連絡票

69941「阪急かぶりつきツアー」で、鉄鈍爺氏とマルーン氏が、乙訓ご老人に阪急の小駅で扱わない企画乗車券入用の時は、駅員に申し出れば扱い駅までの無料乗車証「連絡票」をくれる、と書き込まれた。これに関しては須磨の後期高齢老人に苦い思い出がある。

時は47年前になる。当時伊丹のド田舎に住んでいたが、ヨメさまが2度目の出産で小生の両親に近い塚口病院に入院。そのため亭主は従前の武庫之荘経由通勤を、一時的に伊丹、塚口経由に換えるべく、定期券を求めに伊丹駅に。そしたら駅員が抜かすには、伊丹では定期券発売を取りやめた。梅田まで行け、と。

助役を呼び出して質すと、伊丹駅に新たに自働改札機を導入し、新様式の定期券しか使えない。発券機は一番近いのが梅田で、今申し込むと、伊丹でのお渡しは明日になる、とのご説明である。いやこっちは今日、今入用である。梅田まで行かねばならないというなら、百歩譲っても伊丹―梅田の乗車券なり、乗車証なりを出すのが当然だろう。第一伊丹はれっきとした駅で、そこからの、当日から有効な定期券が発売できないこと自体、根本的におかしかろう。そんなことが運送約款にあるのなら見せろ、と「穏やかに」申上げた。

しかしテキは、かかる事態は予想していなかったらしく、その様なお取り計らいはできません。そんなら誰か梅田まで行って発券して伊丹まで持ち帰ったらどうだ。こっちはそれまで待つと、ここまで譲ったができませんの一点張り。それはおかしいだろ、そう思わんか? 確かにおっしゃる通りですが、そのような指示もない。ともかく明日お渡しするか、ご自分で(ということは伊丹-梅田、梅田-塚口は自弁で)お買いに行って頂かない限り、本日から有効の伊丹からの定期券は入手できません。

これには少し解説がいる。阪急は千里線に少し遅れて、伊丹駅にも自動改札機を導入したと同時に手改札を止めたのだが、それに対応する定期券発券装置の設備がなかったのに、強引に上記のようなシステムにしてしまったのである。

阪急自動定期第一号

さしもの温厚で鳴る小生も、若気の至り?で、遂にキレて少しばかり大きな声も出たが、助役は恐縮かつオロオロするだけで、当事者能力なし。駅長は塚口勤務らしく不在。結果的には、どうしても本日からの定期券が入用な小生が負けて、梅田まで買いに行かざるを得なかったという一件であった。ただこの件は必ず責任者に実情を報告し、以後しかるべく善処対応すること、とは念を押してはおいた。オロオロ助役がどう報告を上げたかまでは確認していない。

その後定期券発売駅が絞られたこともあって、発券できない駅での購入客には、発売駅までの往復乗車証が出されるという、当たり前も当たり前のシステムがやっと構築された。これが「連絡票」である。

この話にはオマケがある。阪急がこの時導入した自動改札機は磁気式ではなく、小さな穴をいくつか穿ち、その数やら間隔やらで情報を読み取る代物であった。定期券自体は薄い紙だから、機械を通すためラミネートするが、これが大失敗で、熱でラミネート体が僅かだが縮み、中で紙が波打って穴の間隔が微妙に狂。機械が情報を感知できず無効として吐き出し、ラッチが閉まるのである。ただでさえ急いている朝に一人ならず、続々とラッチ閉鎖が発生し、当然怒号も飛び交い、中には襟首をつかまれる駅員もでる始末。結局阪急はこの改札機を早々と見限り、その後磁気式を導入し直すという、完全な二重投資ではあった。よってこの定期券も貴重品の筈だが、なにせ電子コピーだから、文字は消えかかっている。

 

連絡票」への2件のフィードバック

  1. 湯口徹様
    こんにちは。上記の件、今でもかなりご立腹が続かれていますか。それならばご体調はかなり良好ですね。実は私も、全く同じことを同じ伊丹駅で経験しました。同じことを言いました。少し穏やか目ではありましたが。

    昭和45年から、私は西昆陽に住み、阪急伊丹駅まで伊丹市バスを利用しました。早朝7時までの割引運賃が10円でしたから格安でした。で新築間もない伊丹駅、最新式の自動改札機が設置され、くだんの定期券の使用となったのです。私が購入に出かけたのが昭和45年3月ですから、湯口さんから更に1年半後も同じ状況で、長い間不便なシステムが続いていたのですね。その新築伊丹駅は、その後30年も経たずに、あの阪神淡路大震災で大被害を受け、撤去再建となりました。

  2. お二人から定期券、お得乗車券購入について注意点を知らせていただき有難う御座いました。老人は阪急田舎バスすら立ち寄らない西向日駅のお世話になっておりますが、定期券購入について駅員と渡り合うことなしでした。制度が変更になった時は桂までのキップを購入して、桂で定期券発売の窓口で申し出てください。西向日からのキップの金額をを返金の上、定期券を発行させて頂きますと、丁重に言われた記憶があります。その内に連絡表なるものを何回か貰いました。定期券購入は昭和42年5月~平成26年3月で終わりましたが、その間いやな思い出なしでした。口うるさい老人ですが、新京阪沿線ではおとなしい乗客であったようです。これでマルーン氏も胸をお撫で降ろしておられることでしょう。近く桂駅で企画乗車券購入方法をしっかり聞き出して、5月14日に備えようと思っています。

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