ライン川周辺のトラムめぐり(その1)

5月28日~6月9日までドイツに行って来ました。何年かに一度行なわれるダンプスペクタケルという蒸気機関車の本線走行のイベントに、ぶんしゅう先輩が行かれるということを聞きつけ、御一緒させて頂きました。但し、イベントの方はすでに車で追いかけをされるのにメンバーが決まっていたため、前半は一人旅、後半ぶんしゅう様と合流し、旧東ドイツの保存蒸気を廻ってきました。

ライン=ルール運輸連合

ドイツには様々な運輸連合があり、地域内の公共交通事業者が連合体を形成しています。今回訪れたデュッセルドルフを中心にラインルール地方をカバーするライン=ルール運輸連合(略称VRR)はドイツだけでなく、ヨロッパ最大の運輸連合です。

VRRの範囲(DB分)

VRRの範囲(DB分)(VRR HPより転載)

約7300k㎡,780万人の人口を持つ域内には約15300kmの路線があり、利用客は年間12億人、ドイツ国鉄DBを含め、39の輸送会社によって構成されています。特徴的なのは切符がすべて共通で、1.5kmまでのShort Tripから始まって市内程度のレベルAから域内どこでも使えるレベルEまで6種類の切符があります。運賃表

「大人片道切符の運賃、時間内乗り換え自由」(VRR HPより転載)

使用時間

「各切符の使用できる時間」(VRR HPより転載)

1日乗車券

「一日乗車券の種類、5人一緒に使えばC以上では片道切符より安い」(VRR HPより転載)

また、定期券、一日乗車券等様々な種類の切符が発売されています。旅行者に便利なのは1日乗車券で、域内どこでも使えるレベルEは€26とたいそうお得な値段設定となっています。関西でもスルッとKANSAI「3dayチケット」などがありますが、これにJRの関西1dayパスがついたようなもので、使える路線の距離、範囲も圧倒的にVRRの方が優れて年中使えます。

ところで、私はデュッセルドルフを基点に1日半をこの地域のトラム、Uバーンの乗り鉄、撮り鉄に宛てていましたので1日乗車券を2日分買う予定をしていました。到着の翌日ホテルのフロントで一日乗車券はどこで買えるのかと聞いたところ、ここにあるよと何やら取り出し渡してくれました。見ると、ホテルの名前の入ったカードの裏にVRRのマークとチケットらしい説明が書かれていて、日付と私の名前を記入すると、そこに透明シールを貼って渡してくれました。日付は2日間書かれていて、いくらだと聞くと何と無料だというのです。半信半疑で念のため駅前でトラムの運転手にこの切符は使えるのかと聞くと、チケットを眺めて、使えると言ってくれました。翌日ホテルで聞くとこの切符はすべてのホテルの宿泊客がもらえるのではなく、VRRと契約したホテルの客に限るということで、デュッセルドルフでは20軒ほどあるとのことです。私の泊まったホテルは駅近くのHotel Bismarckで1泊€57とそんなに高いホテルではないものの部屋には無料のフルーツが置かれ、フロントの横にはこれも無料でいつでも食べられるケーキ類があったりしてお徳かと思います

ブッパータルの空飛ぶ電車

デュッセルドルフの東にあるブッパータルには1901年にできた世界最初の懸垂式モノレールがあります。無料の乗り放題切符を手にまずSバーンに乗ってブッパータルに向かいました。このモノレールについては2012年3月2日<18133>乙訓の御老人が「空飛ぶ電車を御存知ですか」と題して紹介されています。御老人が行かれたと同じモノレールの西端の駅フォービンケルの最寄り駅ブッパータルフォービンケルで下車、駅前はさびしい感じですが、駅前を左手の方、DBの線路をくぐって少し行くと町並みと大きなモノレールの線路を支える鉄骨が見えてきます。IMG_8353

「西端のフォービンケル駅」

IMG_8360k            「通りの上を走る電車」

鉄骨は大きくてドイツらしく無骨なものの、100年以上の歴史の重みを感じさせます。しばらく通りの上を走った後、川に出てここからは東端のオーバーバルメンまではブッパー川の上を走ります。IMG_8373k運転席のすぐ後に陣取りましたが、上部の大きな鉄骨とそれを支える支柱にさえぎられて眺めはあまりよくありません。

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「終点はループ式になっているため、ドアは右側のみ」

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「川の上を走る電車、川から13m上を走りなかなか壮観」

川の上にあるペスタロッチ通り駅で下車、駅に進入する列車を撮影しました。ここから3つ目の駅が中央駅、ここで上下とも3分程度停車します。御老人はここで下車され、DBのICに乗り換えビュッフェの生中で乾杯されたそうですが、私はそのまま東端のオーバーバルメンまで乗り通しました。平日時刻表「平日の時刻表、土日祝日は本数は大きく減る」(ブッパータル市HPより転載)

全線通しで乗って30分あまり、そんなに振動もなくスムースな動きですが、懸垂式となっているため、カーブでは傾き、カーブの後に駅があると停止してもゆらゆらと左右に揺れるのがわかります。この日は祝日で11時頃までは15分ヘッド、その後7,8分ヘッドの運行、但し平日は日中おおむね5分ヘッドで地元の人の大切な足となっているようです。

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「東端のオーバーバルメン駅」

オーバーバルメンもDBの駅ブッパータルオーバーバルメンに隣接していて、ここから2階建て快速電車でドルトムントに向かいました。

ライン川周辺のトラムめぐり(その1)」への2件のフィードバック

  1. 大津の86様 北近畿タンゴ鉄道ツアーの時に言っておられたドイツに予定通りに行ってこられたのですね。私もちょうど20年前にフランクフルトでおこなわれた国際科学技術見本市の視察ツアーに会社から参加させてもらいました。この時は見本市だけでなくドイツやフランスの化学関連の企業や大学も視察しました。このうちドルトムント大学へ行った時に途中、バスの窓からブッパータールのモノレールの線路を一瞬ですが見られたので写真を撮りました。車両は走っていなかったのですがしっかりした構造物にさすがドイツ人のつくるものは違うと思いました。帰りは団長の先生の提案でネアンデルタール博物館に行きましたが、こじんまりとした博物館でよいところでした。路面電車などの写真が撮れるタイミングがあればケルンやミュンヘンなどで写真を撮っていました。やっとその時のネガ(電車以外も写したものも含む)11本をデジタル化をして、いまキズなどの修整をしています。それらの写真からフォトブックでも作ろうかなと思っています。続きを楽しみにしています。

    • どですかでんさま
      コメントありがとうございます。会社からヨーロッパ視察ツアーに行かれるとはうらやましい限りです。今回は2日間で8箇所のトラムを見るという駆け足旅行でしたが、ドイツはトラムの宝庫で、次回行くときにはいくつかに絞って、じっくりと見たいと思っております。20年前に行かれたころならまだ旧型車も元気な時代だったのではないでしょうか。ぜひデジ青でも発表されることをお待ちしております。

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