今年のホームカミングデーに オロナイン軟膏3個!

乙訓の老人から、先ごろ行われたホームカミングデーの参加記が寄せられましたので、写真とともにご紹介します。なお、タイトルの「オロナイン軟膏」ですが、50年前に新語・流行語大賞があったら、まちがいなく選ばれている古典ギャグです。老いてもなおクローバー会への深い愛情を絶やさない老人ならではのタイトルとしてご理解ください。では。

このところ恒例行事となったホームカミングデー、今年も多彩な内容で、鉄道趣味者として興ryoshinkan味惹かれるものであった。第一部は今出川校地の西北に新築された良心館で「教室での会合」が開催された。

今年のホームカミングデーの会場は、新築の良心館

(1)まず湯口会員の「軌陸車の話」であった。デジ青【40044】2013年9月24日で紹介された「日本の内燃動車」の延長線とも言うべきもので、内燃車の陸上走行から鉄軌道での走行を可能にするため、種々の考案が生み出され試行錯誤を辿った姿が、日本を始め海外の事例をふくめ、スクリーン上で映写しながら紹介された。本件について、このところJR北海道が開発に着手、実用化に向け地域外での試行も報じられているが、通学(通勤は対象外)時の輸送力不足から実用化には問題が生じているとかで目下、頓挫しているようである。

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レールも道路も走る“軌陸車”について、湯口さんらしい考察と写真が披瀝された

今回の開発事業は鉄道側から持ちかけたせいか、内燃動車業界側に熱意がないように傍見を感ずる。エネルギー問題、気候変動のことを考え合わせると鉄道、自動車の棲み分けを国策として再考する必要があると思う。その時「軌陸車の話」は貴重な資料となると思うのである。先日上梓された「日本の内燃動車」の続編として、世人に公開されてはどうだろうか。そうすれば国会図書館や各地にある産業資料館に保存され、後世に残る事になる。

(2)次いで当会としては2度目の外部講師の登場で、京都大学鉄道研究部、京大経済学部出身で、現在は関西大学教授を務めておられるの宇都宮淨人氏であった。鉄道ピクトリアルを今も購読しておられる方なら2008年新春号を開いて頂きたい。鉄チャンで知られている衆議院議員との対談のお相手を勤められた、その宇都宮氏なのである。

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関西大学教授の宇都宮浄人さんによる講演は、京大鉄研時代の思い出から始まった

氏は京大卒業後、日本銀行に奉職され、マンチェスター大学へ行内留学された。学生時代から目を海外にも向けておられ、各国の鉄道実態をつぶさに見て、聞いて、撮るだけでなく調査をされてきた。その中で都市交通における路面電車が果たす役割について考察を深められてきた。それらを集約され単行本として出版されたのが、2003年上梓された新潮文庫【路面電車ルネンサンス】である。本書は第29回交通図書賞受賞作品となった。これで鉄道趣味界に氏が一躍知られるようになった。そして鉄道ピクトリアル誌への登場であり、JTBキャンブックス【世界のLRT】誌でのキャップションの担当であった。

氏の専門は鉄道趣味学ではなく経済統計であり、地域振興(町おこし)へ向けての経済学的に、または金融政策面での提案などに関心をお持ちのようである。昨年初夏開催の京都府中小企業団体中央会での講演は、約350人の中小企業経営者を前にして「観光都市京都に来てみてこんな交通渋滞が激しい町は世界中で一番だと思います!」。これには場内も一瞬ではあったが顔を見合わせたのであった。その後LRTについて分かりやすく解説された。この講演の時、17時になっておらず役人さんの席は空白であった。

氏のLRTに対する思いは、以前紹介した成山堂書店交通ブックス119【LRT】として2010年に上梓、服部重敬氏と共著で存分に発揮されたように思う。そして2012年春に新潮選書として上梓された【鉄道復権・自動車社会からの「大逆流」】では、中国を除いた東西の鉄道の話題が満載である。この著書の最終小見出し【鉄道が拓く成熟社会-「共助」と「公助」】、これが鉄道を必要とする人類に向けての氏の言葉だと思うのである。

宇都宮浄人氏の著書4冊、いずれも秀書として推薦したい。お手頃の価格であるので手に取って、鉄道を愛するものとして味わってほしい。店頭陳列がない場合、書店に発行者、著者名、書名を言えば取り寄せてくれる。取り寄せ経費は無料が原則である。

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真新しい良心館401号教室に集まった会員たちは30人近く

(3)おしまいは、天野会員を偲び彼の撮影作品紹介であった。本来17時30分開会の「偲ぶ会」で披露される予定であったが、会場で準備される機器がスクリーン映写不能であることが分かり、第一部で試写作品として紹介されることになった。DVDでの完成後にデジタル元祖「青信号」の写真館に収録され公開となる予定。追ってお知らせさせて頂くことになった。IMG_0058sy

「天野さんを偲ぶ」DVDでは、天野さんの人柄を偲ばせる写真の数々が紹介された

(4)以上3件を今回のオロナイン軟膏の対象としたい。クラブ本部の企画として、①EVEでは烏丸今出川界隈の市電の写真展示、②来年3月寒梅館(烏丸上立売西側下ル)地下1階で写真展開催、③初夏に北近畿タンゴ鉄道で小旅行、等の計画が披露された。また【デジ青】の管理者から人物の投稿写真について、昨今の諸事情を鑑み特別の配慮が必要と思われ、投稿規定を作成したいからご承知いただきたいとの話があった。

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京都平安ホテルに会場を移して行われた第二部「懇親会・天野さんを偲ぶ会」 P1100220

天野さんが撮りためた写真やアルバムが置かれ、故人の業績を偲んだ。P1100222

懇親会の各所で談笑の輪ができて、会員同志の親交がよりいっそう深められた P1100239最後は“一本締め”、ホームカミングデーの有意義な会合を締めくくった。

2 thoughts on “今年のホームカミングデーに オロナイン軟膏3個!

  1. 総本家青信号特派員様
    ホームカミングデイの様子が手に取るようにわかります。早速のご報告有難うございました。その日は雨の津軽旅行で失礼をしました。京大OBの宇都宮淨人氏は度々趣味誌でお顔を拝見しております。内燃の第一人者湯口先輩と宇都宮氏の講演とは凄い内容でしたね。お二方とも受賞作品がおありで羨ましき限りです。天野さんはこれまたカメラアイの優れた方で、単に機関区で撮った蒸機など見向きもせず、何かを訴えるような作品が持ち味でした。マイテ39(だったと思いますが)に下駄で乗車されたのをお見かけしたのが最後でした。
    「オロナイン軟膏三つあげてください!」 遠くなりましたね。あのコンビは日本の漫才界では最高であったと思います。

  2. 「レール&ロード」に関し

    JR北海道が社長直々の発案で、DMVを開発し、改良し続け、それでいて11年たっても実用に達せず、いわばのたうちまわりつつも、その社長の自殺で開発はストップしたままである。不詳続きのJR北海道はDMVどころではない筈だが、当初手放しで囃し続けたマスコミも最近ではついぞ話題にもしなくなった。あまりにもベタ褒めし続けたから、いまさら引っ込みがつかないのかも。

    小生が「レール/ロードの試み」と題して海外や日本での試行錯誤を、究極の根暗季刊雑誌「鉄道史料」79号に執筆したのは、18年前の1995年である。阪神淡路大震災での鉄道被害復旧に、JRにも私鉄にも、日本にこれだけあるのかと思うほどの軌陸車が集められ、しかも軌道走行システムが多種多様であったことに感心し、興味をくすぐられたのがきっかけであった。

    JR北海道は第一次車開発後、PRのため報道機関や関係者を集め、デモンストレーションとシンポジュームを開催したが、その際招かれたある雑誌編集長が、小生の記事をコピーしてJRに提供。JR側は海外での過去事例や日本での例も全くご存じなかったので、それを大量に再コピーし、関係者に配ったようだ。ただ小生の論点が、水陸両用車も同じく、かような「二兎を追う」ものは採算的に全く成り立たず(採算と無縁の業務用や軍用以外)、どちらにも中途半端で過去の海外例、日本での例も同様と言い切ったのが、著しくJR北海道の自尊心を傷つけたようではあった。従ってJR北海度から小生への直接アプロ-チは一切なかった。

    その後TVや雑誌等のマスコミから、小生記事コピーの海外での実例写真等の提供依頼が相次ぎ、報道ならばと当方も出来るだけ応じていた。その内の北海道某TV局は、報道ではなく市販の印刷物やDVDにも使いたいとのことで、商品に使うのなら使用料を支払うのが当然であろうと返すと、すこぶる不本意のようながら、ともかくなにがしかは送って寄越した。その際当方からは、使用後データーは必ず廃棄することの条件を付し、先方も了承した。

    しばらくして同じTV局の同じ人間が、また違う出版物に使いたいとの承諾を求めてきた。ここまではいいが、データーは先回のものを残しているので、送付には及ばず、電話で了解だけ欲しいという。痩せても枯れてもそっちは報道機関だろ、先回の使用後廃棄の約束は、報道機関としてのモラルの問題であろう。情報提供者との約束とは、いったい何なのか。社としての見解を聞きたいと切返したら、それっきり音沙汰なし。で、以後かような要望は一切応じないことにしている。

    ただ某大手新聞社の記者が、「線路にバスを走らせろ―北の車両屋奮闘記」なる新書本を執筆するに当たり、神戸まで取材に来た際は、できる限りの協力をし、資料や写真も提供した。」この本は単なる「珍しい乗り物」に止まらず、取材もまじめで内容もしっかりしていたが、残念なことに採算性―車輌の改造費等には全く踏み込んでおらず、その限りでは「礼賛一方」であった。これは数多のDMV記事にことごとく共通し、ジャーナリズムの欠陥なのかもしれない。全く素人の我々の方が、車両価格とそれにより取得できる運賃との関連に関心を持つとは、逆のような気がするが。

    とまあ、こんな低次元なお話があるんでありますよ。

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