2014年 天空の鏡 チャカ塩湖に走るナローへの旅 Part 9 西宁⇒西安 鉄路切符購入の現状 蘭新高速鉄道開業近し

地図01当初は予定していなかった青藏鉄路の撮影は満足出来ましたが肝心の茶卡盐湖(チャカ塩湖)に走るナロー鉄路撮影は惨敗に終わりました。今日からは車窓と街角散歩を楽しみながらのゆっくり旅です。次の目的地は3度目の訪問となる西安です。
上の地図は西安までの軌跡です。西宁から兰州までの乗車はK622次、平均速度78.2km/h、表定速度80.9km/hで走破します。兰州からはK2630次に乗り継ぎます。山岳路線を行きますので、平均速度61.8km/h、表定速度65.1km/hとなっています。

第9日目 8月17日

4泊5日、寝食を共にした一路順風!さんとも今日がお別れです。西宁空港に向かわれる一路順風!をお送りしてから近くの代售処へと出かけました。代售処とは駅窓口とは違って街中にある場外の鉄路切符売場です。西宁に先乗り街角歩きをしながら見つけておきました。
今日はこれから西安に向かいます。西宁からの切符は既に北京で同じく代售処で買い求めていますので良いのですが、次の西安から先の予定は気ままに行くためにまだでした。

【 現在の鉄路切符販売状況 】
基本的には20日前(乗車当日含む)にインターネット購入及び電話予約ができます。18日前には駅窓口と代售処で購入できるようになっています。但し発駅でない駅、また代售処での購入では5元(約9円)の手数料が必要です。(※1年前はそれぞれ2日間早かったのですがいつの間にか変わっていました。)

中国鉄路の列車本数は、約60%を貨物列車が占めると言われています。そのために旅客列車は少なく、20年前の切符購入は至難のワザでした。ひたすら発売日(7日前)、発売時間(8:00だが駅によって異なる)前に駅窓口ではひたすら待つしかない忍耐を要求されました。それも発駅での販売で途中乗車は4日目になっていて殆ど切符は売り切れでした。そのためダフ屋からの法外な手数料を要求する旅行代理店に依頼しなければ手に入れる事は不可能に近かったのですが、①在来線の列車高速化による列車本数増加、②切符販売のオンライン化、③昼間運行する高速電車(CRH)の投入、④高速旅客専用線(新幹線)建設開業による大幅なスピードアップ・列車本数激増、⑤ダフ屋撲滅のための実名制切符販売、⑥切符前売り日の前倒し(7日⇒20日前)、⑦電話予約やインターネット普及による切符購入のスムーズ化等の実施により、大変購入しやすくなりました。特に④の路線では当日直前でも買えるようになったのは以前とは雲泥の差で、鉄路乗車はごく身近なものになりました。

今日購入する列車の空席がどれだけあるかはインターネットの余票査訽(空席切符状況)で確認済みです。十分に空席がありますが、西宁西站は臨時駅で街中からは遠く(約14キロ)、路線バス往復で買いに行くには長時間が必要です。また直前に窓口で並ぶのはイヤです。一方の代售処はホテルに近く、先日見に行った時はガラガラでした。DSCN40822610:10 ところが今日は長蛇の列で並んでおられます。月曜日の朝は混むのでしょうか。仕方ありません、我慢の約30分を強いられました。

DSCN4080_1▲ 購入したのは、磁気カードでない紙の切符です。この代售処ではまだ磁気カードの発券機が導入されていません。ピンクで隠したのは姓名とパスポート番号ですが、番号は下2桁が”**”表示になっています。やはり発券方法が全国的に変更なったようです。もっとも入場口または改札口では右側のQRコード読取機が設置されています。これで身分証やパスポートを見て確認ができますので省略しても問題ありません。

11:30にホテルをチェックアウトして西宁西站へと向かう路線バスを待ちますが、中々来ません。約20分待つのが限界でTaxiにしましたが、站手前約400mで降ろされました。臨時站は未整備で入場口近くにTaxi降り場が設置されていませんので不便です。
DSCN411428▲ 12:40 待合室は臨時站とは思えないほど広く、天井も高く明るく、清掃も行き届いていました。
DSCN411529_1▲ 12:41 発車24分前ですが既に改札が始まっていました。改札時間は站によってマチマチで、約30分前から15分前になっています。

① 西宁西13:05(K622次)⇒16:00兰州(蘭州)
DSCN411227_1▲ 乗車したのは武昌行きのK622次です。目的地は西安ですのでこのまま乗って行けばいいのですが、西安到着は深夜02:04で早すぎます。またあいにくと満席で兰州(蘭州)での乗継をしなければなりませんでした。長距離夜行列車の乗継など站窓口で案内しません。日本では当たり前ですが中国人ではそんな習慣はありません。日本人鉄ちゃんならではの発想でもあります。
車両は、軟座寝台(RW25G-555114)、席は快適な下段です。
西宁西⇒兰州は15本の列車本数ですが、兰州⇒西安は34本と倍増します。それだけ兰州からの乗車需要が多いのですね。

DSCN413733▲ 発車後はタブレットを開けてどこを走っているかを検索します。Google地図は中国では見られずナビゲーションはできませんが一路順風!さんから教えていただいた腾讯地图なら手動ですが、ipadのGPSと合わせてのナビゲーションができます。青藏鉄路撮影の際も活躍してくれました。これは鉄ちゃん旅には必需となりました。
腾讯地图のアドレスは、http://map.qq.com/ です。

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DSCN413934▲ 14:05 車販が回ってきましたのでゲットです。美味しくいただきました。

DSCN4142_1▲ 兰州までは建設工事が進む蘭新高速鉄路が時折並走します。これが開業しますと、今まで取り難かったハミウルムチへの切符問題が一気に解消します。

【 蘭新高速鉄道 】
中国網(チャイナネット)9月末の報道では、「蘭州と新疆ウイグル自治区を結ぶ蘭新高速鉄道のハミからウルムチまでの試験運転が円満に終了した。蘭新高速鉄道は10月中旬に運転を開始し、新疆は高速鉄道時代に突入することになる。蘭新線第二複線は新疆、甘粛省、青海省を横断する鉄道の大動脈で、国の『中長期鉄道網計画』の重点プロジェクト、中国が標高の高い地域に建設した最初の高速鉄道でもある。工事は2009年11月4日に始まり、全長1776キロメートル、時速250キロ、総投資額1435億元。年内に全線開通し、運転を開始する予定。」

「新疆初の高速鉄道の開通後、ウルムチ―蘭州の移動時間が16時間から約9時間に短縮され、北京への移動時間も約半分に短縮される。現地の旅行局の関係者は、高速鉄道の開通は、新疆が辺境ではなくなることを意味すると語った。」との報道もあります。
また人民日報や新華社のWebでも同様に営業運転近しの報道となっています。
営業開始日は新疆紛争問題が解決できずテロの危険性もあって、まだまだ分かりませんが12月末頃は確実で、もう少し早くなる可能性もあります。しかし、開通に伴う新駅及びリニューアル化が間に合うのでしょうか・・。

DSCN416035▲ 16:05 ほぼ定刻に兰州(蘭州)に到着しました。乗継列車までの待ち時間は約2時間です。街角歩きは難しいので軟座待合室でゆっくりと待つ事にしました。

DSCN4182_1▲ 商務車が編成にあるCRH(高速電車)が発着する駅には商務車用の待合室だけですが、この駅には発着がありませんので軟座待合室があります。タブレットを開けて日本のニュースを見ながら待ちました。

② 兰州18:05(K2630次)⇒05:01西安
DSCN418839_1▲ 乗車する列車はK2630次(ウルムチ⇒西安)です。夏休みと国慶節休み対応の臨時列車で11月3日まで運行されます。途中からの乗車ですが切符が上手く取れました。
車両はRW25G-552353、席は軟座寝台の下段です。
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19:28 夕暮れの中、列車は山間区間に入って行きます。
ビールを飲みながらゆっくりと旅情に浸りながらの時間を楽しみました。
 Part10  へ続く

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