1954年3月北陸から長野、三重 その5


木曾森林鉄道鬼渕鉄橋での8号機 人道橋も兼ねる

不味い食パンと、たくましい行商のおばさんから恵んで頂いた塩コンブとで、腹を物理的に満たした我々3人は、松本の次に中央本線上松で勇躍下車。木曾森林鉄道初見参である。



便乗者には老人もいる 山中の居住者なのだろう 客車の窓は引き違いで、まさしく大工が小屋を建てる感覚で作った車両だが 屋根のカーブが比較的緩やか 運材車に乗るのは営林署の作業員
木曾桧の本場も本場だから 車両はオール桧製 これは屋根のカーブがきつい 手前の8号には「一般用」 長い3号には「学生用」とある

2軸の2号客車

これは特別客車で「偉いさん」用 元来皇太子(現天皇)が視察の際乗車した貴賓車であった由

ボールドウイン1921年5月製 9.8トン 製造番号54837 燃料は石炭ではなく桧の枝を小さく切ったものだから コールバンカーならぬウッドバンカー? 

貯炭場ならぬ貯薪所 お手の物の桧の枝を切ったものが石炭代わりで 油を含み結構火力があるそうな 給水装置も本格的である

まだボールドウインB1リヤタンク機が現役も現役、大活躍していた。3月とあって、まだ伐採や運搬が本格化しておらず、蒸機も半分ぐらいは庫内で休んでいる。ディーゼル機も客車を牽引し、便乗客が大勢いたのも、材木需要が旺盛で、地域全体に活気が満ち溢れていたことを示す。


ボールドウイン1915年4月製1号機 製造番号41997

庫内に休む蒸機たち 手前は大同1号で日立1936年12月製コピー機 次は立山重工業1949年7月製11号 奥はコッペル1923年1月製10か1925年製13

煙突 メインロッドがないコッペル1925年製10トン14号
H.K.ポーター1920年11月製8.6トン6号機の廃車 製造番号6592

酒井製作所製107号ディーゼル機 8トン 日野DA57A装着


おなじみ運材車 この時点ではまだ貫通制動はない

要するに有蓋貨車だが、扉は片側(反対側)にしかない これもオール桧製

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