残しておきたかった機関車DD10

相変わらず マイナーなDLを作っていて、また1両試運転を終えました。その名はDD10です。鉄道省、新潟鉄工所、芝浦製作所、川崎車輛、三菱電機、日立製作所の共同設計で 製作は川崎車輛が担当し 昭和11年3月に竣工した電気式DLです。8気筒600PSのディーゼルエンジンで発電機を回し、100KWモーター4個を駆動したそうです。運転整備重量が71Tonもあり 軸重軽減のためA1A-A1Aという軸配置で この台車(HT62)は後年 ED18用台車の原形になったそうです。性能的には蒸機の2120型と同等だったようですが、燃料事情が悪くなる一方の世情には勝てず 試作1両に終わりました。殆ど活躍することもなく戦時を生き延び 昭和22年9月に廃車されました。陽の目を見ることなく消えていった機関車ですので、残された写真も少なく 細部はわからなかったのですが なんとか完成しました。

完成したDD10

完成したDD10

実車は昭和22年に廃車されたあと なぜか大宮工場で長く留置されていたようで、昭和40年頃に解体されています。さすがにクローバー会のお歴々にも実車を見られた方は多分おられないのではと思っています。そんな 戦前の機関車は完成しましたが、当社にはこのDD10にふさわしい客車や貨車がオハ31ぐらいしか配置されていないので 当社でも休車になりそうです。ちなみに主たる購入品は エンドウのΦ14スポークMPギア(11340円と高価)だけです。実車の車輪径はΦ1250でΦ15.5のスポーク車輪が必要なのですが、手に入らないためΦ14で代用しました。大宮工場で更に生き延びていたなら 我が国の鉄道車両史の1ページを飾る機関車として鉄道博物館に並んでいたのではと思いながら 全長12mのかわいい機関車を飽かず眺めています。

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