この連休中は好天との天気予報に気を良くして、急遽1泊旅行を計画し奥出雲に出かけることにした。早朝クルマで自宅を出発し 世羅、吉舎、三良坂を経て庄原へ。芸備線に沿って備後落合着8:15。芸備線のキハ120327を撮影後 木次線の次の駅 油木駅に向かう。途中 木次線備後落合行きキハ120206を撮影。
キハ120206 備後落合・油木間
無人駅の油木駅にクルマを置いて、今のキハ120206が戻って来るのを待つ。備後落合・木次間は極端に列車本数が少なく 列車でスイッチバックを通過するのは容易ではない。急に決めた旅のため 「奥出雲おろち号」の指定は取れないかと心配したが、前日に 最後の2席が取れたので、油木から出雲横田まで定期列車で向かい、おろち号で油木へ引き返してくるプランである。
油木駅 時刻表
時刻表のように日に4往復。おろち号は季節列車であり、またもう1往復は第二木曜日運休のため朝夕の2往復しかない日があることになる。風前の灯火のような路線であり、どこに存在意義があるのか不思議である。落合から戻ってきたキハ120206に乗り込んで いざ三井野原、出雲坂根へ。学生時代に夜行のちどりでこの区間を乗ったことはあるが、ようやく景色を楽しみながらの峠越えが実現した。時速20から30キロぐらいでくねくねと30パーミルを登る。並行する国道314号のクルマがどんどん追い越してゆく。広島県から島根県に入り、三井野原駅に着く。何と30人ほどの団体客が乗り込んでくる。整理券を取ったり モタモタと乗り込むのに時間がかかる。3分延発。団体客に聞いてみると 読売旅行のミステリーツアーとのことで次の出雲坂根で下車するらしい。団体客が乗ったせいか、若い運転士は国道の奥出雲おろちループが見渡せるポイントで最徐行し、案内のアナウンスもするサービスぶり。出雲坂根のスイッチバックに差しかかる。最初の折り返し線で停車。運転士はブレーキハンドルを持って 反対側の運転席へ 乗客をかきわけて移動。ツアー客が何だ何だと騒がしい。
逆行運転で出雲坂根駅に降りてゆく。
出雲坂根のスイッチバックを下る
出雲坂根に入線
出雲坂根駅に入線。ドヤドヤとツアー客が下車。ようやく静かになる。坂根駅には「延命水」という名水があり、一般乗客が水を汲みに行きたいと言い出す。運転士は 遅れているのでダメと言うかと思いきや、あっさりOK。出発信号は青になっているが、運転士は列車無線で「団体客のため延発します。出発信号を一旦赤にしてください」と連絡。信号が赤に変わる。なんとものんびりした路線である。水汲み客が戻り ようやく出発。動き出すときは「変」(変速)であったが すぐ「直」(直結)に切換え、あとは「中」 (中立)で軽やかに勾配を下ってゆく。八川を過ぎ、出雲横田に到着。下車して 下り 奥出雲おろち号の到着まで約40分ぐらいあるので 駅に併設された雲州そろばん伝統産業会館の展示を見る。
出雲横田に到着した奥出雲おろち号
定刻11:06におろち号到着。先頭のスハフ13801に乗り込む。親子連れの子供だけが乗り込み、親はクルマで追いかける(先回りする)という人もある。今来た道を今度はゆっくりと引き返す。八川駅では地元の人たちがホームに出雲ソバ弁当を売りに来ている。弁当を予約している人もいるらしく、ホームから○○さーんとお客を捜す声もする。のどかな風景である。出雲坂根に向けて勾配を登る。坂根駅は延命水やスイッチバック駅ということもあって国道314号のマイカー族などでにぎわっている。定刻発車。のろのろとスイッチバックを登る。途中眼下に今登ってきた線路と坂根駅が見える地点で最徐行し、乗客たちは車窓から写真撮影。車掌が乗車記念の絵はがきを配って歩く。DE10に押されて登ってゆくが エンジン音もほとんど聞こえず、社内の騒々しさだけで 峠越えの実感がわかない。往きに乗ったキハ120の方がよっぽど楽しかった。これがC56やキハ52ならと思わずにはいられなかった。
とういことで 3時間半かけて 油木駅に戻ってきた。降りたのはわが夫婦のみ。なんでこんな無人駅で降りるの?という視線を浴びる。
午前中は木次線を楽しみ、午後と翌日は野鳥撮影と船通山(海抜1142m)登山で過ごしたGWでした。
ではまた 江若鉄道シリーズでお会いしましょう。
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12系が一瞬、尾小屋の客車に見えました。
眼が悪うなったなあ。