(15,961円)、市内中心部にあり繁華街も近くて便利でした。スタッフの対応も良くてコスパのよいホテルでした。
早速部屋に入ってシャワーを浴びて汗を流し落としました。これでバスタブがあれば最高なんですが、ベトナムのホテル代は安いので次回はもう少しアップグレイドしても良いかなと思いました。夕方からは繁華街からの爆音が聞こえてきましたが疲れがドッと出てきて爆睡体制に入りました。
Part 6 へ続く