やっぱり桜 ことしも満喫  ②

「レトラム」に乗る

この季節に福井鉄道へ来た理由は、桜以外に、もうひとつありました。「レトラム」こと735号が走る日でもあったのです。毎年、春秋の土休日に運転されていましたが、コロナ時期は運転を休止、ことし3月26日から久しぶりの運転となりました。

西鯖江駅で、回送のFUKURAMが待機するなか、向こうから、愛嬌のある「レトラム」が姿を見せた。「レトラム」は過去に何度も撮っているが、乗るのは初めてだ。片側一ヵ所のドアが開くと、低床用のステップが下りてくるが、なんと車掌が手動でヒモを操作してステップを下ろしていてびっくり。

 

「レトラム」の出自は、ドイツ、シュトゥットガルトの市電で、1965年製、土佐電鉄85周年の記念で、ほかの外国製の路面電車とともに高知に来た。シュトゥットガルト時代は終端がループになっていたため、片運転台、片ドアだった。そのため、714、735の2両を購入し、土佐電桟橋工場で改造、2車体一編成に仕立てた。福井鉄道へは2014年に移って、F10形735号となった。初期の頃は、トラブルが多かったが、最近では安定して、春秋の土休日に越前武生~福井駅~田原町で運転されている。

 

 

 

 

 

 

 

 

ドイツ時代の広告、案内、路線図がそのまま残されている。扇風機があるだけで、春秋の運転に限定されている。

 

 

 

 

 

 

以前に見た時は、車内にほとんど人影は無かったが、本日は満員、一斉に外出するようになったせいだろうが、地元の家族連れも楽しそうに乗っているのが印象的だった。

途中の赤十字前で、列車交換&トイレタイムのため11分停車、ちょうど“ki-bo”と黄色カラー同士の交換が見られた。ラッセル兼用の電機デキ10形11号も横に留置中。

 

 

独特の乗り心地を楽しんだあと、福井城趾大名町で下車、田原町方面へ行く「レトラム」を追う。大きなパンタを振り上げた、このスタイルがまた「レトラム」の魅力。

「レトラム」の運転は、田原町まで行ったあと、福井駅までのヒゲ線を2往復して、武生へ戻るダイヤ、福井城趾大名町の付近を行ったり来たりして撮影。福井駅の真ん前まで伸びたターミナルで折り返す。折しも駅前広場で行われているイベントに多くの人が集まっていた。明快なカラーリング、ドイツ時代の広告も外観上の魅力。建築中の白い幕を利用して、その姿を浮き立てた。福井城趾大名町で880形と行き交う。同所で武生方面に向かう場合、折返しのため、ポイント転線が必要で、ロスタイムが多いのが気になる。それと、地方へ行くと痛感するが、交通信号が完全な自動車優先になっていて、歩行者、路面電車優先ではなく、さらに無駄な時間を費やしてしまう。越前武生へ戻って行くレトラムを見送る。そのあとフリー切符を駆使して、えちぜん鉄道の三国芦原線、勝山永平寺線へ向かったが、桜は全くの蕾状態だった。

 やっぱり桜 ことしも満喫  ②」への7件のフィードバック

  1. 福井鉄道もすっかり低床車ばかりになったようです。高知にいたドイツの車が福井に行っていたのは全く知りませんでした。140型や80型など高床式の旧車が走っていた頃はよく行きましたが、最近は行ってません。写真は、市役所前付近を行く140型、1998年10月頃(今は、市役所前でなく福井城址大名町と改称していました。)

    • ブギウギ様
      懐かしい写真、ありがとうございます。以前の福井鉄道には、さまざまな形式の電車が走っていて、電車ファンには楽しいところでした。高知から来た「レトラム」の人気には驚きました。撮るだけではなく、乗ることも楽しい電車です。写真を撮られた場所は、ヒゲ線の分かれる、もとの市役所前ですが、いまは、観光目的とは言え、噛みそうな長ったらしい名前になりました。左に地下道の入り口が見えます。いまは撤去されて、自動車最優先の長い長い信号を待たないと歩道側に行けなくなりました。

  2.  総本家青信号特派員様
     それにしても良いお天気で何よりでしたね!
     レトラムですか、福鉄での存在は知っていましたが、新型車と併せ乗ってみたいものですね。青空とレトラム、福井の雰囲気が変わったように思いました。
     福井城址大名町電停はその昔は大名町ロータリーそれから大名町交差点と変わりましたが、その交差点にありました。電停名は市役所前だったんですね。確かにすぐそばに市役所があります。その先が福井城址です。
     その交差点を武生に向かうレトラムのバックは最近立て替えの福井銀行本店です。
     地方鉄道はコロナ禍もありしんどいことと思いますが、乗って貰ってなんぼ!レトラムの車内は結構満員!子供が物珍しく車内を見回している、乗って貰う仕掛けの必要性を感じました。

    • コメントありがとうございます。スタイリッシュな福井銀行のビルをバックに「レトラム」が走ると、まさにヨーロッパです。この交差点名は「大名町」になっていましたから、鉄道も「大名町」だけで良かったとも思います。さらにいえば、市役所は福井城のなかにありますから「福井城・市役所前」のほうが分かりやすいではとも思いました。

      • 一言だけ。
         福井城址の中にあるのは、県庁、県議会、県警本部で、市役所は大名町交差点側にあります。
         お堀の辺もいろいろ手を加えられているようですよ。

  3. 好天のもと、レトラムの黄色が映えますね。私も福井鉄道はお気に入りのところで、折に触れて出かけています。
    7年前に出かけた時はちょうどレトラムの運行があった時で三十八社の近く?で撮りました。レトラムの後から来たのが旧名古屋地下鉄の車両、北府駅では入ったばかりのフクラム、200型も見られて大満足だったのを覚えています。200型はクラウドファンディングで修理されることになったと聞いていますが、まだ着手されていないのでしょうか。

    • 大津の86さま
      「レトラム」の写真、ありがとうございます。撮られたのは、家久の近くの日野川ですね。私も何回か行きましたが、バックに煙の出る工場が入って敬遠していました。うまく緑で隠してありますね。200形は、北府の車庫にボロボロになって放置状態で、まだ修復には着手していませんでした。私も200形のグッズを買って、少しだけ協力しました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

wp-puzzle.com logo

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください