虎尾を訪問した2日後、この日も早起きして午前中烏樹林休閒園区に行った後、新営鉄道文化園に行きました。この2箇所はいずれも最寄の駅は新営で、ここ新営鉄道文化園は台鉄の駅から歩いて10分ほどの場所にあって、観光糖廠の中では一番行きやすい所ではないでしょうか。台鉄の線路を左に見て歩いていくとヤードがあり、そのまま糖廠へと続いていきます。五分車乗り場の横にある芝生には1979年まで使われていた350号、382号の2台のSLとDLも並べられています。
訪れた他の糖廠は製糖工場施設や、歴史を紹介する博物館のようなところがあるのですが、ここは、売店があるだけで、車両の展示以外には見るものはあまりありません。観光列車の乗り場の周囲はヤードになっていて、もう使われなくなった貨車がそのまま放置されていました。
観光列車は土日に9時の1便から16時の最終便まで1時間毎に8便が運行されています。糖廠を出た列車はしばらく走ると大きくカーブして橋を渡ります。この川はそんなに大きいものではありませんが、鉄橋は立派なもので、糖廠から歩いていけそうな距離にあり、ちょっとした撮影ポイントになるのではないでしょうか。また、横には沈下橋という珍しいものも見られました。
川を渡ると道路沿いに走り、終点の八老爺站までは約30分、終点には乳牛の家というのがあり、乳牛が飼われていて、売店と古い客車を転用したレストランがあります。
パンフレットによると乳絞りの体験もできるようで、そのためここには駐車場があって、観光列車に乗らない人も車でやってきます。
折り返しまでは23分の休憩がありますが、この半端な休憩時間は途中で上下列車の交換があるためそれに合わせているようです。
この日は日曜で私の乗った14:00の便は子供連れでほぼ満員の盛況、他の観光列車と同じようにマイクを握った説明員が乗っていて、運転中ほとんどしゃべり詰めで歴史や沿線の説明をしているようでした。
サトウキビ列車の復活の最初だった烏樹林休閒園区の成功に続き、いくつかの糖廠で観光列車として復活しましたが、運行の形態はどことも同じようなものの、場所によって人の集まり具合はだいぶん違います。運行を停止したところもあり、前途は決して楽ではないようです。
ところで、今回糖廠を訪問するに当たり、場所を確認しようと、10年ほど前に台湾で購入した地図を引っ張り出しました。これには台糖の鉄道路線が書かれており、雲林、嘉義地区には網の目のように敷設されています。
虎尾のある雲林県の地図の中の鉄道マークで、右上から左下へ斜めに走っている台鉄の西部幹線と、嘉義から出ている阿里山森林鉄道以外はすべて台糖のサトウキビ列車の路線です。この中で現在残っているのは、虎尾から西に10数キロの間だけ、改めてサトウキビ列車の急激な衰退を感じました。