最近、海外鉄道撮影に同行させていただいておりますO氏より、海外鉄道撮影では名高い神谷武志さんがインドネシアのサトウキビを運ぶ蒸気機関車撮影ツアーを企画されておられるので行ってみないかとお誘いを受けました。
若かりし頃はアウトドアが大好きで、家内と子供たちをワゴン車に乗せて毎月数回はオートキャンピングに出かけていました。特に夏は毎年、鳴き砂で有名な丹後半島琴引浜でのテント生活を1週間も続けるほど熱くなっていましたが、老いるとともに、茹だる暑さと蚊が苦手になってきました、ひ弱な私です。
最初は、乗り気はなかったのですが、この時期のネシアは、乾期で蒸し暑さも少なく、蚊も日中は行動しないと聞き、クーラーの効いた部屋に引きこもり生活では身体に悪いだろう。八月は高校球児と同じく熱くならなければとならないと思い直して、O氏に参加の意思を伝えました。
7月5日、渋谷で壮行会が開催されましたので行ってみますと、何と巨匠の広田尚敬先生が参加されておられてビックリしました。他の参加者の方々も海外鉄道撮影のベテランばかりで、頼もしい猛者集団です。これは前回の小竹直人先生企画ツアーに続いて、すごく勉強になるなあと期待が一気に膨らみました。
約18,100の大小の島々からなる、世界最大の群島国家インドネシア。人口は3億3,000万にもなるそうです。
イスラム教徒が多く、訪問しました時期は丁度日の出から日没まで断食する ラマダン(2012年は7月20日~8月18日)でした。
第1日目 8月4日
① 長岡天神 6:20(阪急)→6:47 十三 6:51→7:01 蛍池7:06(大阪モノレール)→7:09 大阪空港
② 伊丹 8:15(JL3002)→9:35 成田 10:50(JL725)→16:35ジ ャカルタ
③ ジャカルタ空港17:20 (チャーターバス)→18:00 GAMBIR駅
④ GAMBIR(ガンビア)19:30(36列車)→23:33T EGAL(テガール)
関西空港からの直行便はありません。当日は、伊丹から成田でトランジットして、先発するツアーA班と合流してジャカルタに向かいました。A班は、広田先生、神谷さん、I・Mさん、K・Jさん、K・Yさん、W・Hさん、O氏と私の計8名です。成田からのフライト時間は、7時間45分とハワイと同じです。CAさんに聞きますと、今日の便は、往路の空席は1席だけで、乗り継いでバリ島へ観光に行く日本人家族連れや若い女性客で一杯でした。復路は、約半分の搭乗率だそうです。
機内食は、チキンカツカレーとサラダ類です。伊丹、成田とラウンジでビール・日本酒を、機内でもビール、ワイン、ウィスキーロックでフルコースしてきましたので、食後は直ぐに就寝して、長いフライトも苦になりません。
▲ インドネシア入国には、ビザが必要です。25米ドルを支払ってイミグレへ、混んではいましたが、全員問題なくに入国できました。
▲ 到着ロビーに出ますと、20軒以上の両替所が並んでいるのには驚かせられました。皆さん笑顔で手招きして向かえてくれます。インドネシアの通貨はルピア、今日のレートはどの両替所も100円→11900ルピアで同じでした。私は、いつものようにATMで500000ルピア(約4191円)をキャッシングしました。少ないようですが、今回は12日間で、交通費(鉄道、国内飛行機、チャーターバス、撮影チャーター列車、但し国際線飛行機代は別途)、ホテル代(2人1室)、飲み放題・食べ放題で、144,000円の神谷さん苦心の格安ツアーです。自己払いは、ホテル等のチップ代とお土産等の個人的費用だけなので、これで十分とか、年金生活者には大助かりです。
▲ 空港前には、中型チャーターバスがお待ちでした。夕暮れ迫るジャカルタを渋滞なく快走して約40分で、乗車する長距離列車の始発駅のGAMBIR駅に到着しました。
▲ 駅の改札口前に切符売場がありましたが、並ぶ客はわずかです。売店もありましたので時刻表を求めましたが、売っていません。インターネットで検索はできますが、一般の客はどのようにしてダイヤを調べているのでしょうか?
乗車時間まで十分な時間がありました。この間、通勤・長距離列車が発着するのですが、ホームには発車時刻表はなく、車両にも行先表示板がありませんので、どこに行く列車なのかサッパリ分かりません。乗客は、車両ドア前にいる列車乗務員に自分が乗る列車かどうかを聞いています。日常会話はインドネシア語ですので、今後に単独で来て、乗り鉄するにはかなり困難ですね。
▲ インドネシア国電は、日本で走っていた中古の通勤電車です。行先表示板は、そのままで残されていました。電車マニアには、たまらんでしょうが、殆どが関東の車両です。関西人には、なじみがありませんのでどこを走っていたのかよく分かりません。
クーラー車が多く、乗車する列車を待っている間頻繁に発着していました。時折無停車で通過するのは非クーラー車で、屋根には、ネシア国鉄名物の無賃乗車客が 乗っていました。初めて見ましたが、スピードもあって危険です。わずかな運賃に命をかけての行為とは思えませんでした。
▲ ガンビアからテガールまでの切符です。自力で買った経験がありませんので購入方法等は説明できませんが、Special, Eksekutif, Bisnis, Ekonomiと4クラスがあるそうです。我々が乗車したのは Eksekutifのようで、乗車30分後には、美人アテンダントさんが食事の注文を聞きに来てくれました。但し、ビール等のアルコール飲料はありません。
▲ 皆さんメニュー表が分かりません。適当に頼んで、最初に出てきたのはハンバークでした。味は、まずまずだったようです。隣の車両が食堂車でしたので行ってみますと、笑顔で歓迎です。本格的な厨房ではありませんが、一生懸命作ってくれていました。
▲ 食堂車中央には、カウンターがありました。乗車車両にはテーブルがありませんので、膝に乗せて食べるしか方法がありません。これでは、熱い注文品を食べられないので、カウンターで食べることにしました。注文した肉団子入りの麺は、インスタントラーメンです。スープは、かなり塩辛く濃厚でした。
▲ 下車駅テガールまでは、約4時間の乗車です。車両は2+2のリクライニング車両。皆さんは、空いていたので、食事の後は、列車乗務員が持ってきた薄いぺらぺらとした布ふとんをかけてシートに横になっておられました。
▲ 途中停車は数駅ありましたが、駅名板はホーム中央に1つしかないので、確認できません。車内販売がない代わりに、とある駅では、駅弁やお菓子類を売りに来ましたが、車内には入らずデッキから大きな声を張り上げて呼びかけます。試しに1つ買ってもらいました。ご飯の上に鶏の手羽のから揚げと、春巻きのようなものがのっていました。味はまずまずといったところでした。
▲ 定刻より少し遅れて、深夜の23時46分にテガール駅に到着しました。直ぐにチャーターバスに乗って、ホテルには23時59分着。日本との時差は2時間あって、日本時間は、翌日の1時59分です。長い1日目がやっと終りました。 Part2へ続く