この福井鉄道モハ200、当会でも注目の電車のようです。今回のクローバー会写真展でも、大津の86さんが、いい光線下でとらえた福井市内の203編成の写真を出展され、ホームカミングデー第一部の集会でも、乙訓老人のスライド上映の説明役のINUBUSEさんから、福井鉄道の最新事情を聞かせてもらいました。 ▲ 福井駅前のホテルに泊まった翌日は、朝のラッシュ時の様子を撮るため、福井市内の市役所前~仁愛高校~田原町の併用区間へ向かった。ただ、日本一の自動車所有率の福井県のこと、絶え間ない自動車の群れに阻まれて、歩道側からの撮影は極めて難しい。おまけに、この季節、思いのほかのビル影で、陽の当たる区間は、さらに限られてしまう。朝のラッシュ時、大型車で運用される最混雑時の田原町行き3本のなかに、最後に入っていたのが203編成だった。以前に訪ねた時は、この3本に、201、202、203と番号順にモハ200がやって来て感激したことがあった。
▲ 併用区間でやはり撮りやすいのは、「市役所前」の大名町交差点だろう。ヒゲ線へ曲がる列車は黄信号で曲がるので、間違いなく撮れるし、直進の場合でも、電車はワンテンポ遅れから青信号で発進するので、自動車に被られることは少ない。
▲ ヒゲ線の福井駅前で停車して、折り返す越前武生行きの203編成、背後に見える駅前再開発ビルに向かって、現在、福井駅の前まで延伸する工事が進行中だった。
▲ 幸か不幸か、FUKURAMUは今日も使用停止中のようで、モハ200を置き換えることになる増備編成の成り行きも不透明だ。FUKURAMUの影響は、自社だけでなく、同じような次世代型低床車両を導入した、お隣のえちぜん鉄道にも波及は必至だ。同鉄道の三国芦原線とは、相互乗り入れが予定されているが、田原町駅の工事の遅れで実施が延期されている。資本関係のない地方鉄道、しかも、軌道と鉄道の直通化という、日本では初めてのトラムトレインの成否を見守って行きたい。▲ 福井鉄道のほか車両の動向も記しておこう。203編成と同じ急行色に戻された602号、もと名古屋市交1200形は、もっぱら夏のビア電、冬の居酒屋電車などのイベント用で、一般の営業運転には使われていなかったが、この車両不足で、朝のラッシュ時の急行運転に復帰していた。▲土佐電から来た「レトラム」こと735号は、1965年、ドイツ・シュツットガルト市電、、ドア位置が異なるため、営業用には使えず、もっぱら、イベント用として、非冷房のため春秋の土休日に、田原町~福井駅前などの短区間のチョン行として運転されていた。初期は、故障続きで、運休することも多かったが、それも解消されて、この秋からは、全線を走り通す運用となって、このように田園区間、ビル街と、両方の風景で見られるようになった。