2014年 天空の鏡 チャカ塩湖に走るナローへの旅 Part 1 旅立ち 中国北京でSIMカード買う

昨年10月に初乗車、11月に撮影に挑んだ立山砂防軌道に連れて行っていただいた「一路順風!」さんよりお誘いを受けていました中国青海省チャカ塩湖(茶卡塩湖)に走るナローゲージ鉄路訪問の日程が決まったとの連絡を受けました。
チャカ塩湖04▲ チャカ塩湖はチベットへの玄関口の西宁(西寧)から約300キロ、バスでは約5時間もかかり、海抜は約3,100mの高地にある湖です。面積は約145㎡、サロマ湖(約150㎡)とほぼ同じ大きさです、日本最大の琵琶湖(約670㎡)の約1/4.6になります。水深は深い所でも19mの浅い湖で、約4mの厚さで塩が沈積しています。塩の推定埋蔵量は4.5億㌧と中国人の450年分の使用量に相当し、世界中の人間では75年分の使用量に相当するそうで、約3000年前から採掘ある塩湖です。ちなみに「チャカ」はモンゴル語で、”塩の海”という意味だそうです。

日本人中国鉄ちゃん多しといえど訪問した方はネットを探しても誰もおられません。初陣となると思います。一体どんなナローが走っているのか興味津々でご同行させていただく事にしました。今まで1年に数回訪中していましたが、最近は他の国に行く機会が増えて、何と1年3ケ月ぶりとなりました。高速鉄路の延伸が続き、めざましい発展を続けています中国鉄路です。2014年はどのように変わってきているのか、このレポートに含めてご紹介させていただきます。

チャカ塩湖02チャカ塩湖03

※ 一路順風!さんは、ご熱心な中国ナローゲージファンです。ご自身のHP、「你好 小火車には、姿を消していく大地のナローゲージ訪問記事がくまなく掲載されています。必見です。こちらもご覧なってください。

第1日目 8月9日

今回の訪中はお盆休み近しで、珍しく北京・上海便がキャンセル待ちでしたが、天津線は空いていました。往路の天津線は久しぶりです。たまには変わったルートも良いかと名古屋からの天津便にしました。

① 長岡京6:21(快速)⇒6:28京都6:35(のぞみ)⇒7:11名古屋
② 名鉄名古屋7:20(ミュースカイ)⇒7:48中部国際空港
DSCN3329_101DSCN3333_103▲ 夏休み、お盆とくれば新幹線、ミュースカイも満席でした。何とか座れましたが、セントレアもご覧のように国内・海外に向かわれる方が多く、開業した時のように混み合っていました。

③ 名古屋空港10:30(JL841)⇒12:40天津空港
02▲ 今日の名古屋⇒天津線の機内食。ビールのつまみには丁度良い質と量です。

④ 天津空港13:35(リムジンバス)⇒14:15天津駅
05天津空港に降り立つのは駐在時代以降なく、また新しいターミナルとなってからは初めてです。
以前は市内とのバス便はなく、往復ともTaxi利用を余儀なくする不便な空港でしたが、いつの間にか市内中心部を経由して天津站まで行くリムジンバスが運行されていました。
時間には余裕がありましたので、今日は初めてのリムジンバスに乗り、市内では途中下車せずに天津站に直行しました。
Taxiだと約80元(約1,320円)しますので、15元(約250円)はお得です。

06▲ 14:15 夏休みとあって混み合う天津站で並んで北京南までの高速鉄路の切符を購入です。実名制となっている切符には名前とパスポート番号は印刷されていましたが、番号の下2桁は**になっていました。こういった記載は初めてのケースです。何かと遅れていた国家です。切符1つをとっても何が良いかの試行錯誤が続いていると思われます。

天津⇒北京南120キロの1等運賃は、65.5元(約1,080円)。10キロオーバーですが、新幹線京都⇒姫路(130.7キロ)は、運賃+特急グリーン料金=7,820円。単純に比較しますと約1/7と格安です。中国鉄路の乗り鉄旅を満屈しようとする者にとって、日本ではなくなっていく長い旅路と共に運賃の安さは大きな魅力の1つです。

⑤ 天津15:11(C2054次)⇒15:44北京南(地铁)⇒永安里
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中国で最も早く開業した京津高速鉄路に乗って北京に向かいます。
開業した当時は、最高速度330~350km/hで走っていましたが、例の大きな事故以来スピードダウンされて300km/hをオーバーしたのは少しだけで殆どが290km/h前後の走行でした。
鉄路に求められるのは速さだけでなく安全と経済性が先に立つことを学んだ中国鉄路の現われでした。
こうした地道な努力の長年の蓄積が信頼性を生むことを分かってきたようです。
北京では定宿にしている京倫飯店にチェックイン後、西宁までの切符手配を依頼している旅行社に最終受取場所と時間の確認をしようとしますが、持っています電話機本体の反応がありません。1年3ケ月前には普通に使用できていました。電池切れでもありません。

長い間使用していないので料金のチャージをしなければいけなくなっているのかとも思いましたが、そもそも発信音が聞こえませんので何もできません。iPad用のSIMカードも買いたいので電話会社に行って見てもらう事にしました。

【 中国でのSIM購入について 】
日本で使っています携帯電話でも中国国内で送受信する事も可能ですが、ローミングサービス通話料金は高く、とんでもない通話・通信料金を請求されます。また中国固定&携帯からの電話を受けた場合でも相手方に1分約8元(約130円)の国際電話料金の負担が出ます。

中国でSIMカードを買って日本で使っている携帯電話のSIMカードと入れ替えればいいのですが、日本で売っている携帯電話はそれぞれの会社の縄張り争いのために携帯電話本体が他国のSIMカードを受け付けない仕様(SIMロック)になっています。携帯電話に関しては世界的に最も遅れているのが日本の現状です。
( ※ 今年9月アップル社から発売なったiPhone6からようやくSIMフリーになり、同じ電波方式の世界の国で使用できるようになりました。ただ中国国内ではiPhone6はまだ売っていません。このためiPhone6を求める中国国内高額所得者の要望は極めて高く、考えられないくらいの高額で転売する為に大挙して中国人が日本国内で買い求める騒ぎが勃発しました。)

私は頻繁に訪中する機会が多かったので中国で携帯電話を購入して対応してきました。今回はタブレット(iPad)のネット使用のためにもSIMカード購入は必需でした。
現在中国には、中国移動通信China Mobile)、中国聯通China Unicom)と中国電信China Telecom)の携帯電話会社3社があります。この中でも中国移動通信は最もユーザーの多い会社です。

直ちにホテルのフロントにChina Mobileショップの場所を聞いて買いに向かいます。
かつて私が駐在していた頃は、外国人が携帯電話を購入する事は国策により非常に難しく、許可を取るのは至難のワザでした。基本的に定住している住所登録が必要で、居留証や納税証明証、会社の在籍証明等を要求されていました。その為に裏ワザを使わざるをえなかったのですが、今は会社もなく自由人の身で裏ワザは使えません。

幸いにしてショップはすぐ近くにありました。
まず店内のカウンターのお姉さんに携帯電話を見せて、「使えなくなっている。チャージをしなければならないと思うがどうでしょうか。」と、お聞きしますと、「この電話機に入っているSIMカードは壊れています。」とのお返事です。
「それなら新たにSIMカードを購入したい。」と、申し上げますと、「パスポートと宿泊しているホテルの名前と住所を提示してください。」と、聞かれます。提示しますと何やら申込書を出してきてプリンターで打ち込まれました。昔と違って手続きはいとも簡単でした。下がその書類です。
SIMカードは使用開始時にはカードを差し込むだけではダメで、所定の開始手続きが必要ですが、お姉さんが全部やってくれました。送受信のテストを行いましたが、問題なくできます。
電話登録03

次にiPadを出して「ネットを見るのに使うのでもう1つのSIMカードも欲しい。」と、申し上げますと、今買われたカードを差し替えるだけで良いですと、またやってくれました。そしてテストをしますが、通信スピードはやたら遅く表示や検索に時間がかかります。「これではダメです、タブレットにはもっと通信スピードが速くなければ使えない。タブレット用にもう1枚通信スピードが速いSIMカードをください。」と、申しますと、「China Mobileではありません。China Unicomへ行かなければなりません。」と、ご親切に場所を教えてくださいました。
かかった費用は、50元(手続き料)+100元の計150元(約2,450円)でした。初めて中国で自分名義のSIMカードを手に入れました。

China Unicomショップも近くにありました。ここでは使用する期間に分けてSIMカードを販売していました。6ケ月間の300元(約4,950円)を申し込みます。そしてパスポートを提示するだけで面倒な書類書き込みはなく購入できました。SIMカードを差し込んで最初の設定をしていただき完了です。テストをしますと先ほどとは違ってスムーズにネットに接続できました。
06▲ 左は中国聯通(China Unicom)、右は中国移動通信China Mobile)です。

これで携帯電話の問題は完了です。この説明では不十分と思いますのでもっと詳しくお知りになりたい方は下記をクリックしてください。
① エスプロア上海-中国携帯入門、 ② 中国シルネット―中国携帯事情、 籠茶館-中国携帯電話キャリアの解説とSIMフリーIPhoneの対応状況まとめ

もう1つ、肝心な携帯電話本体ですが、中国では200元(約3,300円)以下から販売しています。ショップは日本より多く街角のどこにもあります。電話方式が同じの欧州や台湾でも使用できますので海外に行かれる機会の多い海外鉄ちゃんには必需と思います。
会話する中国語の壁ですが、堪能でない私でも出来ましたので大丈夫です。不安があれば案内人の通訳さんに任せれば良いと思います。09

夕刻、明日乗車する北京西⇒西宁西の切符を持って依頼していた旅行社の方が来られました。
【50023】海外鉄 あっても良い話と、あっては絶対いけない話で投稿しましたのがこの切符です。

中国鉄路の切符発売状況HPでは120%ないプラチナ切符でしたが手に入りました。裏ワザは分かりませんが、実名制切符となっても確保できるのは、鉄路局との相当太いパイプがあるのが分かります。手数料と配達料を合わせて280元(約4,620円)は、今まで切符手配に苦労した経験を踏まえても決して高い金額ではありません。寧ろ良心的な金額です。次回も依頼しようと思いました。

これで西宁へは列車に乗れば着きます。約24時間の大地の壮大な乗り鉄旅を楽しめます。ホテル近くの食堂で簡単な夕食を食べた後はこれからの楽しみを抱いての就寝となりました。    Part2  へ続く

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