▲ 今日は北京から天津に向かいますがルートとしては京津城际鉄路(北京南~天津、120キロ、33分)に乗車するのが一般的です。列車本数も多く、天津は在来線との併用站です。繁華街からは離れていますが、地鉄のネットワークが出来たので便利になりました。他にも上海への京沪高速鉄路(北京南~天津南、122キロ、36分)で途中下車する事も出来ます。また旧来の在来線(京山線)も時間を気にしなければ選択肢に入ります。ただ今日は北京西站すぐのホテルに宿泊しているので、北京南站まで地鉄で行こうとすると乗換2回があって50~60分は見ておかないといけません。荷物を持っての階段の上り下りの乗換は老人には辛いものがあります。
中国鉄路の切符販売HP”中国鉄路客戸服務中心”から北京西⇒天津の列車を検索しますと、午前中に2本の列車がありました。
T5683次なら、ゆっくり出発で所要時間1時間26分と北京南站まで行って高速鉄道を利用するのと変わらず、到達できます。
この方が荷物を持っての移動には楽です。空席も十分ありますので即決でした。
運賃も30.5元(約500円)と高速鉄路の半額以下です。
第14日目 8月22日
① 北京西10:42(T5683次)⇒12:08天津
② 天津(地鉄)⇒小白楼
▲ 10:23 北京西站の発車時刻表と待合室の案内表示です。11時台には9本の長距離列車が発車します。1996年1月21日開業時では1日で約30本の列車しか発車していませんでした。かつてをよく知っているだけに驚くべき20年の間での発展です。
▲ 10:28 改札後にホームに降りるとオール2階建て軟座車編成が止まっていました。石家庄を7:12に出発、秦皇島には15:52に到着します。所要時間は8時間40分。この間は高速列車では北京で乗り継ぎのため地鉄移動を必要としますので、存在価値があるようです。
【 SRZ225Z型客車 】
中国建国後1953年から始まった5ケ年計画も第8次(1991~1995年)となった1993年に登場したのが25Z型客車です。列車の高速化を目指して牽引される客車も設計最高速度160km/h(運行速度140km/h)対応とされました。普通車から食堂車まで様々の客車が製造され各地に投入されています。
SRZ2-25Z型2階建て軟座車(1等車)はその2次型として南车南京浦镇车辆で製造されています。車両長25,500㎜、高さ4,750㎜、幅3,105㎜、定員108人。25Z型客車は1996年まで製造されました。
▲ 列車の中では列車乗務員が記念入場券に記念切手や封筒をセットにした数々を販売に回ります。大きな声で、「これは大変に貴重な物です。記念になって将来には価値が出ます。」と、身振り手振りも入れてのセールストークを連発されています。その熱心な姿は、乗客の注目を浴びていました。
私も持っている物がありましたが、こんな物を買うのは鉄ちゃんぐらいしかいません。ましてや乗車している列車とは全く関係ない入場券類です。後から価値が出るとは・・、呆れます。それでも巧みな口調にグラッときたのか買われるお客も出ていました。列車乗務員は優秀なセールスレディでもありました。
客車軟座車は、固定ボックス席仕様で一応満席でした。
列車のスピードはCRHの300km/hの半分以下ですが、最高140km/hと結構快走していました。
京津間とあってネットも問題ありません。いつものようにタブレットを開いてYahooニュースやらを見ている内に天津に着きました。
▲ 12:22 天津には若干の晩点(延着)です。
ホームには天津名物の包子を温蔵庫に入れての売り子がいました。
初めて見ましたが、これは美味しいのです。温かい便當をホームで販売するのは中国鉄路では珍しい事です。よく売れていました。
地下食堂街で昼食を取ってから地鉄で今日の宿泊ホテルのある小白楼へと向かいました。
▲ 中々計画どおり開通しない天津地鉄ですが、ようやく2号線天津站~东南角が2013年8月28日に開業していました。これで天津站からの東西が結ばれました。後は天津空港までの開業ですが、いつになるのか、天津人に聞いても市政府発表には裏切られぱなしとの返事しか返ってきません。
▲ これは1985年の訪中視察時に地鉄職員からいただいた当時の地鉄建設の計画図です。環状線は未開通ですが、当初は予定されていなかった9号線が開業しています。
この夜はいつものように少なくなってしまった旧友たちとの宴を楽しみ旅の締めくくりとしました。
▲ 街中散歩の途中で乗った3輪バイクTaxiの最新型。バックミラーや方向指示器類も完備していて小さいながらも普通のTaxiと引けを取らないデザインです。道路を走るナローにも見えます。
天津は各国がそれぞれに街を作った旧租界地です。北京と違って真っ直ぐな道は少なく複雑に入り組んでいます。そして大通りを入ると狭い道が多く、こういった小さな車の独壇場にもなっています。
第15日目 8月24日
① 天津空港14:00(JL840)⇒17:45中部空港
② 中部国際空港(名鉄)⇒名古屋(のぞみ)⇒京都⇒長岡京
すっかりと駐在時代とは変わってしまった天津の街角散歩を楽しんでからゆっくりと天津空港までTaxiで向かいました。▲ 天津から名古屋へはわずか2時間45分のフライト、東京~大阪の新幹線乗車とさほど変わりません。
かつてはJAL、ANAとも関空便があったのですが、搭乗客は少なく直ぐに休止になってから復活していません。
最近LCCが飛ぶようになりましたが、復路着は終電のなくなった深夜とあっては利用不可です。
LCCにはない機内食サービスと飲み放題のビールが救いです。寛ぎの空の旅を楽しみました。
今回の旅は主目的たるチャカ塩湖ナロー鉄路が撮れず、失敗に終わりましたが、青藏鉄路が撮れたり、西宁・西安・北京・天津の街角散歩をしたりで、1年3ケ月ぶりの大地の旅をゆっくりと楽しめました。中国感覚が戻りました。次は小竹直人先生と年末の訪中予定です。
その間、しばらくは国内鉄に励むことにしていましたが、帰国後に一路順風!さんから前回休止中でこれも失敗に終わった大連の海の塩田ナロー鉄路が稼動シーズンに入った。ぶんしゅうさんのリベンジをサポートさせていただきたいとの連絡が入りました。ちょっと予定が混んでいましたが折角のお誘いです。即決しました。
国内鉄を挟んでまた投稿させていただきます。よろしくお願い申し上げます。
2014年 天空の鏡 チャカ塩湖に走るナローへの旅 へ続く