2014年 夏の北陸路ちょっと旅 Part5 福井鉄道、トワイライトエクスプレス、西濃鉄道、近鉄養老線

01▲ 17:45 神社の境内を走る鉱石貨物列車。
撮影地 Google座標; 35.394058, 136.581169

全国に神社は、79,339社あるそうですが境内に線路があるというのは珍しい存在です。JRのポスターにもなった米子の日吉神社や参道を一畑電車が横切る粟津稲荷神社は有名ですが、ここ岐阜県大垣市の石引神社も多くの鉄ちゃんが訪れる有名撮影地です。
石引神社は、江戸時代に大垣城建築のための石をこの周辺で採石した事から名付けられた神社で、今も石灰石を運ぶ鉱石貨物列車を見守っています。

第3日目 8月2日

「今日は、トワイライトエクスプレスを湖西線で撮りたいが、湖西線での撮影経験は全くないので案内をお願いします。希望としては琵琶湖を入れて走行するシーンが望みです。今回は横から撮っていません。出来れば全編成を入れてのカットが欲しい。」と、クモハ73106東ウラさんからのオーダーが出ました。
湖西線は雷鳥が消える時を含めて豊富ではありませんが10数回の撮影経験はあります。撮影されている方はご存知と思いますが、琵琶湖の対岸から太陽が上がってきます。琵琶湖をバックに入れるとなると午前中は完全逆光となります。

トワイライトエクスプレスのダイヤは、「敦賀10:52⇒12:15京都」。湖西線を走行するのは、11時~12時の間です。編成全部と横から撮るとなると、場所は限られてきます。また湖西線は踏切がなく全線は高架区間です。コンクリート高架区間は車両の足回りが完全に隠れてしまいますので論外です。山頂から俯瞰する場所も以前に行きましたが、遠景すぎます。土盛り区間を探さないといけません。

また次の撮影地は西濃鉄道と決まっていて、美濃赤坂へ行かなければなりません。今日は土曜日です、大津近郊まで南下すると琵琶湖への海水浴客等で道路が渋滞して動きが取れなくなります。条件を問題なく満たすのは、どこが良いのか迷いました。そして現地で合流する大津の86さんとも相談して、近江高島しか考えようがないとの結論に達しました。しかしここも、はたして全編成が入るかが問題でした。

宿泊した東横イン金沢を早朝に出発してまずは福井に向かいます。昨夜夕食時に近江高島に行くなら時間に余裕がある。少し早くに出れば、朝のラッシュ時に福井鉄道市内線を走る200形600形、610形の鉄道形車両を撮れると話がまとまりました。昨年秋には何度も訪問していますので案内には問題ありません。
DSC_6767_102▲ 8:05 ギリギリセーフで、610形2両編成をキャッチできました。この電車は名古屋地下鉄1200形を第3軌道集電式から架線集電式に、また電装・台車等の下回り、冷房化等の大幅な改造が行われています。今まで見た限りでは朝のラッシュ時の普通運用(越前武生~田原町)についていますが、昼間は時折姿を見るだけです。

DSC_6777_103▲ 8:17 朝の急行運用についています880形888号連接車です。

DSC_6785_104▲ 8:25 610形2連は先ほどの折り返し普通電車です。

DSC_6796_105▲ 8:27 続行して200形202連接車が参りました。朝の越前武生⇒田原町の普通運用が終わった後は回送で戻って行きます。空気を運ぶのはもったいないので客扱いすればと思いますが・・、やっても利用客がないのが現実です。
現在、えちぜん鉄道との相互乗り入れのため、接続駅となる田原町駅は大幅な改造工事が進行しています。完成しますと乗客が増えると期待されています。

撮影後は直ぐに湖西へと向かいます。高速道路は敦賀まで、ここで降りて一般道を琵琶湖へと快走します。大津の86さんとの合流地点は道の駅「藤樹の里 あどがわ」ですが時間に余裕が出来ましたので途中、北上するトワイライトエクスプレスの撮影地候補の1つ、永原~マキノの国道からの俯瞰撮影場所を見ていただきました。

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▲ 9:47 681系12両編成のサンバーバード7号(大阪⇒富山)。トワイライトエクスプレスは機関車も入れますと10両ですので、余裕で全く問題ありません。北上はここで撮ろうとOKが出ました。
ただやや曇りで日差しが弱く、681系は白い車体ですので良いのですが、トワイライトエクスプレスの車体色は山林と同じ緑色ですので心配です。天気予報では夕方にかけて崩れてくるとの事で夕刻まで雨が降らないことを祈っての撮影としました。

DSC_6832_107▲ 9:48 223系新快速(敦賀⇒播州赤穂)がトンネルを抜けて下りてきました。近江今津にて8両が増結されて12両編成となります。

10:30 道の駅「藤樹の里 あどがわ」に到着、大津の86さんと合流できましたが、大津の自宅から来る途中は渋滞に巻き込まれて、普段の倍もの時間がかかったと言われました。近江高島は賢明な選択だったようです。

DSC_6836_108▲ 11:06 撮影地 Google座標; 35.288967, 136.004431
予定した近江高島の撮影地に着いて撮影開始です。681系9両編成のサンダーバード16号(富山⇒大阪)がきましたが、成長した木々が邪魔して編成を目一杯入れるのがやっとです。カメラ視界を幅広く取りたいのですが、木々が茂っていて後方にさがれません。場所を代えても同様で、ズームを28㎜にしてようやくこのカットでした。懸念していた事が現実となりました。
※ 撮影場所には、農作業のために近くにおられた方のご了解を取ってから入らせていただきました。

DSC_6840_109▲ 11:22 新快速12両編成が来ましたが、やはり尻切れトンボになりました。

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▲ 11:28 トワイライトエクスプレスが来ました。やはり最後部が少し切れました。琵琶湖は一応入りますがわずかです。もう少し高い位置(約10m)から撮れればバッチリなのですが、そんなお立ち台はありません。

DSC_6865_111▲ 13:26 サンダーバード17号(大阪⇒富山)9両編成が来ましたので直前練習です。

DSC_6871_113DSC_6880_116▲ 13:26 トワイライトエクスプレスが姿を見せました。日差しはさらに弱くなっていますが、心配した山林との同色とでの溶け具合は屋根がアクセントになって大丈夫でした。快晴で撮ったらもう少し屋根がハッキリして良くなったでしょうね。次回天気の良い日にもう1度、来ることにしました。
焦点距離は、上が250㎜、下が78㎜ズームです。
撮影地 Google座標; 35.476249, 136.081823

湖西線での撮影はこれで切り上げて、美濃赤坂へと急ぎます。
03▲ 14:49 木之本I.Cから北陸道に入り、米原JCTから名神高速を走って約1時間半で美濃赤坂駅に着きました。まだ貨物列車の姿はありません。間に合ったようです。JR線はここまでで、この先に延びている路線は西濃鉄道市橋線(貨物線、2.0キロ)です。

【 西濃鉄道 】
古くからこの地で採石されている石灰石・大理石の輸送のため、1928年(昭和3年)12月17日に市橋線(2.6キロ)と昼飯線(1.9キロ)が貨物線として開業。1930年2月から市橋線で旅客営業も行ったが1945年4月には廃止、2006年3月には昼飯線と市橋線一部区間が廃止され現在に至っています。
車両は国鉄から譲渡されたDE10-148(改番後DE10-501)と三菱重工製のDD402DD403が在籍しているようですが、今回車庫で確認したのはDD403号機だけでした
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▲ 左は車庫のDD403号機。右は廃止された昼飯線跡、レールは撤去されず現存しています。

貨物列車が着く時刻までを利用して撮影予定地の石引神社へロケハンです。
02▲ 14:56 参道に入って石の鳥居を抜けて行くと横断する線路がありました。中々面白い撮影地です。

10▲ 横断する踏切にはお知らせが掲示されていましたが、”いつもの時間”とは何時なのですか?、今から列車が通りますが書いてありません。不親切なお知らせです。

DSC_6905_120▲ 15:19 美濃赤坂駅ヤードに戻ると、EF66-116号機が牽引する石灰石輸送の空ホキ列車が入線してきました。左は牽引を引き継ぐ西濃鉄道のDE-501号機です。

DSC_6912_121▲ ホキ9500形、全長10m、自重15.0㌧、積載量35㌧で採石(石灰石)を輸送する貨車です。全国に212両あるそうですが見るのは初めてです。元々は、成田空港建設の輸送用として1970年から3年間にわたって製造されましたが、工事が終了後は石灰石輸送用として移籍・譲渡されています。珍しい赤2号塗装はテロ対策だったそうです。

15:21 機回しを撮り始めましたがクモハ73106東ウラさんから「機関車付け替えが終わると直ぐに発車する。神社で撮影できなくなるから車に乗って!」と、激が飛びます。急いで乗って出発です。
DSC_6926_1_125 ▲ 15:30 神社前のS字カーブにDE10-501号機牽引となった列車が入ってきました。

DSC_6944_126DSC_6951_127▲ 鉱石貨物列車は本殿前の朱色の鳥居前を大きく曲がって工場へと向かっていきました。

DSC_6960_129DSC_6956_128▲ 15:38 工場近くまで追っかけると、既に機回し中で助手?は、ポイントを手動で操作されています。
ポイントが換わると、再び工場内へと消えていきました。
中々手際の良い作業です。

それにしても綺麗なDE10-501号機です。
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工場で石灰石をホキ9500形に積み込むには時間がかかります。工場からの引き出しまでは撮影もできませんので近くを走る近鉄養老線でも撮りに行こうかとなりました。
しかし最適撮影地は調べていません。こういった時に役立つのがタブレットです。GPS機能が付いていますので手元に置いて現在位置を確認できて、また目的地のロケーションを地図や航空写真でも見る事が出来ます。私には必需になりました。

養老線沿線をGoogle地図で辿り見ながら人家が密集していない場所を探して向かいます。
DSC_6966_232▲ 16:02 北神戸~池野 600形のモ604(旧モ1659)+ク504(旧ク1952)が農作地の中を走ります。

DSC_6994_133▲ 16:45 美濃本郷~揖斐 鳥居と花が気に入ったので停めてもらっての撮影です。左側は大きな桜の木です。春は良い撮影地になるでしょうね。車両は先ほどと同じ列車の揖斐折り返しです。

ついでに他にも数本撮りましたが似たような光景でした。ボチボチ工場へと戻ります。
DSC_7004_135▲ 7:12 工場で満載されたホキ9500形貨車が出て来ました。その引き出しも完了間近です。完了後は直ぐの発車となりますので、神社の鳥居前に戻ります。
そして撮りましたのが冒頭の写真です。

DSC_7051_137▲ 17:55 貨物ヤードに行きますともう機関車交換が完了間際になっていました。来た時と同じEF66-116号機が連結されていきます。

DSC_7073_141これで我々の「北陸ちょっと旅」も終わりです。クモハ73106東ウラさんとT崎さんは名神、東名を通って東京へと帰られます。
今回は乗ってるだけで連れて行っていただきました。大変お世話になりまして、りがとうございました。気を付けてお帰り下さいと美濃赤坂駅でお送りしました。

一方の私は美濃赤坂駅から電車に乗って帰宅します。枝線とあって、列車は1時間に1本弱しかありません。

① 美濃赤坂18:24(⇒18:31大垣
② 大垣8:35(新快速)⇒19:10米原
③ 米原19:18(新快速)⇒20:12京都
④ 京都20:23(快速)⇒20:34長岡京
所要時間は2時間10分、運賃は1,940円と青春18きっぷを使わずとも帰れます。残った4回分は、鹿児島に行かれるという大津の86さんに後日譲りました。

05▲ 18:24 美濃赤坂からの電車はワンマンで乗客は数名でした。乗換えて4本の列車の車内ではタブレットでネットを楽しみながら家路の乗車を過しました。心配していた雨は大垣乗換え時から降り出していました。今回もまずまず天候にはめぐまれました。

2泊3日のちょっと旅でしたが、クモハ73106東ウラさんのおかげで充実の3日間を過ごせました。ありがとうございました。またよろしくお願い申し上げます。

これで”「夏の北陸路ちょっと旅」を終わらせていただきます。続いてチベットの玄関口、「西寧」から約400キロ、車で約5時間あまりのチャカ塩湖に参りました旅の掲載を始めさせていただきます。こちらの方もご覧いただければ幸いです。

「天空の鏡 チャカ塩湖に走るナローへの旅 」Part 1へ続く

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