都電「高田馬場駅前」 今昔
少し間が空きましたが、最近、現況を撮影した都電跡の今昔対比を続けます。前回の新宿からふた駅目、高田馬場駅前です。面影橋方面から路線が延長され、高田馬場駅前まで伸びて来たのが昭和24年のことでした。系統は15系統(高田馬場駅前~茅場町)一本で、電停は一線のみの終端式で、乗降を終えると、もと来た道を戻って行きました。 ▲昭和43(1968)年8月、東北・北海道へ向かう途中、丸一日を都電撮影に当てた。昭和43年度の都電廃止予定の系統を写すため、前々回の渋谷駅前に続いて高田馬場駅前に来て、電停付近の様子を、一枚だけカラーに収めた。いまでも覚えているのは、写していると、掃除をしていた高下駄を履いた寿司屋の主人から“どっちから来たんだい?”と聞かれた。初めて江戸っ子訛りを聞いた気がした。“京都からです”と答えると、ずいぶん驚いていた。都電を写す人間など、ほとんどいなかった。
▲高田馬場駅前は、その後、大規模な再開発がされて、ロータリーが広げられて、街並みもすっかり変わってしまった。横断歩道を定点の目安に写してみたが、改めて当時の雑誌を見ると、停留場はもっと山手線、西武線に近く、もう少し手前(左手)かもしれない。