切手に押印する風景印を、“マッチング”と言って、関係の深いものにすることは、前回の江若鉄道百年の項でも述べたことですが、鉄道に関して、さまざまな組み合わせを、今回は見ていきます。
究極のマッチング? 廃駅の写真・入場券・駅スタンプ・下車印、風景印を一致
上記の5つを一致させることはできるのか? 写真・入場券・駅スタンプ・下車印が揃っている駅はいくつか見つかりました。ただ、駅名と同名の郵便局があって、しかも風景印のある局となると、さらに限られます。みごと5つとも揃ったのは、ひと駅だけ、北海道、羽幌線の鬼鹿でした。▲「鬼鹿」と言う、驚しい駅名も、今となっては知る人も少なくなった。われわれの時代には、羽幌線は希少なD61の走る線区で、まだ石炭列車もあった。勾配区間の鬼鹿~力昼~古丹別は撮影地として知られていて、私も下車した。交換列車があることが分かり、小雨の中で、通過する石炭列車を待った。駅名標は隠れてしまったが、ナメクジのD51 62が牽く石炭列車だった。この蒸機は、北海道ではとくに珍しい長工式の切取式デフを付けている。デフの前のステーの位置を見ても分かるように、ご丁寧に、北海道特有の切り詰めデフに再改造されている(昭和44年9月)。
▲羽幌線は国鉄の第二次地方交通線で昭和62年3月に廃止になった。訪れた時の入場券、駅スタンプ、均一周遊券の下車印が、50年ぶりに陽の目を見ることになり、改めて、鬼鹿郵便局へ郵頼した。絵柄の建物は、近くの番屋、夏には海水浴場もあって、羽幌線の頃には、最北の海水浴の臨時列車も走った。