C58239 1967年の雄姿

去る4月12日、釜石線・花巻-釜石間で、動態保存C58239牽引のSL銀河が運転開始されました。読者は新聞、テレビ、Uチューブ等で既にご存じのことと思います。
C58239は1972年の廃車時以来、盛岡市の交通公園に保存されていました。2012年復活に向け解体、ボイラー修復などを経て、2013年復元。2014年初めより試運転を開始、今日に至りました。この間の一部始終が、動画、静止画で相当詳しく説明されています。 盛岡鉄道管理局の、C58239復元作業の記事一覧をご覧ください。

復元、動態保存の姿はそちらに譲り、ここでは現役時代の雄姿のみにします。写真が3枚ありました。当会OB会奥山直秀さんが2枚(フィルムを筆者鶴が預かっています)のモノクロ、筆者のカラーです。

▼当会OB会員奥山直秀さんは、1967年の盛夏、北海道各地の機関区をめぐり、帰りに青森、盛岡、平機関区に立ち寄られていました。その盛岡機関区でのカット。
宮古機関区所属のC58239が駐機していました。1967年8月15日、盛岡機関区。C582392

▼ C58239【宮】  1940年川崎車両製造、製造No.2321
現役時、集煙装置を装備していましたが、復元機にはありません。またシールドビームの取り付け位置は、現役時代と変わらぬ位置取りです。交通公園保存時にはこれよりやや高い位置に取り付けられていました。 C582391

奥山さんは全国各地の機関区を巡り、蒸気機関車各種を撮影、保存されています。まだ全部完成はしておりませんが、それらが『奥山さんの機関区めぐり』として、C59、C60,C61,C62を、またC57の第4次車両をご覧いただけます。ネット上で、同名を検索して、webページでご覧いただけます。これまで未訪問の諸兄は是非ご訪問ください。

また奥山さんの写真は、C6120復元動態保存開始時、一ノ関駅で撮影された現役時代の雄姿が、雑誌『トレイン423号』に大きく掲載されたことがあります。

さて次は、筆者の番。奥山さん撮影時と同年の正月。山田線・区界駅付近での撮影。
▼ 山田線・区界-松草間(区界駅近く) 貨685列車 機C58239【宮】 1967年1月2日C3416

撮影日、時に小止みになりますが、終日前夜から続く吹雪でした。雪はサラサラですが、深く積もった線路脇は歩行困難。仕方なく朝から駅近辺での撮影。吹雪の中でC58重連が曳く貨物の画像はライトが輝き、列車の姿はうっすらですが、雪中の好きな画像の一つです。 小止みになり雲が少し切れた午後、区界峠を登って来たのが、C58239曳く貨物でした。ライト点灯、黄金色のナンバープレートを輝かせ、雪煙で後方は見えず仕舞い。通過後はこちらが巻き上がった雪をかぶる始末。

山田線・宮古機関区には、16両のC58が在籍して、山田線、小本線などを担当していたようです。宮古-釜石間は震災でいまだに復活できずですが、早期の復活と、盛岡発盛岡行きのような周回列車の運転を待っています。

この後、68622が押すラッセル車を駅で撮り、花輪線に向かいました。この68622には、2日後、花輪線の『臨時銀嶺号』を曳いており再会でした。同一機関区所属機を別の線区で撮影も過去に2度ほど経験がありますが、なんだか嬉しい、懐かしい気がします。

さて、復活のSL銀河の運転は、山田線(盛岡-宮古間)でなく、釜石線(花巻-釜石間)です。日本で第三番目に古い鉄道の釜石線(釜石-陸中大橋間、838mm軌間、3年後廃止。その後再建)。仙人峠越えの鉄道建設には多年に及ぶ幾多の困難があり、それらを図式に整理した筆者制作、釜石線建設の歴史PDFは、筆者のweb ページ『蒸気機関車山路を行く』にあります。そちらもご覧ください。

沿線には名物名所が沢山、岩根橋のコンクリート製アーチ橋、鬼が沢のトラスト橋梁、陸中大橋の、たこトンネルなど。今は撮影不可能でしょうが、鬼が沢橋梁では眼下に、先ほど通過の列車を再び、しかも逆方向に向かう姿を見下ろすことが。その反対に、仙人峠を登ってくる列車を見下ろした数分後、たこトンネルで180度Uターンしてきた列車に再会できるなどなど。

何年後かに時間を作り、再訪したいと思います。勿論C58239と半世紀ぶりに再会も。

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