明後日あたりに寒波が到来と報じていますが、ことしは記録的な暖冬で終わりそうです。でも富士山に関しては、例年どおりの冠雪があったようです。いつの時代も富士山は憧れです。とくに、日常的に見ることができる首都圏の在住者より、めったに見られない関西人のほうが、潜在的な憧れを抱いているような気もします。ことし1月、東のほうで用事を済ませて、翌朝、のんびり帰ろうかと思って普通列車に乗り込むと、窓に飛び込んできたのが、雪を抱いた富士山でした。急遽、予定変更、結局は陽が暮れるまで、定番撮影地3ヵ所を歩き回り、その姿を拝んだ一日となりました。
▲最初に行ったのは、伊豆箱根鉄道駿豆線の三島二日町から南へ歩いた地点、ここは以前来たものの、全く富士山が見えず、悔しさのあまり何も撮らずに戻って来たところだ。それだけに冠雪した富士山を見て感激、しかも、最初に通過したのが、今回の改正でも生き延びることになった185系「踊り子109号」。
▲撮影地は線路と交差する小道で、踏切に近づくと、編成写真も撮れる。この3000系は昭和54年からの自社製造車、3両編成6本あり、鋼製とステンレス製がある。▲両側の架線柱は気になるが、富士山は裾野まで見えるのが、この場所の強み。もと西武鉄道101系の1300系で、2本あり、この編成は西武色に復刻されている。▲“雲よ出るな”と念じながら写し続けると、午後からは薄雲も消えて、全くの快晴のなかの富士山になった。右手のほうは、かなり低いところまで冠雪しているのが分かる。▲ステンレス車体の7000系、車内はオールクロスシートで、2本ある。この編成は“Dr.STONE”というアニメのラッピング、始発の三島、沼津は、アニメ関連の聖地も多いと言う。
▲伊豆箱根を2時間ほどで済ませて、2番目の定番地、岳南電車のジヤトコ前へ。JR吉原から歩いて、お馴染み「松屋」横に着き、上り電車を待つ。周囲は雑多な建物ばかりだが、それを圧倒するように、富士が聳える。
▲近くに小さな踏切があって、ここなら富士山が上手く入るが、立ち入り禁止の通行止めになっていて、やむなくそのサイドから撮らざるを得なかった。折返しの7003号、前面は達磨をイメージした装飾で、二枚窓を目に見立て、(((福)))は腹に当たるそうで、「開運招福だるま電車」と呼ばれている。近くに達磨市で有名な神社があるところから。▲3番目は新幹線、終点の岳南江尾から定番撮影地へ歩くと、途中の川に橋がなく、かなりの遠回りを強いられる。クルマばかりが走るなかを、老人一人が必死になって歩くが、時すでに遅し、日没になってしまった。しか~し、天は味方してくれた。残光が山頂だけを照らして、“赤富士”を見ることができた。ホントの赤富士は朝陽を言うらしいが、徒歩鉄へのご褒美となった。▲赤富士は2、3分で終わり、すぐ薄暗くなる。来る新幹線、片っ端から流し撮りすると、1コマだけ何とか止めることができた。明から暗に変わる、わずかな時間ならではの雰囲気が出た。これで早回り撮影も終了、街灯が全くない、真っ暗な道を恐る恐る歩いて駅に戻り、12時間遅れの帰宅の途に就いた。
総本家青信号特派員様
途中下車大正解でしたね。地元の人にお聴きした時に10時ころに雲が出てくると夕方までアウトになるとのことでした。この経験をされた方は多いと思います。総本家さんの1~3枚目は危ないと思いましたが、その後よかったですね。最近は変な病気が流行してあまり遠出できませんが、山でなくても1~2泊の旅行撮影ならぎりぎりまで週間天気予報を気にして出かけます。遠出しても目的地に着く前に晴天の場所が現れたならば途中下車することがあります。富士山以外でも鳥海山、岩手富士、岩木山、羊蹄山なども山の全容が見られることは少ないですね。次には富士山の山梨側も見せてください。
準特急さま
お返事、遅くなりました。はい、富士は朝はよく晴れていても、次第に雲が出てくるのが普通ですが、その日に限っては、午後からのほうが雲がなくなり、一日楽しむことができました。いずれにしろ、山の天気は変わりやすいですから、臨機応変の撮影が大切だと思いました。
「富士がとっても綺麗から〜遠廻りして帰ろう」ですね。
タイトルの185系と富士山、素晴らしいですね。大好きな電車なので楽しませていただきました。器用貧乏か重宝なのか色々と使われましたが、年増の踊り子としてもう少し働けるとのこと嬉しいですね。いずれ来るラストラン、踊り子さんには手を触れないで下さい。
ところで踊り子さんの名前は都々子さんで、出演している劇場は道頓堀劇場?
どですかでん様
道頓堀劇場は大阪にあると思いきや、なんと東京・渋谷にあるそうですね。でも、私は津々子さんのことは、よく知りません。
他の知らない人のために。「津々子さん」ではありません。「都々子さん」で「つづこ」と読みます。大ヒットした「月がとっても青いから」の曲を歌っていた歌手です。1955年に発表された曲ですが、いつまでも歌われていたのでなぜかよく覚えています。大阪通信員さんコメントの最初の部分「富士がとっても綺麗から〜遠廻りして帰ろう」は歌の最初の部分をうまく取り入れていますのでオロナインぎょうさん上げてください。道頓堀劇場は「小沢昭一的こころ」の劇場ですのでお判りいただけると思います。