▲ チベット高原の青海湖畔で地面に穴を掘って住まいにしているオオスナネズミ君。
地面の穴の中は、安全であるだけでなく、冬は暖かく、夏は涼しいので、快適に暮らせるのだそうです。体調は手のひらぐらいで、とっても可愛いのですが繁殖力がおおせいで、放牧されている草原の羊や牛のえさの草木を食い荒らしますので、嫌われ者です。
第8日目 8月16日
今日はチャカから西宁に引き返します。塩田に走るナロー鉄路の走行を撮れず傷心ではありますが青藏鉄路が撮れたのは収穫でした。
▲ 往路は青藏鉄路に沿った青海湖北側を来ましたが、復路は南側を行く事にしました。
▲ 9:24 これが塩湖だと一目瞭然の白い茶卡盐湖を右に見ながら行きます。
▲ 10:00 茶卡盐湖が見えなくなるとチベット牛(ヤク)やチベット羊が放牧されている小高い草原が広がっていきます。案内人の米海軍さんの説明では、ヤクは1頭20,000元(約330,000円)、チベット羊は3,000元(約50,000円)以上はするそうで放牧民は意外と資産家です。
▲ 10:04 放牧民は夏季には草原で暮らすそうで、所々に白いテントが設置されています。モンゴルで見た丸いテントのゲルとは違って、普通のテントぽいですね。
白いテントは、若い娘がいるよという印で未婚の娘が一人で寝起きし、王子様が現れるのを待っているという話を聞いた事があります。草原は出会いの場であり、白いテントは情熱の場であるそうですが・・。ちなみにこの辺りではできちゃった結婚が古くからの習わしだそうです。
▲ 10:07 海抜4,451mの橡皮山の109号線の峠道は、3,817mと富士山より高い位置にあります。ここをサミットに青海湖に向けて一気に下って行きます。
▲ 10:16 109号線も放牧の地でもあります。結構多くの車が避けながら走行します。
▲ 10:42 青海湖の湖畔に下りました。青海湖一周のサイクリングを楽しむ中国人を多く見かけます。ルンタ(タルチョー)向こうのテントは観光客のための民宿です。中の1つのテントは食堂になっていてキャンピングも楽しめます。
▲ 湖面にある四角い建物。何だろうと望遠300㎜で覗いてみますと魚雷の発車実験場です。今も使用されているのでしょうか。
▲ ヤクを移動さすのにはマウンテンバイクに乗っての子供たちの仕事です。
▲ 湖畔には1面の菜の花畑が広がります。ヤクに乗って楽しむ観光客は多数、今日は日曜日でどこから来たのか自家用車が押しかけて反対方向は大渋滞になっていました。
▲ 13:36 青海湖を過ぎて途中の食堂で遅めの昼食です。注文したのは昨日同様のパスタです。トゥクパと言われている麺料理の1つと思いますが、新疆の哈密やウルムチでも回族料理としてよく似たものを食べました。パスタはシルクロードから欧州に伝わったそうですが、これが原型です。
ふと食堂にあったTVを見ますと青藏鉄路延伸のニュースが流れていました。
【 拉日鉄路 】
拉日鉄路は、青藏鉄路終点のチベット自治区首都の拉萨(ラサ)からエベレストを南に望む、チベット第2の都市日喀则(シガツェ)を結ぶ全長251キロの鉄路です。
最低海抜3,600m、最高海抜4,000mの高山鉄道で、途中14站が設置され最高運転速度は120km/h、和諧N3改良型の国産ディーゼル機関車が使用されます。
ニュースによると開業は8月16日本日の朝で「雪域新天路」と呼ばれ、29のトンネル(総延長10,410m)、116の橋梁(総延長3,097.49m)が建設されました。今までの道路による所要約6時間を2時間59分と約半分に短縮されたそうです。
インターネット新聞の人民日報日本語版では、「拉日鉄道は、東端でチベット鉄道および建設が計画されている拉薩・林芝(ラサーニンティ)鉄道とつながり、西端で同じく計画中の聶拉木(シャラム)―亜東口岸線とつながる予定で、チベット鉄道網における「承東啓西(発展した東部地域を支えとして西部地域を開拓する)」計画の中枢となる。拉日鉄道の開通・開業は、チベット経済社会の発展推進、国土資源の開発促進、沿線に住む各民族の人々の移動・旅行環境改善、民族団結の増進に重要な役割を果たすと見られる。」と、報じています。
そして成都から拉萨への川薩鉄路(1,630キロ)の建設も開始されたそうです。
また、7月24日付けの中国紙、環球時報(英語版)によると、中国チベット自治区の鉄道当局者はヒマラヤ山脈にあるインド、ブータンとの国境付近にある亜東(ドモ)とネパールとの国境付近の吉隆(キドン)まで、それぞれ延伸する。2020年までに着工する計画だという。付近まで鉄道を延伸する計画を明らかにした。
いずれ国境を越えての延伸を続けようとの思惑があるのは明らかです。広い国土に港は東側に偏っています。どうしても西方向への港は国策上必要です。そのためにまだまだ中国の野望は続いていくものと思われます。
※ 記事を読んで作成しました予定線(緑色)は推定です。実際とは異なると思われますのでご注意ください。
朝食後は、もしかしたら見えるかもとナロー鉄路があるらしい西宁近郊の大通炭鉱線に帰路に寄ってみましたが残念ながらかつて蒸気機関車が走っていたとの従業員の言葉を聞くだけで、工場内への立ち入りは許可されませんでした。
明日は朝の北京乗継便で一路順風!さんは帰国されます。今回は期待が大きかっただけに十分と言えない成果でしたが、初めて訪れる地では、ましてや中国では上手くいかない事も多いと慰め合っての宴となりました。 Part9 へ続く