西のC59・C62全記録  (8)

昭和43年3月 再び安登へ 

広島機関区でC59・C62の形式写真を撮影して、広島10:36発の糸崎行きに乗車、呉線の撮影に向かいました。この頃になると、鉄道雑誌の撮影地ガイドにもたびたび呉線が登場するようになります。新規の撮影地へも行きたいところですが、往きに寄った安登付近に再び行くことにして、その際に撮れなかったリベンジ撮影としました。往きに紹介したカットと、ほぼ同じようなシーンばかり続きますが、“全記録”として、ご了承ください。広島から、呉線に乗って安登へ向かった。乗車列車が呉に到着すると、17分の停車アナウンスがあり、ホームの先頭に行ってみる。3番ホームには上り、貨物も待機するなか、下り「安芸」の到着だ。やって来たのは、常磐線から転属したばかりのC6246で、さっそく急行を牽いての登板だった。C62以上に興味深いのは、次位に側面総シャッターの荷物車、三軸ボギーのカニ38が連結されていること。昭和34年に、マロネフ37を種車として、手小荷物をパレットごと搭載できる試作車として誕生した一形式一両、翌年の昭和44年には救援車スエ38に改造されるが、この時期は「安芸」専用のように連結されていた。そして、続く編成にはオロネ10が2両も連結されている。まだ等級制の時代だから、“一等寝台”となる。黒いC62+茶色の3軸荷物車+黄緑帯を巻いた青色の一等寝台2両‥の編成は、当時、数多く走っていた急行列車のなかでも、「安芸」だけに見られた異色の豪華編成だった。▲▲現在の呉駅同一地点、周囲は大きな建物に囲まれてしまった。

広島から乗車した周防富田発糸崎行き640D、先頭はキユニ161、呉に11:23に到着、ここで17分停車、上掲の「安芸」と交換する。向かい呉駅3番ホームには、上り貨物が停車中、安登に到着、安浦寄りの地点へ歩き、まず673レを撮影。D51 1068の牽引。626レを例のカーブ地点で撮影、C62 41の牽引。▲▲D51 755の牽く676レ岡山発広島行き急行「吉備」、キハ28 147先頭の4連。カーブの外側からC6215の牽く、上り急行「安芸」を。C62 17の牽く荷44レ、下り勾配を軽々と通り過ぎた。下り貨物、D51 760が牽く。上り勾配区間、盛大な煙だった。C59 161の牽く下り荷物47レ、常磐線のC62転属でも、代わりにC62が廃車されて、C59は3両とも生き延びた。そして、往きの際にフィルム切れで撮影が叶わなかった、18時頃通過の623レ、今度こそ逃すまいと慎重にセットして、C62 41の牽く姿が撮影できた。呉線は、この時代に電化工事の起工式が行われたばかり、結局、ポールが建植される前のシーンは、この時が最後になった。

 西のC59・C62全記録  (8)」への5件のフィードバック

  1. 総本家青信号特派員殿  呉線の写真はつい見入ってしまいます。呉駅到着の安芸は全く同じアングルで私も撮っていますが、現在との対比で半世紀以上の時の流れを感じます。昭和44年8月4日に広島駅で撮ったキユニ161を添付しておきます。

    • 西村様
      コメント、ありがとうございます。呉駅の現況は、西村さんと広島駅で新幹線で合流する前の日に撮ったものですが、すっかり変わっていました。蒸機の時代、周囲は何もなかったのですね。キユニ16は1、2が広島にいました。運用はよく知らないのですが、ときどき呉線のDCでも見かました。

  2. 総本家青信号特派員様
    1968年12月30日の日中は、いままで下車したことのない安芸津-須波間の可能な限り全駅に下車して、地図を見ながら撮影ポイントを探すことでした。
    まず安芸阿賀から定番の624列車に乗車し、安芸津から吉名に向かって歩き出しました。山間に入り、ちょうど築堤のある場所で下りの「安芸」を捕まえることができました。この時、初めてヘッドマークを付けている「安芸」を見ましたが、編成も1号車の前の機関車の次位に連結していた荷物車がなくなっていました。

    • その後、上り列車を乗り継ぎながら各駅で下車して撮影し、忠海の港から626列車を写し、本日の最終行程と決めていた安芸幸崎-須波間で側面を冬の夕日に光るC59161の牽引する上り「安芸」を撮りました。結果的にこれが蒸気時代の最後の呉線訪問となりました。反省すべき点は、総本家青信号特派員さんのように1か所で腰を落ち着けて撮影せず、見学を兼ねていたといえ、あちらこちら動き回ってしまいました。

    • 快速つくばね様
      安芸津は私は下車したことがありません。こんないい築堤があったのですね。「安芸」もヨンサントオ以降、ヘッドマークのほかにも、荷物車がなくなったり、編成も変化していること、よく分かりました。私も、まだしばらく呉線を続けますので、よろしくお願いいたします。

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