オーストリアのたび(その1)

6月12日~20日までオーストリアに行ってまいりました。HPを見ていて、オーストリア政府観光局のサイトに「ノスタルジーSLのたび」というページがありオーストリア各地に残るSLの情報が出ていたのがきっかけです。それに加え別のサイトにはオーストリアの保存鉄道、登山鉄道、狭軌鉄道などを紹介したものもあり、興味がわいてきました。オーストリアは小さい国でちょうど北海道と同じくらいの大きさですが、限られた日程ではそんなに多くを廻ることができず、ウィーンからインスブルックへの幹線に近いところに絞って訪問しました。

シュタイヤタール鉄道

ここはAustrian Society for Railway History(ÖGEG)と言う団体が運営している保存鉄道で、1974年にリンツで発足しました。標準軌のアムフェルバング機関車公園、狭軌のシュタイヤタール鉄道、ドナウ川を航行する外輪船の3つの部門からなっており、今回訪問したのはシュタイヤタール鉄道です。ここはオーストリアで一番古い760mmゲージで、1889年に開業、1982年に廃止されましたが1986年にÖGEGが引き継いで保存鉄道として復活しました。現在6月は日曜のみ、7月から9月は土日にシュタイヤーからグリュンブルグの約17kmの間を1時間かけて、最大3往復運行されています。

鉄道のあるシュタイヤーはリンツの南50kmぐらいのところにあり、千年の歴史を持つ大変美しい中世の都市です。鉄器や刃物作りなどの手工業で栄え、旧市街にはゴシック時代にさかのぼる趣深い家々が軒を並べています。リンツから各駅停車でも1時間足らずで行くことができます。始発駅のシュターヤー・ローカル駅はオーストリア国鉄の駅とは離れていて、グーグル地図で調べて大体の場所の見当はついたものの、バスの路線があるのかよくわからず、歩きを覚悟していました。たまたまシュタイヤーへの車内で知り合った牧師さんが、車で送ってくれ、おかげで駅には9時過ぎに到着、周辺をロケハンする時間が取れました。発車の10:00にはだいぶん間があったので駅周辺を一通り廻りましたが、人影がなく貨車や、救援車、巡回車らしいものが数両並んでいるだけでした。

シュタイヤーローカル駅に置かれた巡回車

シュタイヤーローカル駅に置かれた巡回車

シュタイヤー駅構内

シュタイヤー駅構内

シュタイヤーローカル駅

シュタイヤーローカル駅

駅の近くは両側に木々の生い茂ったところを走るため、20分ほど歩き、開けたところでカメラを構えていると、朝一番にグリュンブルグを出た列車がやってきました。牽引しているのは298.102号、これはリンツ・クラウス社、1888年製でオーストリアの狭軌SLで最も古い動態保存機です。カメラの前を通り過ぎると一旦停車、最初は気がつかなかったのですが、後で資料を見ると、ここがウンターヒンメル-クリストキンドゥルと言う駅のようでした。

グリュンベルグからの1番列車

グリュンベルグからの1番列車

時刻表では9:24分に発車するはずのところ、30分を過ぎても発車する様子がなく、機関士が降りて下を見たり、煙突のところを覗いたりしています。

不具合あるのか点検中

不具合あるのか点検中

何せ120年以上もたつご老体ですから、だましだまし運転しているのでしょうか。さらに10分ほどしてようやくシュタイヤーに向けて出発しました。折り返しのシュタイヤー発は10時、ここで手間取ったおかげで撮影場所を大きく変えることができず。シュタイヤーに戻る途中で発車の汽笛が聞こえてしまいました。今度は前向きで、5両の客車とカブースをつないだ列車がやってきました。この日はシーズンに入ってまだ3回目の運行のためか乗っている人はまばらでした。

シュタイヤーからの1番列車

シュタイヤーからの1番列車

鉄橋を渡ってグリュンブルグへ

鉄橋を渡ってグリュンブルグへ

当初の予定では標準軌のアムフェルバング機関車公園も訪れる予定でした。ここには大きな扇形庫があり、HPに載っている写真だけで19種類のSLがあって、DL、レールバス、ELなど様々な車両が保存されています。車両の保存だけでなくアムフェルバングにあった鉱山のための路線を手に入れティメルカムまでの約10kmの間で7月から9月の間SLとDLの運行もしています。私が訪れたのは6月16日で今年の運行前、せめて機関車公園だけでも行こうとしていましたが、最寄の鉄道駅からの足であるポストバスは何と日曜日は運休しており、タクシーで行くには距離があるため断念しました。

機関車公園扇形庫の様子(HPより転載)

機関車公園扇形庫の様子(HPより転載)

グーグルで見ると扇形庫とヤード、停まっている機関車が写っておりその大きさが伺えます。詳しくはÖGEGのウェブサイトwww.oegeg.atを参照ください。

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